連載《プリズム》

共生型サービスが生む変革

共生型サービスが生む変革

 2018年介護保険改正で、高齢者と障がい者のサービスを一体的に提供できる「共生型サービス」が創設される。(プリズム2017年7月)

 障がい者サービスを受けてきた利用者が65歳になると、介護保険が優先適用になるため、障がい者サービス事業所が介護保険サービスを提供できるようにする。逆に、介護保険事業所が障がい者サービスを提供できるようにもする。具体的なサービス基準や介護報酬などは介護給付費分科会でこれから検討される。

 障害者総合支援法の見直しによって、障がい者サービスを5年以上利用してきた人は、65歳になって介護保険サービスを利用する場合にも、それまでの利用者負担率が適用される。障がい者の福祉用具サービスである補装具制度は、これまで通り購入を原則としつつ、子どもの座位保持装置など一部でレンタルが導入される。地域共生社会づくりの中で、専門職を確保するために、医療や福祉の専門職の基礎カリキュラムを一体化する検討も行われている。18年介護保険改正で地域包括支援センターは機能強化されるが、これは幅広い地域課題への対処が求められているからだ。

 背景としては、地域の崩壊が続く中で、産業界も含めた新しい地域の互助により、住み続けられる地域環境をつくっていく必要がある。複合的な課題を抱えた家庭が増え、ワンストップで解決が迫られている状況もある。

 スウェーデンでは、いち早く1982年に社会保障関係の7つの法律が統合した「社会サービス法」を制定。その後、地方分権化のもとで医療と福祉のサービスの統合化をめざす「エーデル改革」が行われた。このエーデル改革は、施設から在宅へ、医療から予防中心へ、を掲げて日本の介護保険にも大きな影響を及ぼしてきた。

 現在の介護保険法は、要介護の高齢者と、老化に伴う疾病によって要介護状態になった40歳以上の人たちを対象に構築された社会保険サービス。日本より5年早く制度化されたドイツの介護保険が介護を必要とする1歳児以上を給付対象にすることを思うと、共生型サービス創設は介護保険制度そのものを普遍化していくパラダイム変換への契機になるか。

(シルバー産業新聞2017年7月10日号)

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