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東京23区 自治体独自の支援事業始まる

東京23区 自治体独自の支援事業始まる

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自治体によっては高齢者へ、デイサービスやショートステイの利用自粛を呼びかけている。介護事業所では利用自粛により、利用者が減少し経営への影響をあたえている。この背景から、自治体独自で介護事業所へ支援金を補助する取り組みが始まっている。

港区 事業所の家賃補助

 港区では、利用者の減少により事業継続に多大な影響を受けていることから、利用者に安定的にサービス提供できる体制を支援するため、区内の介護事業所と障害福祉サービス等事業所への家賃助成を実施する。

 補助額は、減収率ごとに設定され、減収率30%超の場合は家賃の4分の3が補助される。

 対象となる区内の事業所数は、介護約190事業所と障害福祉サービス等事業所約80事業所。

 ①事業所の運営法人の資本金が5000万円以下②当該事業所が区内に所在し、家賃を支払っている③新型コロナ感染症の影響により減収していること――の全てに該当することが条件となっている。

台東区 事業所1団体に50万円

 台東区ではサービスの基盤体制を維持するため、介護・障害祉サービス等事業所が、新型コロナ感染症拡大防止のために生じる経済的・人的負担を軽減するための支援金を交付する。

 補助額は1事業所1団体につき50万円で、複数事業所を運営する場合は1団体としての交付となる。

江東区 1事業所あたり30万円

 江東区では介護サービス1事業所あたり30万円、特養と老健に50万円を支給する。

 対象となる区内の事業所数は約430事業所で、同一運営法人でも複数申請が可能。また、居宅介護支援と訪問介護が併設している場合でも、2事業所として申請できる。

 ただし、「福祉用具貸与と福祉用具販売事業所が併設している場合」と、「総合事業を提供している場合」は1事業所とする。

品川区 直接サービスにあたる職員1人2万5000円

 品川区は「介護サービス事業者等特別給付金」を創設し、最前線でサービスを提供する人に支援金を交付する。

 対象数は介護保険サービスの従事者数3650人、障害福祉サービス従事者数は800人(いずれも常勤換算推定)。介護保険事業者数128(事業所数は276)、障害福祉事業者数が47(事業所数は110)。

 給付の仕組みは、運営事業者単位に支援金を交付する。交付額は、事業所ごとに常勤換算で1人4万円で計算。

 1事業所の常勤換算が10人なら40万円が入ることになる。そのうち、介護従事者に2万5000円が配分され、残りの1万5000円は事務職や非常勤、事務経費などに配分される。

 事業者や従事者によって事情が異なるため、区は大枠の基準を示しているが、具体的な配分は事業者の裁量に任せるとしている。申請は1事業者あたり1回までとしている。

目黒区 常勤数で10~60万円支給

 目黒区では、感染症対策として必要となるマスク、エタノール、防護服等の衛生用品を購入するための費用の一部として、区内の介護・障害福祉サービス事業者に「特別給付金」を交付する。

 給付額は常勤職員数によって設定され、「1~5人」10万円、「6~15人」20万円、「16~30人」30万円、「31~50人」50万円、「51人以上」60万円。

 対象となる介護事業所は▽居宅介護サービス事業所▽地域密着型サービス事業所▽施設サービス▽養護老人ホーム▽軽費老人ホーム▽有料老人ホーム――を運営する事業者で約300事業所を想定している。

実施に向け検討中

 千代田区と世田谷区でも介護事業所への助成実施に向け検討している。議決され次第、早期に助成を実施する。

 千代田区では、月単位の支援を検討。サービス形態ごとに上限を設定し、特養の場合は40万円を想定している。

 同区担当者は「補正予算は12カ月分を計上している。必要な月ごとに随時申請できるような形式をとりたいと思っている」と説明する。

 世田谷区では、感染防護を行うための物資購入などが厳しかったとの声を受け、支援を実施予定。1事業所あたり10万円を上限に交付する予定だ。
(シルバー産業新聞2020年6月10日号)

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