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神戸市の老健で133人が新型コロナ感染、25人死亡

神戸市の老健で133人が新型コロナ感染、25人死亡

神戸市の介護老人保健施設「サニーヒル」(定員150人、短期含む)で4月14日から5月6日までに新型コロナ感染者133人が発生し、うち25人が死亡した。感染者は、入所者133人中97人と、職員121人中36人。入所者数と職員数は4月16日時点。

 最初の陽性者は入所者で、発熱があり医療機関を受診して検査したところ、4月14日に陽性が判明した。これを踏まえて、入所者・職員20人を検査したところ、翌日に入所者3人、職員1人の陽性が分かった。その後、順次、入所者・職員の検査を実施し、5月5日までに133人の陽性が判明した。

 感染者133人中、病院へ入院した人は3人にとどまり、死亡者のうち23人は同施設で死亡した。死亡者はすべて入所者だった。

 5月7日時点で、神戸市全体で自宅や福祉施設、コロナ非対応の病院などで療養する入院待機者は1850人に及ぶ。コロナ対応の病院への入院は血中酸素濃度70%台に陥った人が対象になるなど、入院による隔離・治療が極めて困難な状況になっている。

 老健であったために、酸素濃縮機10台の導入などを行い、施設内で酸素吸入を行う一方、ステロイド薬などの点滴などの治療も実施された模様だ。

 7階建ての同施設は3~6階が老健で、各階で感染者が発生した。感染リスクの高い場所のゾーニングが市の指導で実施されていたが、個室でも4人部屋でも感染者が発生する状況で、本来のゾーニングが機能できなかった面もあるとする。

 4月27日には、厚労省の災害派遣医療チームDMATが派遣され、医師や看護師などの医療スタッフが同施設の対応に入ったほか、保健所の保健師もほぼ毎日同施設の支援を行ってきた。

 「非常に大きいクラスターになり、重く受け止める。率直にショックだ。本来は高齢入所者の感染者は病院へ入院するのが基本だが、第4波の中ではかなわなかった。まだ厳しい状況が続いている」と、熊谷保徳神戸市健康局副局長は5月7日の会見で述べた。

 5月7日時点で同施設には22人の陽性の入所者がいる状況が続いている。陽性になった36人の職員については、すべて自宅やホテルでの療養を行う状況で、施設内のマンパワー不足があり、感染予防が十分にできなかったという。

 市の発表によると、感染した職員36人のうち、有症状者は28人、無症状者は8人だった。年代別では、20代11人、30代4人、40代7人、60代3人。

 神戸市のクラスターは、累計116件になった。高齢・障がい福祉施設はこのうち41件に及ぶ。4月から毎月、高齢者施設の入所者と職員のPCR検査(唾液)が実施されている。

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