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柏市 40代以上の健康づくりを後押し「フレイル予防ポイント」

柏市 40代以上の健康づくりを後押し「フレイル予防ポイント」

 千葉県柏市では2020年度から、健康づくりへの参加や、通いの場の運営ボランティアなどにポイントが付与される「かしわフレイル予防ポイント制度」事業を行っている。

 同市は10年度から「介護支援サポーター制度」を実施し、担い手不足の課題と他者との関わりや生活に張りが生まれることによるサポーター自身の介護予防に取組んできた。

 事業当初からボランティアに参加した際にスタンプをつけ、年度末にインセンティブに交換していたが、20年度からはそれを電子化。かしわフレイル予防ポイントカードに電子ポイントを付与する仕組みに変更し、サポーターだけではなく、参加者へのポイント付与も追加された。

 地域包括支援課の阿部貴史統括リーダーは「健康寿命延伸を目指し、ボランティアだけではなく、フレイル予防に取組む市民の増加とモチベーション向上にも繋げる狙いがあった」と話す。

 参加方法は市役所や地域医療連携センターなど指定の場所へ申込書を提出して、柏市専用の電子マネーWAONカード「かしわフレイル予防ポイントカード」を受け取る。40歳以上の市民が対象で、カードの登録・発行は無料。

 その後、同市が指定し、登録された健康づくり活動やボランティアを行う団体(以下、登録団体)に参加することでポイントを貯めることができる。登録団体にはポイントを付与することのできる端末を貸し出す。

 健康づくり活動に参加した場合は1回20ポイント(1日40ポイントが上限)。運営にボランティアとして参加した場合は1時間100ポイント付与される(2時間200ポイントが上限)。1年度のポイント上限は5000ポイント。

 貯まったポイントはイオンが提供する電子マネー「WAONポイント」に交換され、WAONポイントを電子マネーにチャージすることで1ポイント1円として利用できる。家電量販店や飲食店など全国様々なWAON加盟店舗で利用可能。

登録団体500カ所・2万人が利用中

 ポイント対象の登録団体数は約500団体で、当初目標の160団体を上回るペースで登録が進んでいる。▽サロン・通いの場▽防犯パトロールなどのボランティア▽生涯学習教室▽介護予防▽趣味活動▽運動・スポーツ――など幅広い団体が登録されている。

 阿部氏は「柏市は未だ人口が増加傾向にあるが、数年後には減少に転じ、徐々に高齢化率が高まると推計しているため、健康寿命延伸に向けた取組みが今後より重要になる。そのためには若いうちからフレイル予防の意識を持つことが大切だ」と分析する。

 同事業は介護保険の財源で行っていることから、被保険者となる40歳以上の市民を対象とした。早いうちから健康づくりに取組める環境を整備した。

 22年度時点でかしわフレイル予防ポイントカード利用者数は約2万人。当初目標に設定していた6000人を大きく上回っている。登録者の約7割が65歳以上の高齢者で、柏市の65歳以上の人口11万人の1割以上がカードを所持していることとなる。

 阿部氏は「目標は達成しているが、より幅広い世代の方にこの事業を活用頂けるよう普及啓発に努めていきたい。フレイル予防の取組や、体調変化の早期発見の場づくりなど、長く元気に活躍いただける人が増えるよう今後も取組んでいく」と語る。
サロン・通いの場やボランティアなどの団体が登録

サロン・通いの場やボランティアなどの団体が登録

(シルバー産業新聞2023年5月10日号)

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