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保健所を描いたドキュメンタリー映画が上映中

保健所を描いたドキュメンタリー映画が上映中

 新型コロナウイルス感染症対策に追われる保健所の姿を追った、ドキュメンタリー映画が話題になっている。

 映画「終わりの見えない闘い-新型コロナウイルス感染症と保健所」(監督、宮崎信恵)は、感染症が発生した昨年の春から、21年3月までの約10か月間、東京都中野区の保健所にカメラを据え、保健師を中心に医師や介護保険事業者らの対応を記録した。

 フィルムは、未知の感染症が発生して手探りで対応するところから始まり、その後、第1派、第2派、第3派が襲って、次第に医療が逼迫し、その中で必死に対応していく姿が描かれていく。区民らが入院したくてもできない現状に立ちすくむ職員らの、葛藤する姿もカメラは捉える。

 中野区は、保健所外の区内の保健師にも応援を要請した。応援に入ったのは、4カ所ある「すこやか福祉センター」(南部、北部、中部、鷺宮)と、地域包括支援センター、保育などの子育て支援課など、そこに席を置く保健師らで、中野区が雇用している保健師56名に兼務が発令された。応対する職員の年齢は比較的若く、ベテランの所長をはじめ、医師や管理職らが指揮に当たっていた。

 現場が逼迫しているとはいえ、区民からの問い合わせには時間をかけて、丁寧に親切に対応する姿が印象的。しかし、職員は月の時間外労働が80時間を超え、過労死ラインで働いていたという。所長は事務所で寝泊まりする日が続いた。

 感染が酷かった自治体をはじめ、現場を支える各自治体の専門職にとっては、急増していく感染者のフォローを誰がどのように担っていたか、濃厚接触者の割り出しや検査の手配はどうするのかなど、現場の不安や戸惑いは拭えない。

 今年に入っても第5波が襲い、また第6波の到来が懸念される。まさに、“終わりの見えない闘い”が続いている。しかし、この映画では、誰一人も置き去りにしないという思いで、職員全員が一丸となって動いた。一人ひとりの生活に応じたケースワークを重んじ、区民一人ひとりの命を預かる者としての“誇り”を失っていない職員の姿が感動を誘う。

 映画製作について宮崎監督は、「この映画は、現場の保健師さんたちから“この状況を記録に残したい”という声が上がり、所長の英断と、現場の保健師たちの思い、保健所をフォローしていた帝京平成大学看護学科の先生、そして、我々撮影クルーが一つになれたことで実現した」とコメントしている。

 上映時間は100分。東京・ポレポレ東中野(JR東中野駅徒歩1分)で上映中。順次、全国でも上映予定。
 https://pole2.co.jp/

 詳細はhttps://www.phh-movie.net/?fbclid=IwAR1FnMrc91g_qHDetMMSEHiTzhgIHH2Tz-KwaAaMP1895cxQawdohY_4GGI
 電話・03(3371)0088

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