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貸与種目の販売移行、貸与単品プラン俎上に 「貸与・販売種目のあり方検」初開催

貸与種目の販売移行、貸与単品プラン俎上に 「貸与・販売種目のあり方検」初開催

 2月17日、厚生労働省の「第1回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」(野口晴子座長=早稲田大学政治経済学学術院教授)が開催された。2021年度介護報酬改定で「今後の課題」とされた福祉用具貸与・販売種目のあり方や福祉用具の安全な利用促進について議論し、結論は24年度改定に向けた社会保障審議会介護保険部会に引き継がれるとみられる。

 今回示された論点は、①貸与と販売の整理、貸与利用者のケアマネジメント②「貸与等での販売制度導入」を含めた適正化方策③貸与等での安全な利用の促進、サービスの質の向上――の3点。

 初回は、貸与・販売種目などの現状と経緯の説明に続き、委員からは福祉用具が果たしている役割などについて、幅広に意見表明された。今後、福祉用具貸与原則のあり方の検討とともに、レンタルのみの「単品ケアプラン」の評価や、福祉用具事故情報の共有の方策など、論点に沿って議論される見込み。

 これまで、財務省財政制度等審議会は、歩行補助杖・歩行器・手すり等の貸与から販売への移行、福祉用具貸与のみを位置づけるケアプランの報酬引き下げなどを提起している。具体的には、20年11月の財政審で、福祉用具貸与のみのケアプランが全体の6%あり、そのうち杖など廉価な品目が7割を占めると指摘。杖や歩行器、手すりなど廉価な貸与品目を販売に移すことで、ケアマネジメント報酬を不要とすべきと主張した。また21年3月の同審議会では、貸与のみのケアプランは、介護報酬を引き下げるよう提起している。

 この流れを踏まえ開催された今回の検討会で、論点に示された「貸与等での販売制度」については、「現在の制度だけでなく、多様な運営の仕組みも含めて検討する」として具体的な方策は示されなかった。

 委員の意見では、「貸与品目が購入になると、状態像が変化した際にケアマネが用具の変更を勧めても、そのまま使い続け、転倒リスクや状態悪化につながるケースも考えられる。貸与のみで状態を維持できることで、他の人的サービスを使わずに済み、介護費抑制の効果も出る」(小野木孝二委員=日本福祉用具供給協会理事長)や、「自立支援の際に重要なのは、本人が意欲をもつこと。福祉用具は道具であり、意欲がないと道具は使わない。用具を活用していること自体、自立支援に有効だろう。貸与から販売に移行した場合、ケアマネジメントやモニタリングが行われずに、貸与と同等の効果が得られるのか」(渡邉愼一委員=横浜市総合リハビリテーションセンター副センター長)と、レンタル原則の仕組みを評価する意見があった。

 その一方で、「福祉用具の範囲の考え方などが、実態に即したものになっているか。メンテナンスの必要性の低い品目、廉価な品目は、販売に移行すべき。利用者の意向も踏まえて貸与・販売の選択性も検討の余地がある」(幸野庄司委員=健康保険組合連合会理事)の主張があった。

 また、「福祉用具貸与のみのケアプランが問題視されているが、感染予防で訪問・通所サービスを一時中止したり、介護予防・重度化防止の結果、貸与のみの利用になったケースもある。貸与のみであっても、ケアマネジメントによる介入は不可欠」(濱田和則委員=日本介護支援専門員協会副会長)などの意見が出た。次回の同検討会は、3月31日に開催される予定。

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