連載《プリズム》
スマート養老
6月13~15日にかけて中国・上海市で福祉機器展「チャイナ・エイド」が開かれた。
同展示会は約4万㎡の展示面積に、約400社がブースを構え、4万人以上の来場者を集める中国最大の国際福祉機器展である。15年前に訪れた際は、健康食品や健康器具などをPRする出展社が目立ったが、今や特殊寝台や車いす、手すり、歩行器、自動排泄処理装置など、日本の介護保険でもおなじみの福祉用具が数多く展示されていた。そして、何よりも目を引いたのが、「智慧養老」(スマート養老)と呼ばれる介護機器の数々だ。
▼「スマート養老」とは、最新のデジタル技術であるIoTやクラウドコンピューティング、ビッグデータ処理などの技術を駆使して、介助者の負担軽減や、介護の質の向上を図り、高齢者の生活をより豊かにするケアモデルを指す。中国では、この「スマート養老」を国策に位置づけ、介護現場への普及・発展を推し進めている。背景にあるのは、中国特有の高齢化問題だ。
▼中国の65歳以上の高齢者数は、すでに2億1700万人に及ぶ(2023年末時点)。「一人っ子政策」を続けてきた影響で、急速に少子化が進み、日本同様、将来的な介護人材不足が懸念されている。こうした難題に対応していくために、政府が注力しているのが「スマート養老」なのである。
▼展示会では、離床センサーや睡眠センサー、火災報知器や緊急通報装置などをインターネットでつなぎ、効率的かつ効果的な見守りを行う機器の展示が目立ったが、中には、集められたデータをAI解析し、施設・病院の経営改善を提案する企業もあった。介護のDX化は、すでに世界の潮流であり、デジタル社会の中国で、「スマート養老」が今後、急速に普及・発展していくことは間違いない。日本も後れをとってはいけない。
▼「スマート養老」とは、最新のデジタル技術であるIoTやクラウドコンピューティング、ビッグデータ処理などの技術を駆使して、介助者の負担軽減や、介護の質の向上を図り、高齢者の生活をより豊かにするケアモデルを指す。中国では、この「スマート養老」を国策に位置づけ、介護現場への普及・発展を推し進めている。背景にあるのは、中国特有の高齢化問題だ。
▼中国の65歳以上の高齢者数は、すでに2億1700万人に及ぶ(2023年末時点)。「一人っ子政策」を続けてきた影響で、急速に少子化が進み、日本同様、将来的な介護人材不足が懸念されている。こうした難題に対応していくために、政府が注力しているのが「スマート養老」なのである。
▼展示会では、離床センサーや睡眠センサー、火災報知器や緊急通報装置などをインターネットでつなぎ、効率的かつ効果的な見守りを行う機器の展示が目立ったが、中には、集められたデータをAI解析し、施設・病院の経営改善を提案する企業もあった。介護のDX化は、すでに世界の潮流であり、デジタル社会の中国で、「スマート養老」が今後、急速に普及・発展していくことは間違いない。日本も後れをとってはいけない。