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特定福祉用具販売売れ筋ランキング(ポータブルトイレ編) 主力の樹脂製と伸びるラップトイレ

特定福祉用具販売売れ筋ランキング(ポータブルトイレ編) 主力の樹脂製と伸びるラップトイレ

 大手福祉用具卸3社(ウェルファン、ケアマックスコーポレーション、豊通オールライフ)の直近1年間の特定福祉用具販売の売れ筋ランキング(販売総個数に占める割合)を集計した。今号はポータブルトイレ編。特徴として、樹脂製の出荷が広がっていることと、自立支援や人材不足、BCP策定への関心の高まりを背景に、自動ラップ式トイレなどテクノロジー搭載の製品が伸びている。

 ランキング上位には3社とも「座楽ラフィーネ」(パナソニックエイジフリー)や「FX―CP」「FX―30」「ジャスピタ」(アロン化成)などメーカー大手2強の樹脂製ポータブルトイレが高く支持された。

 原材料費高騰による製品価格値上げを背景に、家具調(木製)よりも比較的安価な樹脂製の支持が広がったと考えられる。

コロナ特需の反動、「選択制」開始など市場変化

 市場では昨年5月の新型コロナの5類相当への移行に伴い、それまでの在宅生活に伴う特定福祉用具特需からの反動が見られた。

 今後も、今年4月から始まった福祉用具の歩行系用具4種類(多点杖、単点杖、歩行器、固定用スロープ)の「福祉用具貸与か特定福祉用具販売の選択制」に伴い、特定福祉用具販売年間10万円枠について、これまでの対象品目(ポータブルトイレと入浴関連)で限度枠を分け合う状況から、新たに歩行系4種が対象に追加されることで、高額製品が売りにくくなることも懸念材料となっている。

高付加価値モデルの躍進

 一方で、センサー搭載の介護ロボットでもある自動ラップ式トイレ「ラップポン」シリーズ(日本セイフティー)も上位にランクインするなど、高価・高付加価値モデルの選好も見られる。

 背景には、介護事業者にBCP策定がもとめられ、未策定減算も新設されるなど災害備蓄の関心が高まる中で、上下水道が断絶していても衛生的なトイレ環境が実現できるバッテリー対応のラップ式トイレのニーズが高まったことや、感染症予防のため排泄物の安全な処理が求められたこと、自立支援や訪問系サービスのヘルパー不足などを理由に、後処理までボタン一つでできる機能が注目されたと考えられる。

 アロン化成では「FX―30」シリーズとしてソフト便座、暖房、脱臭、自動ラップ機能のほか、IoT対応の自動計測機能付きのタイプを追加している。自動計測タイプは、都道府県判断により、介護ロボット重点分野の「見守り機器」や「排泄支援機器」として補助金対象となる例もある。

 スマートフォン、タブレット端末で「日々の排せつの記録」「排せつ状態の通知」が受け取れることが特長で、高齢者の健康状態の確認や見守り負担、排せつ介助の負担の軽減が期待できる。
(シルバー産業新聞2024年7月10日号)

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