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新型コロナ 在宅要介護者対策で都が独自助成

新型コロナ 在宅要介護者対策で都が独自助成

 東京都は、家族が新型コロナウイルスで陽性者や濃厚接触者となり、要介護者が自宅で一人になった場合に備え、「在宅要介護者の受入体制整備事業」を始めている。三定補正予算2億2040万円を投入し、都内の各自治体に1000万円を上限に助成する。昨年11月末から12月中旬までで、すでに15自治体から申請が来ているが、来年度も視野に都は整備を進めている。

 事業は、「在宅で高齢者を介護する家族等が新型コロナウイルス感染症に感染した場合や濃厚接触者に当たる場合等においても、要介護高齢者が住み慣れた地域で生活の継続ができ、感染した家族等が安心して療養に専念できる環境を整えるため、要介護高齢者が緊急一時的に利用できる受入施設の確保や介護職員等の配置など、受入体制を整備する区市町村を支援することにより、在宅で生活する要介護高齢者や家族等に対する新型コロナウイルス感染症への対策を講じることを目的とする」としている。

 受入れ先は、各自治体の判断によるが、特養や老健などの高齢者施設を都は想定している。現在、いくつか事例が挙がっているが、受入施設がない場合には、在宅にヘルパーを派遣するなど、柔軟な対応も視野に入れている。

 また、受入調整機関については、地域包括支援センターを想定しているが、医療機関や社会福祉法人など自治体によりさまざまな機関があり得る。流れのイメージ(図)は、陽性者となった家族が関わった病院や保健所が、区役所に連絡して家族状況を把握。その上で受入調整機関が受け入れ先につなぐという流れや、要介護者本人のケアマネジャーが区役所や地域包括に連絡して繋げるという流れが想定される。
 各自治体が介護事業者連絡会と調整するなど、行政と各機関との調整が要となりそうだが、事業の取り組みの好事例はまだなく、今後は都福祉保健局で事例を作表し、自治体の参考にしていく考えだ。

 取り残される要介護者の対策については、すでに都に要望書を提出していたケアマネジャーの後藤紀行さん(あ・むろケアプラン事務所管理者)は、「ようやく事業内容が把握できて安心している。自治体が積極的に手を挙げて欲しい。しかし、施設がなく在宅の介護となると、常時見守りが必要な認知症の方などは、細切れの訪問でなく、滞在型のケアが必要になると思う」とコメントしている。

 後藤さんは「在宅で一人取り残された利用者がいて困っている」という話を聞いた事がきっかけで、同じ危機感をもつケアマネら100名の署名を集め、「家族が陽性で隔離になり、自宅に取り残されてしまった要援護高齢者を一時保護する手立てを」として、小池百合子東京都知事宛に要望書を提出していた。

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