ニュース

福祉用具サービス計画書Q&A

福祉用具サービス計画書Q&A

 元厚生労働省老健局振興課福祉用具・住宅改修係長の渡辺正毅氏(当時現職)は、テクノエイド協会発行の福祉用具情報誌『アシスティブ・プロダクツVol6』に寄稿し、福祉用具サービス計画について解説している。福祉用具サービス事業者は4月1日時点の貸与利用者(同日以降の販売利用者)について、13年3月末までに同計画書作成が義務付けられており、対応に追われる事業者にとって非常に関心が高い内容。以下に要点をまとめた。

導入経緯は有識者会議、福祉用具関連団体からの要望

福祉用具サービス計画は、省令には「(介護予防)福祉用具貸与計画」「特定(介護予防)福祉用具販売計画」と規定されるもので、福祉用具専門相談員により「利用者の心身状況」「希望及び置かれている環境を踏まえて、福祉用具貸与の目標」「当該目標を達成するための具体的なサービス内容」等を記載し、作成されたものとされる。

ふくせん様式などは「参考」

 様式の統一については「国において統一の様式は示さない」と明言。記載すべき事項については▽利用者の基本情報(氏名・年齢・性別・要介護度など)▽福祉用具が必要な理由▽福祉用具の利用目標▽具体的な福祉用具の機種と当該機種を選定した理由▽その他関係者間で共有すべき情報(安全に利用するために特に注意が必要な項目、日常の衛生管理に関する留意点など)などの国の指定基準や解釈通知を踏まえ、事業所ごとに定める内容で可能としている。その上で、全国福祉用具専門相談員協会(ふくせん)などの団体が定める様式が公開されていることから、参考とすることも可能とした。作成者については福祉用具専門相談員と定められており、それ以外の従業者の作成は認めないとした。

見直しはモニタリングなどに基づき「必要に応じて」

 利用者によっては、複数の事業者から福祉用具貸与を受けることがあるが、記載するのは自らの貸与する部分のみで、ほかの事業者からの部分については記載する必要がないとした。ほかにも、利用者が福祉用具貸与と販売を利用する場合のサービス計画は、一つの様式で一体的な記載を求めた。

 一旦作成したサービス計画の見直し時期は「必要に応じて」と規定されている。これについては▽利用者の心身状況や、介護者の状況、置かれている環境の変化▽利用者の希望により機種を見直す場合、などを例示している。そのため定期的なモニタリングに努めることも求めた。ほかにも、ケアプランに基づいてサービス計画を作成することから、ケアプランの変更があった場合には、その内容を確認し、サービス計画の見直しの必要性について検討することが必要とした。ただし、特定福祉用具販売については、売り切り型サービスであるため、モニタリングやあ見直しの検討をする必要はないとした。

内容同意は押印又は署名

 作成したサービス計画は利用者や家族の同意が求められるが、その方法については規定しておらず、押印のほか、署名のいずれでも可能とした。必要に応じて個別サービス計画を見直した場合は、その都度、利用者や家族の同意が必要。具体的には、重要事項説明書の文言として「サービス計画について同意する」などによって、都度の同意を省略することはできないとした。作成したサービス計画は契約解除や施設入所などによりサービス終了した日から、2年間の保管が義務付けられるとした。個別サービス計画を作成しない場合の罰則について、保険者から介護報酬の返還が求められることがある。

(シルバー産業新聞2012年5月10日号)

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル