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「介護予防」で いつまでもイキイキと 【地域・介護予防 1】

「介護予防」で いつまでもイキイキと 【地域・介護予防 1】

 加齢とともに、身体状況や認知機能には衰えが生じます。しかし、その進行を遅らせれば、転倒による骨折や脳疾患、認知症によって介護が必要となることを防止できます。そのために重要なのが、それぞれの地域で取り組む「介護予防」です。

運動と生活習慣を見直そう

 内閣府の2017年版高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者の「健康寿命」(健康上の問題がなく日常生活を送れる期間)は、2013年時点で女性74.21年、男性71.19年でした。
 平均寿命との差を見ると、女性では12.4年、男性では9.02年で、個人差はありますが、日常生活に制限の生じる「健康ではない期間」が平均で10年前後はあることになります。高齢になればなるほど心身両面での衰えが進むのは自然なことですが、少しでも今できることをキープして、要介護状態になることや今の要介護状態がさらに進むのを防いだり、先延ばししたりすることが「介護予防」だといえます。
 今年5月時点で、65歳以上の約3,489万人のうち、要介護認定者は628万人余りいました。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった主な原因は、要支援1、2の場合、関節疾患(17.2%)がトップで、次いで高齢による衰弱(16.2%)、骨折・転倒(15.2%)の順に多くなっています。これらは、筋肉や骨、関節などの運動器に障がいが起こり、立つ・座る・歩くといった機能が低下している状態(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)であると言えます。加齢によりバランス能力や筋力が低下することなどがその原因ですが、予防のためにはウォーキングや足腰を鍛える運動や体操などを継続的に行うことなどが必要です。
 一方、要介護1~5の人で介護が必要になった主な原因は、認知症(24.8%)がトップで、次いで脳血管疾患(脳卒中、18.4%)、高齢による衰弱(12.1%)の順に多くなっています。認知症は専門医による早期発見・早期治療により進行を遅らせることができるとされています。また、高血圧や糖尿病、肥満などは動脈硬化を起こし、脳卒中の発症や認知症になるリスクを高めますから、生活習慣の改善や病気の治療が重要となります。

「介護予防のための基本チェックリスト」

 厚労省作成の「介護予防のための基本チェックリスト」を試してみましょう。チェックして該当した部分のアドバイスを、日々の生活の参考にしつつ、介護予防のきっかけにしてみてはいかがでしょう。

(介護の日しんぶん2017年11月11日)


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