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家具・用具を定額レンタル 「カリ家具」 入居準備の負担軽減

家具・用具を定額レンタル 「カリ家具」 入居準備の負担軽減

 ゴトウライフクリエイション(京都市、後藤正裕社長)は、2019年より、施設入居時にテレビやチェストなど生活に必要な家具を定額でレンタルするサービス「カリ家具」を提供している。関西、静岡、香川で4月末現在67施設、累計294人が利用している。

 レンタルできるのは▽ベッド▽マットレス▽チェスト▽タンス▽椅子▽一人用ソファ▽シューズボックス▽テレビ▽冷蔵庫▽洗濯機▽掃除機▽電気ケトル▽電子レンジ▽扇風機――など家具から家電まで20種類以上。利用者の身体状況に応じて福祉用具のレンタルも行う。

 家具はネクスタス社が理学療法士と共同開発した、車いすの人も使いやすい「リハ家具」を中心に取り揃える。

 施設入所時の家具の持込み、購入は「自宅から持っていくのは手間」「一人で引っ越し作業ができない」「疾病・疾患でADLが変化しそう」「初期費用を抑えたい」「夫婦の片方だけ入居するので家財道具を持って来られない」など準備への負担が大きい。

 カリ家具は入居前準備の負担軽減に繋がる他、住環境コーディネーターが利用者の身体状況に合わせた居室の導線確保や模様替えなどの提案も。特養待機の一時入居などでも数多く利用されている。

(写真・記事上部)カリ家具を使ったモデルルーム

定額で家具の納品から交換・処分まで

 利用プランはレンタル点数が少ない人向けの「単品プラン」、何点借りても月々定額の「借り放題プラン」の2つ。

 単品プランは1アイテム1100円/月(税込)〜、借り放題プランは月額1万3200円(税込)。別途、月額基本料金3300円(税込)が必要。

 基本料金には▽搬入・搬出・組み立て・設置・設定費用▽転出時(一部屋丸ごと引き上げ費用)▽修理・交換・模様替え破損・紛失保証保険――が含まれる。

 ADLに合わせた家具交換や、納品・組み立て、不具合時の交換の他、退去時の処分(必要に応じて冷蔵庫の中身、布団、おむつの使い残しなど)も全て同社が一括して行う。利用者や事業者が処分会社を探す手間をなくす。

 後藤社長は「カリ家具は『捨てない社会を作る』がテーマ。入居時の利用者と施設双方の負担軽減にも繋げる」と話す。

カリ家具を全国へ

後藤正裕社長

後藤正裕社長

 施設側のメリットも大きい。カリ家具を利用する際の施設の費用負担はなく、加えて退去時の処分も同社が行うため、次の入居者のスピーディーな受入れを助ける。

 後藤社長は「これまでは、家族が引き上げや見積依頼をしていたので、時間がかかっていたが、カリ家具は処分までを費用に含んでいるため、退去が決まり次第すぐに家具の引き上げを行うことができる」と説明。

 施設が見学用にモデルルームを用意したいときは無料で家具を貸出。「モデルルームを設けた施設では、見学後の成約件数が倍になったケースもある。実際に自分が住んでみたときのイメージがしやすい」(後藤社長)。

 また、4月よりカリ家具の運営を行う代理店の募集を開始。これまでも、福祉用具貸与事業所から要望があった。「福祉用具貸与事業所は利用者の身体状況から過ごしやすい生活空間を提案できるスペシャリストでもある。ぜひ興味がある事業所は問い合わせていただきたい」(後藤社長)。

 後藤社長は「介護保険がスタートして20年以上経ち、特養や老健、介護付き、住宅型、サ高住などさまざま入居サービスがある。利用者、施設が負担なく入居に繋げる1つのサービスとして活用頂きたい」と語る。

 問合せは同社(☎075-254-8335)まで。
リハ家具や、国内メーカーの家電をレンタル

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(シルバー産業新聞2023年5月10日号)

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