介護報酬単価

介護老人福祉施設 2024年度介護報酬改定 留意事項

介護老人福祉施設 2024年度介護報酬改定 留意事項

※主な改定部分のみ抜粋しています。
〇人員に関する基準
〇運営に関する基準
・介護福祉施設サービスの取扱方針
・介護(基準省令第13条)
・栄養管理
・口腔衛生の管理
・緊急時等の対応
・管理者による管理
・協力医療機関等
・事故発生の防止および発生時の対応
・虐待の防止
・利用者の安全、介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催
〇ユニット型指定介護老人福祉施設
・介護福祉施設サービスの取扱方針
・準用等
〇報酬
・高齢者虐待防止措置未実施減算について
・業務継続計画未策定減算について
・個別機能訓練加算について
・ADL維持等加算について
・退所時栄養情報連携加算について
・再入所時栄養連携加算について
・退所時等相談援助加算について
・協力医療機関連携加算について
・経口移行加算について
・経口維持加算について
・口腔衛生管理加算について
・特別通院送迎加算について
・配置医師緊急時対応加算について
・認知症チームケア推進加算について
・褥瘡マネジメント加算について
・排せつ支援加算について
・自立支援促進加算について
・高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)について
・高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)について
・新興感染症等施設療養費について
・生産性向上推進体制加算について
・介護職員等処遇改善加算について

人員に関する基準

1~5 (略)
6 離島・過疎地域に所在する入所定員が30人の介護老人福祉施設に短期入所生活介護事業所、通所介護事業所、地域密着型通所介護事業所、併設型認知症対応型通所介護事業所、小規模多機能型居宅介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所等が併設される場合については、処遇等が適切に行われる場合に限り、それぞれ次のとおり人員基準の緩和を認めている。
(1)短期入所生活介護事業所、または介護予防短期入所生活介護事業所に置かないことができる人員
・ 医師
・ 生活相談員
・ 栄養士
・ 機能訓練指導員

(2)通所介護事業所、または指定地域密着型通所介護事業所に置かないことができる人員
・ 生活相談員
・ 機能訓練指導員

(3)認知症対応型通所介護事業所、または指定介護予防認知症対応型通所介護事業所に置かないことができる人員
・ 生活相談員
・ 機能訓練指導員

(4)小規模多機能型居宅介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所、または介護予防小規模多機能型居宅介護事業所と併設する介護老人福祉施設に置かないことができる人員
・ 介護支援専門員

運営に関する基準

介護福祉施設サービスの取扱方針

(1)(略)

(2)同条第4項および第5項は、当該入所者、または他の入所者等の生命、または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その態様および時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
 また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、および一時性の3つの要件を満たすことについて、組織等としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。
 なお、基準省令第3 条第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

(3)身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会
 同条第6項第1号の「身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体的拘束等適正化検討委員会」)とは、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会であり、幅広い職種(例えば、施設長<管理者>、事務長、医師、看護職員、介護職員、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務、および役割分担を明確にするとともに、身体的拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。(以下、略)

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

介護

(1)~(4)(略)

(5)「指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない」とは、施設において褥瘡の予防のための体制を整備するとともに、介護職員等が褥瘡に関する基礎的知識を有し、日常的なケアにおいて配慮することにより、褥瘡発生の予防効果を向上させることを想定している。例えば、次のようなことが考えられる。

イ (略)

ロ 当該施設において、施設内褥瘡予防対策を担当する者(看護師が望ましい)を決めておく。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

ハ~ホ (略)

栄養管理

 基準省令第17条の2は、介護老人福祉施設の入所者に対する栄養管理について、管理栄養士が、入所者の栄養状態に応じて、計画的に行うべきことを定めたものである。ただし、栄養士のみが配置されている施設や栄養士、または管理栄養士を置かないことができる施設については、併設施設や外部の管理栄養士の協力により行うこととする。栄養管理について、以下の手順により行うこととする。

イ~ハ (略)

ニ 栄養ケア・マネジメントの実務等については、別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)において示しているので、参考とされたい。

口腔衛生の管理

 基準省令第17条の3は、指定介護老人福祉施設の入所者に対する口腔衛生の管理について、入所者の口腔の健康状態に応じて、以下の手順により計画的に行うべきことを定めたものである。別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)も参考にされたい。

(1)当該施設において、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士(以下、「歯科医師等」)が、当該施設の介護職員に対する口腔衛生の管理に係る技術的助言及び指導を年2回以上行うこと。

(2)当該施設の従業者、または歯科医師等が入所者毎に施設入所時、および月に1回程度の口腔の健康状態の評価を実施すること。

(3)(略)

(4) 医療保険において歯科訪問診療料が算定された日に、介護職員に対する口腔清掃等に係る技術的助言、および指導、または(2)の計画に関する技術的助言、および指導を行うにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指導の実施時間以外の時間帯に行うこと。なお、当該施設と計画に関する技術的助言、もしくは指導、または口腔の健康状態の評価を行う歯科医師等においては、実施事項等を文書で取り決めること。

緊急時等の対応

(1)基準省令第20条の2は、入所者の病状の急変等に備えるため、施設に対して、配置医師および協力医療機関の協力を得て、あらかじめ配置医師による対応、またはその他の方法による対応方針を定めなければならないことを義務付けるものである。対応方針に定める規定としては、例えば、緊急時の注意事項や病状等についての情報共有の方法、曜日や時間帯ごとの医師や協力医療機関との連携方法、診察を依頼するタイミング等があげられる。
 また、当該対応方針は、1年に1回以上、配置医師および協力医療機関の協力を得て見直しを行い、必要に応じて変更すること。見直しの検討にあたっては、施設内の急変対応の事例について関係者で振り返りを行うことなどが望ましい。なお、基準省令第28条第2項において、1年に1回以上、協力医療機関との間で入所者の病状が急変した場合等の対応の確認をすることとされており、この確認について、当該対応方針の見直しとあわせて行うことも考えられる。

管理者による管理

 指定介護老人福祉施設の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該指定介護老人福祉施設の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該指定介護老人福祉施設の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。

(1)(略)

(2)同一の事業者によって設置された他の事業所、施設等の管理者、または従業者としての職務に従事する場合であって、当該他の事業所、施設等の管理者、または従業者としての職務に従事する時間帯も、当該介護老人福祉施設の入所者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握でき、職員および業務の一元的な管理・指揮命令に支障が生じないときに、当該他の事業所、施設等の管理者、または従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、管理すべき事業所数が過剰であると個別に判断される場合や、事故発生時等の緊急時において管理者自身が速やかに当該介護老人福祉施設に駆け付けることができない体制となっている場合などは、一般的には管理業務に支障があると考えられる)

(3)(略)

管理者の責務

 基準省令第22条は、介護老人福祉施設の管理者の責務を、介護保険法の基本理念を踏まえた利用者本位のサービス提供を行うため、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、従業者および業務の管理を一元的に行うとともに、当該介護老人福祉施設の従業者に基準省令の第4章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。

業務継続計画の策定等

(2)業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。なお、各項目の記載内容については、「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」および「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症および災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。さらに、感染症に係る業務継続計画、感染症の予防及びまん延の防止のための指針、災害に係る業務継続計画、ならびに非常災害に関する具体的計画については、それぞれに対応する項目を適切に設定している場合には、一体的に策定することとして差し支えない。
①・② (略)

衛生管理等

(2)基準省令第 27 条第2項に規定する感染症又は食中毒が発生し、またはまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次の①から⑤までの取扱いとすること。

①感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会
 当該施設における感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会(感染対策委員会)であり、幅広い職種(例えば、施設長<管理者>、事務長、医師、看護職員、介護職員、栄養士、または管理栄養士、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務、および役割分担を明確にするとともに、感染対策担当者を決めておくことが必要である。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

 感染対策委員会は、入所者の状況など施設の状況に応じ、おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案て必要に応じ随時開催する必要がある。(略)

協力医療機関等

 基準省令第28条は、介護老人福祉施設の入所者の病状の急変時等に対応するための協力医療機関をあらかじめ定めておくこと、新興感染症の診療等を行う医療機関と新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めること、歯科医療の確保の観点からあらかじめ協力歯科医療機関を定めておくよう努めること等を規定したものであること。協力医療機関、および協力歯科医療機関は、指定介護老人福祉施設から近距離にあることが望ましい。

(1)協力医療機関との連携(第1項)
 介護老人福祉施設の入所者の病状の急変時等に、相談対応や診療を行う体制を常時確保した協力医療機関、および緊急時に原則入院できる体制を確保した協力病院を定めなければならない。その際、例えば同条第1項第1号及び第2号の要件を満たす医療機関と同条第1項第3号の要件を満たす医療機関を別に定めるなど、複数の医療機関を定めることにより要件を満たすこととしても差し支えない。
 連携する医療機関は、在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所、地域包括ケア病棟(200 床未満)を持つ医療機関、在宅療養後方支援病院等の在宅医療を支援する地域の医療機関(以下、在宅療養支援病院等)と連携を行うことが想定される。なお、2024年度診療報酬改定において新設される地域包括医療病棟を持つ医療機関は、前述の在宅療養支援病院等を除き、連携の対象として想定される医療機関には含まれないため留意すること。また、第3号の要件については、必ずしも当該介護老人福祉施設の入所者が入院するための専用の病床を確保する場合でなくとも差し支えなく、一般的に当該地域で在宅療養を行う者を受け入れる体制が確保されていればよい。
 なお、協力医療機関との連携に係る義務付けの適用に当たっては、2024年改正省令附則第6条において、3年間の経過措置を設けており、2027年3月31日までの間は、努力義務とされているが、経過措置期限を待たず、可及的速やかに連携体制を構築することが望ましい。

(2)協力医療機関との連携に係る届け出(第2項)
 協力医療機関と実効性のある連携体制を確保する観点から、年に1回以上、協力医療機関と入所者の急変時等における対応を確認し、当該医療機関の名称や当該医療機関との取り決めの内容等を指定を行った指定権者に届け出ることを義務づけたものである。届出については、別紙1によるものとする。協力医療機関の名称や契約内容の変更があった場合には、速やかに指定権者に届け出ること。同条第1項の規定の経過措置期間において、同条第1項第1号、第2号および第3号の要件を満たす協力医療機関を確保できていない場合は、経過措置の期限内に確保するための計画併せて届け出を行うこと。

(3) 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携(第3項)
 介護老人福祉施設の入所者における新興感染症の発生時等に、感染者の診療等を迅速に対応できる体制を平時から構築しておくため、感染症法第6条第17項に規定する第二種協定指定医療機関である病院、または診療所との新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしたものである。
 取り決めの内容としては、流行初期期間経過後(新興感染症の発生の公表後4カ月程度から6カ月程度経過後)において、介護老人福祉施設の入所者が新興感染症に感染した場合に、相談、診療、入院の要否の判断、入院調整等を行うことが想定される。なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。

(4)協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合(第4項)
 協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合には、第2項で定められた入所者の急変時等における対応の確認と合わせ、当該協力機関との間で、新興感染症の発生時等における対応について協議を行うことを義務付けるものである。協議の結果、当該協力医療機関との間で新興感染症の発生時等の対応の取り決めがなされない場合も考えられるが、協力医療機関のように日頃から連携のある第二種協定指定医療機関と取り決めを行うことが望ましい。

(5)医療機関に入院した入所者の退院後の受け入れ(第5項)
 「速やかに入所させることができるよう努めなければならない」とは、必ずしも退院後に再入所を希望する入所者のために常にベッドを確保しておくということではなく、できる限り円滑に再入所できるよう努めなければならないということである。

掲示

(1)基準省令第29条第1項は、介護老人福祉施設は、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を介護老人福祉施設の見やすい場所に掲示することを規定したものである。また、同条第3項は、介護老人福祉施設は、原則として、重要事項を当該介護老人福祉施設のウェブサイトに掲載することを規定したものであるが、ウェブサイトとは、法人のホームページ等、または介護サービス情報公表システムのことをいう。なお、介護老人福祉施設は、重要事項の掲示、およびウェブサイトへの掲載を行うにあたり、次に掲げる点に留意する必要がある。

①・② (略)

 ③介護保険法施行規則第140条の44各号に掲げる基準に該当する介護老人福祉施設については、介護サービス情報制度における報告義務の対象ではないことから、基準省令第29条第3項の規定によるウェブサイトへの掲載は行うことが望ましいこと。なお、ウェブサイトへの掲載を行わない場合も、同条第1項の規定による掲示は行う必要があるが、これを同条第2項や基準省令第50条第1項の規定に基づく措置に代えることができること。
なお、厚生労働大臣の定める利用者等が選定する特別な居室等の提供に係る基準等二のハの(2)、および居住、滞在および宿泊、ならびに食事の提供に係る利用料等に関する指針一のハに規定するウェブサイトへの掲載に関する取扱いは、この(1)に準ずるものとする。


(2)(略)

苦情処理

(1)基準省令第34条第1項にいう「必要な措置」とは、苦情を受け付けるための窓口を設置することのほか、相談窓口、苦情処理の体制、および手順等、当該施設における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、これを入所者、またはその家族にサービスの内容を説明する文書に記載するとともに、施設に掲示し、かつ、ウェブサイトに掲載すること等である。なお、ウェブサイトへの掲載に関する取扱いは、掲示の(1)に準ずるものとする。

(2)・(3) (略)

事故発生の防止および発生時の対応

(1)~(4) (略)

(5)事故発生防止等の措置を適切に実施するための担当者(第1項第4号)
 介護老人福祉施設における事故発生を防止するための体制として、(1)から(4)までに掲げる措置を適切に実施するため、担当者を置くことが必要である。当該担当者としては、事故防止検討委員会の安全対策を担当する者と同一の従業者が務めることが望ましい。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

(6) (略)

虐待の防止

(略)
・虐待等への迅速かつ適切な対応
 虐待が発生した場合には、速やかに市町村の窓口に通報される必要があり、指定介護老人福祉施設は当該通報の手続が迅速かつ適切に行われ、市町村等が行う虐待等に対する調査等に協力するよう努めることとする。以上の観点を踏まえ、虐待等の防止・早期発見に加え、虐待等が発生した場合はその再発を確実に防止するために次に掲げる事項を実施するものとする。

①~③ (略)

④虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者(第4号)
 介護老人福祉施設における虐待を防止するための体制として、①から③までに掲げる措置を適切に実施するため、担当者を置くことが必要である。当該担当者としては、虐待防止検討委員会の責任者と同一の従業者が務めることが望ましい。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

利用者の安全、介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催

 介護老人福祉施設基準第35条の3は、介護現場の生産性向上の取組を促進する観点から、現場における課題を抽出、および分析した上で、事業所の状況に応じた必要な対応を検討し、利用者の尊厳や安全性を確保しながら事業所全体で継続的に業務改善に取り組む環境を整備するため、利用者の安全、ならびに介護サービスの質の確保、および職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置及び開催について規定したものである。なお、本条の適用に当たっては、2024年改正省令附則第4条において、3年間の経過措置を設けており、2027年3月31日までの間は、努力義務とされている。
 本委員会は、生産性向上の取組を促進する観点から、管理者やケア等を行う職種を含む幅広い職種により構成することが望ましく、各事業所の状況に応じ、必要な構成メンバーを検討すること。なお、生産性向上の取組に関する外部の専門家を活用することも差し支えないものであること。また、本委員会は、定期的に開催することが必要であるが、開催する頻度については、本委員会の開催が形骸化することがないよう留意した上で、各事業所の状況を踏まえ、適切な開催頻度を決めることが望ましい。あわせて、本委員会の開催にあたっては、厚生労働省老健局高齢者支援課「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」等を参考に取組を進めることが望ましい。また、本委員会はテレビ電話装置等を活用して行うことができるものとし、この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。
 なお、事務負担軽減の観点等から、本委員会は、他に事業運営に関する会議(事故発生の防止のための委員会等)を開催している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。本委員会は事業所毎に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。また、委員会の名称について、法令では「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」と規定されたところであるが、他方、従来から生産性向上の取組を進めている事業所においては、法令とは異なる名称の生産性向上の取組を進めるための委員会を設置し、開催している場合もあるところ、利用者の安全、介護サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策が適切に検討される限りにおいては、法令とは異なる委員会の名称を用いても差し支えない。

ユニット型指定介護老人福祉施設

(1)・(2) (略)

(3)同条第6項および第7項は、当該入所者、または他の入所者等の生命、または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その態様および時間、その際の入所者の心身の状況、ならびに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、および一時性の3つの要件を満たすことについて、組織等としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。なお、基準省令第49条において準用する基準省令第 37 条第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

