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日本ケアテック協会、設立記念総会とフォーラムを開催

日本ケアテック協会、設立記念総会とフォーラムを開催

 一般社団法人日本ケアテック協会(鹿野佑介代表理事)は、6月30日、東京都港区のグランパークカンファレンスにおいて、設立記念総会とケアテックフォーラムを開催した。ケアテックは、ケアとテクノロジーを融合させた言葉で、昨年の11月に協会が立ち上がった。

 設立総会では、今年4月に設立された「自民党ケアテック活用推進議員連盟」(会長=丸川珠代参議院議員)の議員らが次々に挨拶し、人手不足やコロナ禍での介護現場の危機感に対し、テクノロジーを駆使し、介護現場がまわる製品の開発に期待を寄せた。

 日本ケアテック協会は、介護分野でのテクノロジーの利活用の推進と「持続可能な介護」の実現を目指し、開発事業者、介護事業者、学識者などが発起人。代表の鹿野氏は、「今後の介護業界にはテクノロジーの活用が欠かせない。テクノロジーが社会実装できるところまでもっていくため、介護事業者、メーカー、法律を作る行政、意思決定する議員が同じ認識をもってやっていく。また、介護の問題は世界的な課題。日本から海外に向け輸出したい」と意気込みを話した。

 専務理事、事務局長には、竹下康平氏(ビーブリッド代表取締役)、常務理事には、森剛士氏(ポラリス社長)が就任している。

 後半のケアテックフォーラムは、「介護DX元年 科学的介護の実現とケアテックの推進」をテーマに、政策、施設介護、在宅介護の3つのテーマで議論した。セッション①のテーマは、「今後の介護政策、介護におけるデータ活用推進について」。宮島俊彦氏(岡山大学客員教授)、岡本茂雄氏(産業技術総合研究所 招聘研究員)、竹下康平氏が発表した。

 厚労省老健局の元局長、宮島俊彦氏は、LIFEの活用に触れ「LIFEは要介護度が上らないようにする、という目的があったと思う。私が現役の頃には、こういうことをやろうとしても、エビデンスが出ないと言われてダメだった。今回、思い切った政策判断が行われたと受け止めている」と評価した。

 また、岡本氏は、LIFEについては今後の課題を指摘し、研究途上である点の説明があった。「入力することで状態像を把握するという習慣が現場に根付いていく点は良いところだ。次の3年後に向け、科学的介護の土台ができてくると思う」と話した。

 セッション②は「テクノロジーの活用による施設介護の生産性向上について」、セッション③は「在宅介護で活用できるテクノロジーや、ケアプラン作成支援AIの活用による地域包括ケアのDX化について」をテーマとし、開発メーカーと介護事業者、研究者らが現場の活用事例も交えて発表した。

 セッションの間には開発企業によるプレゼンテーションが行われた。参加企業は、ティービーアイの「クリアトークカム」(デジタルワイヤレスインカム)、コニカミノルタQOLソリューションズの「HitomeQ ケアサポート」(行動分析センサー。入居者の起床・離床・転倒・転落等の行動を認識する)、エヌ・デーソフトウェアの「ネックスピーカー」(デジタルインカム)。

日本ケアテック協会
https://welmo.co.jp/news/archives/1311

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