シニア住まい塾

シニア住まい塾《100》「ドエルシャンテ湯河原」

シニア住まい塾《100》「ドエルシャンテ湯河原」

神奈川県湯河原町には、私が気に入っていた「湯河原厚生年金保養ホーム」がありました。ホテルと温泉と病院が一体化しており、ホテルから病院まで中廊下で行けるつくりで、食事はおいしくて温泉もすばらしく、リハビリの機器もたくさんあり、「シニア住まい塾」の会員さんも数人利用していました。

 厚生年金振興福祉団の運営でしたが、厚生年金の資金繰りが厳しくなったためか、運営者が変わり「健康増進ホーム」になり、それも15年の6月末で閉館になりました。
 それまで湯河原厚生年金保養ホームを利用していた方から、他にこのような所はないかと聞かれ、湯河原にある「ドエルシャンテ湯河原」を見学してきました。
 
 「ドエルシャンテ湯河原」は、ひとことで言うと、厚生年金保養ホームより庶民的な雰囲気と建物で、規模は小さいです。住宅型有料老人ホームというくくりに入り、保養、介護、医療、療養を包括してみてくれる入居施設です。または短期利用もできるところで、建物内にデイサービスと訪問介護事業所があります。ケアマネは外部の居宅介護支援事業所を使うシステムとなっています。
 また、訪問診療や訪問歯科もあります。グループ姉妹病院の医療法人社団葵会は、青梅に今井病院(療養型)を運営しており、ドエルシャンテの運営協力法人です。
 78年に旅館として建てられたものを、葵会のグループ会社であるドエルシャンテが買い取り、温泉付きの保養施設として06年に開設しました。
 
 玄関を入ると右手にデイサービス、左手に食堂があり、食堂は大衆食堂といった雰囲気です。
 1階はざっくりしていて、フレンドリーで気取らない雰囲気です。2~5階の入居者用の居室は古さを感じません。特に5階は、高級な旅館風です。居室はAタイプ(34.98㎡が27室)からCタイプ(51.16㎡が5室)まであり、Bタイプ(40.87㎡、8室)は基本和室ですが洋室への変更もできます。Bタイプは各フロアの角部屋になっています。
 各室とも下駄箱、ユニットバス、洗面台、トイレ、収納がついており、どの部屋にもサンルーム付き。5階にはミニキッチンもあり、自炊もできます。

 ドエルシャンテ湯河原の特徴は、▽ペット可で小型犬はOK、ネコは管理者と協議の上で判断▽入居時には敷金として家賃の3カ月分だけですむシステム▽聴覚障害者が8人入居している。職員も手話のできる人がいて、これは耳の不自由な人には朗報です。
 また、▽ケアプラン以外のヘルパーは1時間2,000円、夜間緊急で病院まで付き添うなどは、1時間2,500円。ちなみに夜間は夜勤ヘルパーと見守りナイトフロント人員を配置しており、夜間は2時間おきに希望者のみ巡回します▽食事は厨房に元すし職人がいて、生ものが出ます。食事を自室まで運ぶのも無料サービスです。日曜日は板長お任せメニューで、入居者のリクエストにも応じてくれます。
 自立から要介護5までの人が利用しており、現在は寝たきりの人もいます。パーキンソン病の人も5年間ここで過ごしたことがあり、家族からは感謝されました。
 ここで看取られた人もいますが、医療依存が強くなる場合は、グループ姉妹病院の療養型病床に移ることもできます。療養型はどこも満室ですぐには入れないのですが、ドエルシャンテの人は今井病院には優先して入院できます。開設以来3人が療養病床に移りました。
 ドエルシャンテ湯河原には自費のショートステイがあり、夏だけ1カ月利用、または冬の寒いときに利用するなど、活用されています。利用者の要介護状態により料金は1泊3食付きで7,000円(税抜)。温泉が濃いので、湯治として利用される方もいます。
 保証人は1人、法定後見人を自分で見つけて入居した人もいますが、入院時などは施設長さんが協力してくれます。
 家賃は5万円、8万円の2通り。管理費(温泉管理費、電気、水道代など)は5万円、食費は5万1,000円で、計15万1,000円~。介護保険の自己負担分、医療費、日用品代、交通費などは実費です。

 「ドエルシャンテ湯河原」=神奈川県足柄下郡湯河原町宮上76、☎0465・60・3675。JR湯河原駅から千歳川沿いに歩いて15分。
古くから名湯と伝えられる湯河原の温泉を楽しめる

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