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個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱを取得 クラウド機能訓練ソフト「リハプラン」が助けに

個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱを取得 クラウド機能訓練ソフト「リハプラン」が助けに

 埼玉県川口市にある「リハビリデイサービス銀齢」(さくらコーポレーション、城後貴行代表=写真右側)は、数年前に個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱを取得した。取得するにはハードルが高かったが、良いITソフトを探しているうちに「リハプラン」(Rehab for JAPAN、代表 大久保亮)を見つけた。加算取得の経緯や効果などを代表の城後氏に聞いた。

 「リハビリデイサービス銀齢」は定員24名で、通常型の通所介護事業所。リハビリに特化し、午前と午後の2回に分けて実施している。2013年4月にオープンし、同時に加算も取得したが、自信が持てないでいた。特にコンプライアンスに関わるところが心配だった。いったんは取得を辞めたが、売上に行き詰まりがあり、改めて取得を考えた。

 取得に関する知識も乏しい上、書類を書けるかが心配だった上に、実地指導が入ったら、返戻金が出たら、ケアマネに迷惑をかけたら、など次々に不安がよぎった。そこで、加算取得の良いツールを探し、3、4社あたってみたが、一番気に入ったのが「リハプラン」だった。法的な点を重視しているところに安心感を覚えた。

 同加算Ⅰ・Ⅱの取得には、「個別機能訓練計画書」「居宅訪問チェックシート」「アセスメントシート」の3枚を作成する必要がある。特に「個別機能訓練計画書」の作成の、目標設定やプログラムの立案が難しかった。リハビリ専門職は雇用していないので、専門的な意見が欲しかった。

要介護1のAさんの事例
 「リハプラン」は開発者が理学療法士で、その知見に基づいて設計されている。個別の目標設定をする場合には、いくつかの目標例文があがり、そこから選ぶことができる。そして、目標に見合うプラグラムを自動で提案してくれるので、そこから個別に合ったものを選択することができる。導入や運用中に、理学療法士がオンラインでアドバイスしてくれるのも安心だった。

 「個別機能訓練計画書」の記載例を少し紹介すると、Aさんは、高血圧、糖尿病、頚椎損傷などがあり、生活課題は「手足のしびれもあり歩行に不安がありますので、安定した歩行ができるようになる必要あり」と書いた。在宅環境は「安全に外出するために玄関の上がり框、自宅の入り口ポーチの2段の段差を安全に上り下りできる必要がある」と記述した。

 スタッフで役割を決めて、相談員が導入に立ち合い、看護師が計画し、機能訓練指導員や介護職員が実施にあたった。例えば、計画されたプラグラム①は「手指の関節可動域の改善を目的とした指先ストレッチ」と書き込んだ。

 以上は身体機能の訓練を主とする加算Ⅰについてだが、もう一つの、生活機能も視野に入る加算Ⅱについてもしっかり記述することができた。この加算Ⅱについては、取得している事業所でも、実際にはなかなか実施できていないと国は報告している。

 加算Ⅱの長期目標には「継続的に週に2~3回程度、ジャスコ(約15分程度)まで歩いて買い物に行くことができるようになる」、短期目標は「家からお店まで安全に歩くことができ、日課である犬の散歩(15分程度)が行える」と書いた。プラグラム内容はこれに即したもので、頻度や時間、実施者などが書かれ、達成か未達成かを記述していく。その結果、「ペットの犬を連れてスーパーなどを歩くようにしている」「手足の痺れは、痛いほど痺れるようなことは少なくなった」という改善傾向も記されている。

「居宅訪問チェックシート」は特に良かった
 加算には定期的な利用者宅への訪問が義務付けられている。これまでは、自宅へ伺い、階段の段差やトイレ、風呂場、キッチンなどの写真を撮って、記録したりケアマネに送っていた。それが、リハプランのチェックシートを使うことで、簡単にできるようになった。福祉用具の確認もしている、居宅訪問もしているデイとして、ケアマネからも、実地指導でも評価をもらえるようになった。

 加算をとって業務全般を見直すことは大事だと、取得して改めて思った。個別機能訓練をしっかり行うことで、車の乗り降りがスムーズになった、買物に行けるようになった、失禁がなくなった、PTからトイレに行けるようになったなど、ADLの改善事例が上っている。

 導入後、1カ月で書類作成ができたし、慣れれば作成に時間がかからないので、業務負担の軽減にもつながっている。また、収益面では、リハプラン導入2カ月目に、月間60万円の収益アップが叶った。これは、年間にして約720万円の収益アップだった。職員の給与にも反映できた。改善効果が出て、利用者にも笑顔が見られ、職員のモチベーションはさらに上がっている。

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