連載《プリズム》
令和の石油危機
イラン情勢の緊迫化により、石油由来の原料であるナフサの調達に不安が広がっている。
政府は一定量を確保しているとの見通しを示しているが、現場からは「足りているはずなのに届かない」「価格が上がっている」といった声が上がっている。大事なのは、総量としての在庫があるかではなく、必要な物が、必要な時に、必要な場所に届くかどうかだ。とりわけ、国民の生命や健康、暮らしに直結する医療・介護の現場で、供給の「目
詰まり」が起きないよう全力を尽くす必要がある。
介護現場は、想像以上に石油に支えられている。訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与の配送、デイサービスの送
迎、施設への食材・リネン・消耗品の納入。これらはいずれも、燃料費の上昇に直結する。さらに、紙おむつ、手袋、衛生用品、包装資材、給食材料なども、原油価格や物流費の影響を受ける。事態が長期化すればするほど、「見えにくい物価高」は介護現場の隅々に広がっていく。
問題なのは、介護報酬という公定価格によって、介護事業が成り立っている点である。このため、介護事業者は、他産業のように原材料費や物流費の上昇分を価格転嫁することができない。結果的に、経費削減、人員配置の見直し、サービス提供範囲の縮小といった苦しい判断を迫られることになる。特に影響を受けやすいのは、移動距離の長い中山間地域や、送迎・訪問を必要とする在宅系サービスだ。
すでに次期介護保険制度改正・報酬改定に向けた議論は始まっている。コロナ禍の時のように、物資の支援、燃料費の補助、配送コストへの配慮など、実態に即した支援策を講じていくとともに、自然災害や感染症だけでなく、国際情勢に伴う物資不足、燃料高騰、物流停滞についても、介護事業者の業務継続計画(BCP)に取り入れるなど、制度面での対策も進めていくべきだ。これを機に、現場を支える物資や燃料の確保も、介護保険制度の課題として捉え直してもらいたい。
詰まり」が起きないよう全力を尽くす必要がある。
介護現場は、想像以上に石油に支えられている。訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与の配送、デイサービスの送
迎、施設への食材・リネン・消耗品の納入。これらはいずれも、燃料費の上昇に直結する。さらに、紙おむつ、手袋、衛生用品、包装資材、給食材料なども、原油価格や物流費の影響を受ける。事態が長期化すればするほど、「見えにくい物価高」は介護現場の隅々に広がっていく。
問題なのは、介護報酬という公定価格によって、介護事業が成り立っている点である。このため、介護事業者は、他産業のように原材料費や物流費の上昇分を価格転嫁することができない。結果的に、経費削減、人員配置の見直し、サービス提供範囲の縮小といった苦しい判断を迫られることになる。特に影響を受けやすいのは、移動距離の長い中山間地域や、送迎・訪問を必要とする在宅系サービスだ。
すでに次期介護保険制度改正・報酬改定に向けた議論は始まっている。コロナ禍の時のように、物資の支援、燃料費の補助、配送コストへの配慮など、実態に即した支援策を講じていくとともに、自然災害や感染症だけでなく、国際情勢に伴う物資不足、燃料高騰、物流停滞についても、介護事業者の業務継続計画(BCP)に取り入れるなど、制度面での対策も進めていくべきだ。これを機に、現場を支える物資や燃料の確保も、介護保険制度の課題として捉え直してもらいたい。


