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在宅協 次期改定へ厚労省と意見交換、要望書手交

在宅協 次期改定へ厚労省と意見交換、要望書手交

 日本在宅介護協会(在宅協、森山典明会長)は5月27日、都内で石田昌宏参議院議員、厚生労働省老健局と、2027年度介護報酬改定に向けた意見交換会を開催した。会合には在宅協の4つの部会の代表者が一堂に会し、要望書を手渡した。社会保障審議会介護給付費分科会における議論の本格化を前に、事業者団体としての主張を明確にした。

「人件費・物価スライド制」の導入を提言

 同協会の全体要望は、基本報酬の大幅増額と報酬体系の簡素化の2点だ。同協会は在宅介護サービスを維持する前提として基本報酬の底上げが不可欠とし、特に前回改定で基本報酬が引き下げられた訪問介護については大幅増を迫る。あわせて、社会・経済情勢の急激な変化に対応する仕組みとして、人件費や物価の動向に連動する「スライド制」の導入検討を国に求めている。

 また、現行の加算偏重の報酬体系による事務負担が過大として、同協会は「基本報酬で事業所運営が成り立つ報酬体系」への回帰を主張。必要最低限の加算についても、要件の簡素化や添付書類の削減といった「事務手続きの極小化」による現場の負担削減を合わせて求めた。

訪問介護 特定加算やサ責配置の緩和

 サービス別の個別要望では、現場の業務実態に即した運用の見直しも数多く盛り込まれた。訪問介護について、特定事業所加算の体制要件である「サービス提供責任者からヘルパーへの情報伝達」に着目。システム利用などで前回のサービス実施記録が常時共有されているケースでは、「前回と同様」といった簡便な表現による指示・伝達を認めるなど、現場に過度な負担を与えない柔軟な取扱いを求めている。

 サ責の配置基準については、総合事業の利用者を現在の「1人」から「3分の1」換算へ緩和することや、過去の「サービス提供時間基準(450時間ごと)」を併用可能とすることなどを提案した。また、ヘルパー確保が困難な中で週末の就業抵抗感を和らげるため、平日単価を据え置いた上での「土日加算」の新設を要望。さらに、利用者が質の高い事業所を忌避する逆効果を防ぐため、特定事業所加算を区分支給限度額の管理対象から除外することも求めている。

 今国会で審議が進む新類型「登録施設介護支援」の創設を巡っては、利用者負担の発生に伴う請求事務や売掛金管理、生活相談といった新たな業務負荷を指摘。現行の居宅介護支援を上回る基本報酬水準の設定や、居宅と同等の特定事業所加算を算定可能とすることを必須要件として要求した。

 訪問入浴では、深刻な採用難から派遣看護師に依存せざるを得ない現状を訴え、サービス提供体制強化加算の会議・研修要件の緩和を要望。一部の自治体で認められている「議事録共有による代替対応」を全国一律の基準にするよう迫った。このほか、警察署ごとに対応が異なる訪問入浴車両の駐車許可運用の全国統一や、家族への説明や記録などセンシティブな対応が求められる「看取り連携体制加算」を基本報酬へ包括化することなどを盛り込んだ。
森山会長をはじめ、同協会4部会の代表らが要望を伝えた

森山会長をはじめ、同協会4部会の代表らが要望を伝えた

在宅介護にも「生産性向上推進体制加算」創設を要望

 通所介護や全サービス共通の課題として、看護職員や生活相談員の人員配置基準の緩和が挙げられた。特に生活相談員の資格要件が自治体ごとに異なるため、法人内の異動や急な欠員補充に支障をきたしているとし、介護福祉士資格の適用による全国一律の運用統一を提言した。

 さらに、2024年度改定で施設系サービスなどに先行導入された「生産性向上推進体制加算」について、在宅介護においても、テクノロジーの運用・保守に伴うランニングコストを評価する「生産性向上推進連携体制加算」の新設を提言し、施設介護とのイコールフッティング(競争条件の同一化)の実現を主張した。
当日は石田昌宏参議院議員も同席した

当日は石田昌宏参議院議員も同席した

当日・当月の実数に応じた人員配置への転換

 小規模多機能型居宅介護を巡っては、看取り期等に「通い」や「宿泊」を連続利用する際、事業所内での訪問診療の受診を可能とする規制緩和を要望。受診のためだけに一時的に自宅へ戻らざるを得ない運用の解消を訴えた。また、認知症対応型共同生活介護に関しては、地域密着型サービスの枠組みによる所在地の制約を問題視。区域外指定による保険者間の合意があれば例外的に入居可能であるものの、自治体ごとの合意のばらつきや、独自に課す「3カ月〜1年」などの居住歴要件が本人の選択肢を狭めていると指摘した。その上で、保険者を越えて希望する「住まい」を自由に選択・入居できる制度への転換を提言している。

 さらに、多機能系やグループホーム共通の要望では、介護従事者の配置根拠を現行の「前年度の平均利用者数」から「当日、または当月の利用者数」へと改め、実態に即した人員配置を可能にすることを要求。あわせて、同一法人内の事業所間兼務の制限や、保険者独自の「3兼務以上の禁止」といったローカルルールを指摘。サービス類型を問わず同一法人内での管理者・計画作成担当者の兼務を全面的に認め、柔軟な配置を可能にする仕組みを主張した。
森山会長から、認知症施策・地域介護推進課の吉田慎課長へ要望書が手渡された

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