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訪問・通所介護の4割赤字 半数が改定後報酬減

訪問・通所介護の4割赤字 半数が改定後報酬減

 日本政策金融公庫総合研究所は1月26日、昨年10月に実施した「訪問・通所介護事業に関するアンケート」の結果を公表した。小規模な事業者の多い訪問・通所介護事業者の4割超が赤字となっている状況が明らかになった。 

 訪問介護の採算をみると、黒字企業が52.4%、赤字企業が47.6%で、従業者規模別にみても、この比率は大きくは変わらないが、「4人以下」の企業だけは赤字の企業が56.9%と過半を占めている。通所介護でも、黒字企業が57.3%と訪問介護より多いが、赤字企業も42.7%を占める。従業者規模別にみると、「4人以下」の企業では、赤字企業が52.8%、「5~9人」の企業では50.9%と過半を占めたが、逆に「50人以上」では黒字の企業が67.2%を占め、規模間の差が大きくなっている。

 2.27%の引き下げとなった15年の介護報酬改定後の影響をみると、介護報酬が増えた企業は8.8%にとどまり、減った企業が57.6%と過半を占めた。特に、引き上げ幅が大きかった通所介護事業者で減った企業の割合が多くなっており、「通所介護のみ」の企業では65.3%、「通所介護とその他」企業では60.9%を占める。介護報酬が増えた企業について増加の割合をみると、「5%未満」の企業が36.3%を占めるが、「15%以上」の企業も25.7%を占める。一方、介護報酬が減った企業について減少割合をみると、「5%未満」の企業が37.7%で最も多いが、「15%以上」減少した企業も16.7%ある。

 介護職員・登録ヘルパーの充足状況をみると、「足りている」企業は41.5%で、半数に満たない。特に、訪問介護のうち、「訪問介護のみ」企業では「足りていない」が72.1%、「訪問介護とその他」企業で79.1%と高くなっている。通所介護では、「通所介護のみ」企業では「足りている」が61.8%、「通所介護とその他」企業が57.7%と「足りている」が多くなっており、訪問介護と対照的になっている。

 介護職員や登録ヘルパーの定着率を上げるために、「職員の要望や悩みを聞いている」企業と定着率の関係をみると、「定期的に聞く機会を設けている」企業では定着率が56.3%と5割を超えているのに対し、「あまり聞いていない」企業では26.8%にとどまっている。

 調査の対象は訪問・通所介護を営む法人1万2333社で、うち2886社(23.4%)から回答を得た。

(シルバー産業新聞2016年2月10日号)

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