コラム

「自分でできる」自助具  岡田英志【福祉用具の使い方】

「自分でできる」自助具  岡田英志【福祉用具の使い方】

 福祉用具の選び方や使用方法を紹介します。このページでは、「自分でやりたい」、「誰かのためになりたい」という思いを叶える「自助具」について考えます。

Q 「自助具」ってどういうものですか?

 自助具は、思わぬ病気や事故、加齢などにより、日常生活で不便なこと・出来ないこと・人に頼みたいと思うことが出てき
た時に、その生活動作をより便利に・より容易に・そして何より自分でできるように工夫された道具のことです。
 例えば、ビンやペットボトルの蓋を開ける時に用いる滑り止めマットや、オープナーも自助具の一つです。これらの道具を使えば、力の弱い人も人に頼ることなく自分で蓋を開けることが可能になります。
 また、揺れを制御するスタビライザー機能付のスプーンは、手に震えがある人の手元を安定させ、食べ物を落とさずに食事ができるようにした最新の自助具です。
 このように、自助具はより多くの人が利用する一般日用品のようなものから、やや重度の障がいのある人のための個別的なものまで多種多様で、日常生活の様々な場面で活用されています。

揺れを制御するスプーン

Q どこで手に入れることができますか?

 市販品の自助具も種類やバリエーションが増え、最近では福祉用具の展示場や専門店を探すまでもなく、近隣の介護用品ショップやデパートの売り場などでも手にすることができ、ネットショップで簡単に購入することもできるようになりました。
 しかし自助具を選ぶ際には、実際に手に取り、使ってみて、自分に合っているかどうかを確認することが大切です。物によっては、メーカーにモニター依頼して試すこともできます。それができない場合は、福祉用具専門相談員やプランナーに相談することをお勧めします。

シリコン製のボトルオープナー

市販の自助具が合わない場合は、どこで手に入れればよいですか?

 病院や福祉施設では理学療法士や作業療法士などの専門家に相談して、自助具を直接製作してもらうこともできます。また、自分の生活している地域に自助具製作のボランティアグループがあれば、そこを訪問して依頼することで、より自分に合った自助具​を手に入れることができます。写真は脊髄損傷の方からの依頼でボランティアグループが製作したホルダー付の調理用具です。
 依頼者は指先に力が入らず調理用具を握ることができないため、手に合わせた汎用ホルダーを製作し、様々な調理用具に取り付けました。これを使うことによって、これまでは「してもらうばかり」の生活であったのが、今は「人のために料理をしてあげられる」と、喜びの感想をいただきました。

ホルダー付きスプーン・フォーク

ホルダー付きフォーク

ホルダー付きしゃもじ

ホルダー付き包丁

ホルダー付きおたま

 ヒューマン代表 岡田 英志 さん

 ヒューマン代表 岡田 英志 さん

 電機メーカーで製品デザインに携わり、福祉のモノ作りを志して独立。 1993 年より現在の 「大肢協・自助具の部屋」 に参加。 現在日本リハビリテーション工学協会 「自助具SIG」 代表、 日本インダストリアルデザイナー協会理事、 神戸芸術工科大学非常勤講師


(福祉用具の日しんぶん2016年10月1日号)

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