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インカムで「些細なやり取り」一掃 全職員がリアルタイムで情報共有
ツクイが運営するサ高住「ツクイ・ののあおやま」では、スマホのインカムアプリなど、ICTツールを組み合わせて活用することで、職員の業務負担軽減とサービスの質向上に繋げている。
スマホをインカムとして使う
表参道駅から徒歩5分の地上25階建て高層マンション。昨年7月にオープンしたばかりの「ツクイ・ののあおやま」はこの2~4階部分に全49戸を構える。「北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」の一環で、老朽化した都営団地を、サ高住や賃貸マンション、認可保育園、地域交流施設などを併設した複合施設に建て替えた。特定施設の指定も受けていて、アクティブシニアから要介護者まで幅広く入居できるのも特長だ。
同施設が力を入れている取り組みのひとつがICT機器の活用。現場職員は全てスマホを携帯し、介護記録もスマホで入力する。いつでもどこでも記録をとれることで、転記などにかかる業務時間やミスを軽減している。
インカムも、スマホ一台で業務を完結できるように「Buddycom(バディコム)」(提供:サイエンスアーツ)を利用する。バディコムは、スマホやタブレットにインストールすれば、インカムのように一斉発信ができるアプリ。複数のグループを設定したり、1対1で会話することも可能で、さらにグループで動画を共有しながらの通話や、通話音声のテキスト化など、インカムには無いさまざまな機能を備えている。
導入の経緯について、ツクイグループのIT事業を担当するDIGITAL LIFEの小嶋直治さんは「ののあおやまのオープン前から、すでに別の施設ではバディコムを導入していて効果を実感していました。以前はトランシーバー型を使用していましたが、使用台数に限りがあるのと、職員が携帯する端末が多くならないよう、特にスマホで記録をとるようになってからは一台で完結できる製品を探していました」と振り返る。その後、スマホやバディコムを活用した業務の実証実験を行い、およそ8割の職員が「業務を改善した」と評価したことから導入に繋がったという。
インカムも、スマホ一台で業務を完結できるように「Buddycom(バディコム)」(提供:サイエンスアーツ)を利用する。バディコムは、スマホやタブレットにインストールすれば、インカムのように一斉発信ができるアプリ。複数のグループを設定したり、1対1で会話することも可能で、さらにグループで動画を共有しながらの通話や、通話音声のテキスト化など、インカムには無いさまざまな機能を備えている。
導入の経緯について、ツクイグループのIT事業を担当するDIGITAL LIFEの小嶋直治さんは「ののあおやまのオープン前から、すでに別の施設ではバディコムを導入していて効果を実感していました。以前はトランシーバー型を使用していましたが、使用台数に限りがあるのと、職員が携帯する端末が多くならないよう、特にスマホで記録をとるようになってからは一台で完結できる製品を探していました」と振り返る。その後、スマホやバディコムを活用した業務の実証実験を行い、およそ8割の職員が「業務を改善した」と評価したことから導入に繋がったという。
さらに小嶋さんは、導入の決め手として使いやすさも挙げる。「使いやすさはバディコムがダントツでした。大きく目立つボタンを押すだけで一斉通話ができるので、スマホ操作が得意ではない職員も直感的に使えます。実際、使用前の説明は私が10分ほど話すだけで済みました」とシンプルさが介護現場では重要と指摘する。そのほか、24時間の音声履歴が残る点も、後からやり取りを確認できて利便性が高いそうだ。
細かなニュアンスも伝わりやすく
サ高住オープン時の施設長であり、現在同施設のエリアを管轄する山中秀樹本部長も、「バディコムを活用したリアルタイムでの情報共有が増えたことで、『伝わりやすさ』がずっと増したように感じています」と効果を実感している。「申し送り用のノートに書いても、やはりニュアンスや温度感は音声のほうがずっと伝わりやすい。スマホは皆持っているので、それを一斉に発信できることで、より簡単に、より深く情報共有ができるようになりました」と話し、ケアに大切な情報を「知っている人と知らない人がいる」といったバラつきがなくなったという。
「業務負担の面でも『タオルを渡したか』など、些細なやり取りを対面でする必要がなくなりました。実際の現場では、こうした些細なコミュニケーションが無数に飛び交っている。何より省力化したかったのはその部分で、対面でなくても、バディコムでいつでもやり取りできるようになったのが大きな負担軽減に繋がっています」と強調する。業務中の情報共有がリアルタイムで交わされるため、同施設では夕礼は行っていないという。「それぞれの場所にいながら、情報発信ができるので、いずれは朝礼も顔を合わせずにできるかもしれない」(山中本部長)。
さらに想定していない収穫もあった。「明日、車を出してもらえるか」など入居者のさまざまな問合せにも、バディコムでその場で確認して回答できるようになり、「サービスの質向上にも繋がっている」と山中本部長。「ICTツールはさまざまあるが、これからも現場目線で使えるものを見極めながら導入を進めていきたい」意気込む。
さらに想定していない収穫もあった。「明日、車を出してもらえるか」など入居者のさまざまな問合せにも、バディコムでその場で確認して回答できるようになり、「サービスの質向上にも繋がっている」と山中本部長。「ICTツールはさまざまあるが、これからも現場目線で使えるものを見極めながら導入を進めていきたい」意気込む。
「Buddycom (バディコム)」
スマホやタブレットにインストールして、インカムのように使用できるチームコミュニケーションアプリ。事前に設定したグループ内で一斉通話ができる。ユーザー数・グループ数の設定は無制限(2,000 人での同時発信を同社で検証済)。会話履歴もクラウドサーバーに保存され、後から確認したい時に再生可能。複数のグループの通話に同時に参加することもできる。通話以外にも、▽通話音声のテキスト化▽設定した言語への翻訳(14 カ国語対応)▽映像中継▽ユーザーの位置情報の確認――などのさまざまな機能が搭載されている。
同社サイトから、1カ月の無料トライアルの申込や介護現場での導入事例をみることができる。
同社サイトから、1カ月の無料トライアルの申込や介護現場での導入事例をみることができる。