介護報酬単価

通所介護 2024年度介護報酬改定 留意事項

通所介護 2024年度介護報酬改定 留意事項

※主な改定部分のみ抜粋しています。
〇運営に関する基準
・基本取扱方針および具体的取扱方針(身体的拘束の適正化推進)
・業務継続計画の策定等
〇報酬
・所要時間による区分の取扱い
・高齢者虐待防止措置未実施減算について
・業務継続計画未策定減算について
・入浴介助加算について
・個別機能訓練加算について
・ADL維持等加算について
・認知症加算について
・口腔機能向上加算について

運営に関する基準

基本取扱方針および具体的取扱方針

 ③通所介護の提供にあたっては、当該利用者、または他の利用者等の生命、または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
 また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、および一時性の3つの要件を満たすことについて、組織等としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。
 なお、居宅基準第104条の4第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

業務継続計画の策定等

 ②業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。なお、各項目の記載内容については、「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」および「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症および災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。
 さらに、感染症に係る業務継続計画、感染症の予防およびまん延の防止のための指針、災害に係る業務継続計画、ならびに非常災害に関する具体的計画については、それぞれに対応する項目を適切に設定している場合には、一体的に策定することとして差し支えない。

報酬

所要時間による区分の取扱い

①・② (略)
 これに対して、当日の利用者の心身の状況や降雪等の急な気象状況の悪化等により、実際の通所介護の提供が通所介護計画上の所要時間よりもやむを得ず短くなった場合には通所介護計画上の単位数を算定して差し支えない。なお、通所介護計画上の所要時間よりも大きく短縮した場合には、通所介護計画を変更のうえ、変更後の所要時間に応じた単位数を算定すること。(略)

高齢者虐待防止措置未実施減算について

 高齢者虐待防止措置未実施減算については、事業所において高齢者虐待が発生した場合ではなく、指定居宅サービス基準第37条の2(同第39条の3で準用する場合を含む)に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。
 具体的には、高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していない、高齢者虐待防止のための指針を整備していない、高齢者虐待防止のための年1回以上の研修を実施していない、または高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。​

業務継続計画未策定減算について

 業務継続計画未策定減算については、指定居宅サービス等基準第105条、または第105条の3において準用する第30条の2第1項に規定する基準を満たさない事実が生じた場合に、その翌月(基準を満たさない事実が生じた日が月の初日である場合は当該月)から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の利用者全員について、所定単位数から減算することとする。
 なお、経過措置として、2025年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針、および非常災害に関する具体的計画を策定している場合には、当該減算は適用しないが、義務となっていることを踏まえ、速やかに作成すること。

入浴介助加算について

入浴介助加算(Ⅰ)について
① (略)
② 入浴介助に関する研修とは、入浴介助に関する基礎的な知識及び技術を習得する機会を指すものとする。
③ (略)
入浴介助加算(Ⅱ)について
同加算(Ⅰ)①から③までを準用する。この場合において、「入浴介助加算(Ⅰ)」は、「入浴介助加算(Ⅱ)」に読み替えるものとする。

②入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が居宅において、自身で、または家族、もしくは居宅で入浴介助を行うことが想定される訪問介護員等の介助によって入浴ができるようになることを目的とし、以下a~cを実施することを評価するものである。なお、入浴介助加算(Ⅱ)の算定に関係する者は、利用者の状態に応じ、自身で、または家族・訪問介護員等の介助により尊厳を保持しつつ入浴ができるようになるためには、どのような介護技術を用いて行うことが適切であるかを念頭に置いた上で、a~cを実施する。

a 医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、もしくは介護支援専門員、または利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員、その他住宅改修に関する専門的知識および経験を有する者(以下、「医師等」)が利用者の居宅を訪問(個別機能訓練加算を取得するにあたっての訪問等を含む)し、利用者の状態をふまえ、浴室における当該利用者の動作および浴室の環境を評価する。
 その際、当該利用者の居宅を訪問し評価した者が、入浴に係る適切な介護技術に基づいて、利用者の動作を踏まえ、利用者自身で、または家族・訪問介護員等の介助により入浴を行うことが可能であると判断した場合、通所介護事業所に対し、その旨情報共有する。また、当該利用者の居宅を訪問し評価した者が、通所介護事業所の従業者以外の者である場合は、書面等を活用し、十分な情報共有を行うよう留意すること。(中略)
 なお、医師等が訪問することが困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における利用者の動作および浴室の環境を踏まえ、医師等が評価および助言を行うこともできることとする。ただし、情報通信機器等の活用については、当該利用者等の同意を得なければならないこと。また、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

