連載《プリズム》
プラス改定
介護、医療、障がいのサービス報酬トリプル改定の24年が明けた。
例年の各4月1日施行が、直前の報酬や基準改正に対応するため、現場は改定への準備で過酷な労働(デスマーチと呼ばれる)を強いられる。そうならないように今回、診療報酬改定の施行日が6月1日に後ろ倒しになった。これに合わせて、介護報酬改定も訪問看護、通所・訪問リハビリ、居宅療養管理指導の在宅の医療系4サービスに限り、6月1日施行とされた。
22年決算で初の収支赤字となった特養・老健だが、全国老施協は報酬改定アップを前提に、少しでも早い改定を望み4月施行を求めたのに対して、全老健は診療報酬との同時期改正によって業務負担増を抑えられるとして6月施行を求めていた。
▼注目の改定率は、12月20日の予算大臣折衝で3分野ともプラス改定になった。診療報酬は+0・88%。24 年度+2・5%、25年度+2・0%のベアをめざして、介護報酬+1・59%(うち介護職員の処遇改善分は+0・98%=24年6月施行、介護職員以外の処遇改善は0・61%)、障がい福祉報酬+1・12%となった。これに加えて、改定率の外枠で、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や水光熱費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果として+0・45%(同様に、障がい福祉+0・38%)がある。働く世代が減少する中で、介護分野は退出者が参入者を初めて上回るようになった。一般産業と介護分野との賃金格差(月7万円程度)を埋めなければ、仕事のやりがいだけでは済まされない。
▼介護保険サービスの請求事業所数をみると、23年9月審査分で、介護給付と予防給付を合わせた総数は23万9822事業所で、前年同月比1・4%の増加。幸い、介護事業の魅力は失われていない。ちなみに、介護給付の請求事業所数のトップは、次期改定の施行日が6月1日になる居宅療養管理指導の4万8704事業所。介護現場は医療と介護がオーバーラップしている。
24年が平和に向かう年でありますように。
22年決算で初の収支赤字となった特養・老健だが、全国老施協は報酬改定アップを前提に、少しでも早い改定を望み4月施行を求めたのに対して、全老健は診療報酬との同時期改正によって業務負担増を抑えられるとして6月施行を求めていた。
▼注目の改定率は、12月20日の予算大臣折衝で3分野ともプラス改定になった。診療報酬は+0・88%。24 年度+2・5%、25年度+2・0%のベアをめざして、介護報酬+1・59%(うち介護職員の処遇改善分は+0・98%=24年6月施行、介護職員以外の処遇改善は0・61%)、障がい福祉報酬+1・12%となった。これに加えて、改定率の外枠で、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や水光熱費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果として+0・45%(同様に、障がい福祉+0・38%)がある。働く世代が減少する中で、介護分野は退出者が参入者を初めて上回るようになった。一般産業と介護分野との賃金格差(月7万円程度)を埋めなければ、仕事のやりがいだけでは済まされない。
▼介護保険サービスの請求事業所数をみると、23年9月審査分で、介護給付と予防給付を合わせた総数は23万9822事業所で、前年同月比1・4%の増加。幸い、介護事業の魅力は失われていない。ちなみに、介護給付の請求事業所数のトップは、次期改定の施行日が6月1日になる居宅療養管理指導の4万8704事業所。介護現場は医療と介護がオーバーラップしている。
24年が平和に向かう年でありますように。