b  (略)
c  bの入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行う。なお、利用者の居宅の浴室の状況に近い環境については、大浴槽等においても、手すりなど入浴に要する福祉用具等を活用し、浴室の手すりの位置や使用する浴槽の深さ、高さ等を踏まえることで、利用者の居宅の浴室環境の状況を再現していることとして差し支えないこととする。また、入浴介助を行う際は、関係計画等の達成状況や利用者の状態をふまえて、自身で、または家族・訪問介護員等の介助によって入浴することができるようになるよう、必要な介護技術の習得に努め、これを用いて行われるものであること。なお、必要な介護技術の習得にあたっては、既存の研修等を参考にすること。

個別機能訓練加算について

個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定する際の人員配置
(略)
 (Ⅰ)イの専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置すること。この場合において、例えば1週間のうち特定の時間だけ、(Ⅰ)イの要件である専ら機能訓練を実施する理学療法士等を1名に加え、さらに(Ⅰ)ロの要件である専ら機能訓練を実施する理学療法士等を1名以上配置している場合は、その時間において理学療法士等から直接訓練の提供を受けた利用者のみが当該加算の算定対象となる。
 ただし、この場合、当該加算を算定できる人員体制を確保している時間はあらかじめ定められ、利用者や居宅介護支援事業者に周知されている必要がある。(略)

ADL維持等加算について

①ADLの評価は、一定の研修を受けた者により、BarthelIndexを用いて行うものとする。

②厚生労働省へのADL値の提出は、LIFEを用いて行うこととする。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」を参照されたい。
 サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた個別機能訓練計画の作成(Plan)、当該計画に基づく個別機能訓練の実施(Do)、当該実施内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと。提出された情報については、国民の健康の保持増進およびその有する能力の維持向上に資するため、適宜活用されるものである。

③ADL利得は、評価対象利用開始月の翌月から起算して6月目の月に測定したADL値から、評価対象利用開始月に測定したADL値を控除して得た値に、次の表の評価対象利用開始月に測定したADL値に応じて、それぞれ同表に掲げる値を加えた値を平均して得た値とする。
④ADL利得の平均を計算するに当たって対象とする者は、ADL利得の多い順に、上位100分の10に相当する利用者(その数に一未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする)および下位100分の1に相当する利用者(その数に1未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする)を除く利用者(以下「評価対象利用者」)とする。

⑤加算を取得する月の前年の同月に、基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出ている場合は、届出の日から12月後までの期間を評価対象期間とする。

⑥2024年度については、2024年3月以前よりADL維持等加算(Ⅱ)を算定している場合、ADL利得に関わらず、評価対象期間の満了日の属する月の翌月から12月に限り算定を継続することができる。

認知症加算について

⑧「認知症ケアに関する事例の検討や技術的指導に係る会議」は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守していること。

口腔・栄養スクリーニング加算について

①口腔・栄養スクリーニング加算の算定に係る口腔の健康状態のスクリーニング(以下、「口腔スクリーニング」)および栄養状態のスクリーニング(以下、「栄養スクリーニング」)は、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。なお、介護職員等は、利用者全員の口腔の健康状態および栄養状態を継続的に把握すること。
②(略)
③口腔スクリーニングおよび栄養スクリーニングを行うにあたっては、利用者について、それぞれ次に掲げる確認を行い、確認した情報を介護支援専門員に対し、提供すること。なお、口腔スクリーニングおよび栄養スクリーニングの実施にあたっては、別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照されたい。(略)

口腔機能向上加算について

④利用者の口腔の状態によっては、医療における対応を要する場合も想定されることから、必要に応じて、介護支援専門員を通して主治医、または主治の歯科医師への情報提供、受診勧奨などの適切な措置を講じることとする。なお、介護保険の口腔機能向上サービスとして「摂食・嚥下機能に関する訓練の指導、もしくは実施」を行っていない場合にあっては、加算は算定できない。

⑤口腔機能向上サービスの提供は、以下のイからホまでに掲げる手順を経てなされる。
イ 利用者ごとの口腔機能等の口腔の健康状態を、利用開始時に把握すること。
ロ~ホ (略)

⑥ (略)

⑦口腔機能向上サービスの提供に当たっては、別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照されたい。

介護職員等処遇改善加算について

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