(4)身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会(第8項第1号)
 同条第8項第1号の「身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」とは、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会であり、幅広い職種(例えば、施設長<管理者>、事務長、医師、看護職員、介護職員、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務および役割分担を明確にするとともに、身体的拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。なお、同一施設内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、入居者や施設の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。


(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

 なお、身体的拘束等適正化検討委員会は、運営委員会など他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。身体的拘束等適正化検討委員会の責任者はケア全般の責任者であることが望ましい。また、身体的拘束等適正化検討委員会には、第三者や専門家を活用することが望ましく、その方策として、精神科専門医等の専門医の活用等が考えられる。

 また、身体的拘束等適正化検討委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。ユニット型指定介護老人福祉施設が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体的拘束等の適正化について、施設全体で情報共有し、今後の再発防止につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。具体的には、次のようなことを想定している。
①身体的拘束等について報告するための様式を整備すること。
②介護職員その他の従業者は、身体的拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、①の様式に従い、身体的拘束等について報告すること。
③身体的拘束等適正化検討委員会において、②により報告された事例を集計し、分析すること。
④事例の分析に当たっては、身体的拘束等の発生時の状況等を分析し、身体的拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と適正化策を検討すること。
⑤報告された事例、および分析結果を従業者に周知徹底すること。
⑥適正化策を講じた後に、その効果について評価すること。

(5)身体的拘束等の適正化のための指針(第8項第2号)
 ユニット型指定介護老人福祉施設が整備する「身体的拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
①施設における身体的拘束等の適正化に関する基本的考え方
②身体的拘束等適正化検討委員会その他施設内の組織に関する事項
③身体的拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
④施設内で発生した身体的拘束等の報告方法等のための方⑹ 身体的拘束等の適正化のための従業者に対する研修(第8項第3号)
介護職員その他の従業者に対する身体的拘束等の適正化のための研修策に関する基本方針
⑤身体的拘束等発生時の対応に関する基本方針
⑥入所者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
⑦その他身体的拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針

(6) 身体的拘束等の適正化のための従業者に対する研修(第8項第3号)
 介護職員その他の従業者に対する身体的拘束等の適正化のための研修の内容としては、身体的拘束等の適正化の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該ユニット型介護老人福祉施設における指針に基づき、適正化の徹底を行うものとする。職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該ユニット型介護老人福祉施設が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず身体的拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、職員研修施設内での研修で差し支えない。

準用等

 なお、厚生労働大臣の定める利用者等が選定する特別な居室等の提供に係る基準等二のハの(2)および居住、滞在および宿泊、ならびに食事の提供に係る利用料等に関する指針一のハに規定するウェブサイトへの掲載に関する取扱いは、準用される基準省令第29条に関する掲示の(1)に準ずるものとする。

報酬

高齢者虐待防止措置未実施減算について

 高齢者虐待防止措置未実施減算については、施設において高齢者虐待が発生した場合ではなく、介護老人福祉施設基準第35条の2(介護老人福祉施設基準第49条において準用している場合も含む)に規定する措置を講じていない場合に、入所者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していない、虐待の防止のための指針を整備していない、虐待の防止のための研修を年2回以上実施していない、またはこれらを適切に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入居者全員について所定単位数から減算することとする。

業務継続計画未策定減算について

 業務継続計画未策定減算については、介護老人福祉施設基準第24条の2第1項(介護老人福祉施設基準第 49 条において準用する場合を含む)に規定する基準を満たさない事実が生じた場合に、その翌月(基準を満たさない事実が生じた日が月の初日である場合は当該月)から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の入所者全員について、所定単位数から減算することとする。
 なお、経過措置として、2025年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針、および非常災害に関する具体的計画を策定している場合には、当該減算は適用しないが、義務となっていることを踏まえ、速やかに作成すること。

個別機能訓練加算について

(略)
 ⑦個別機能訓練加算(Ⅲ)における個別機能訓練、口腔、栄養の一体的取組についての基本的な考え方は別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参考とし、関係職種間で共有すべき情報は、同通知の様式1-4を参考とした上で、常に当該事業所の関係職種により閲覧が可能であるようにすること。

ADL維持等加算について

①ADLの評価は、一定の研修を受けた者により、Barthel Indexを用いて行うものとする。

②大臣基準告示第16号の2イ(2)における厚生労働省へのADL値の提出は、LIFEを用いて行うこととする。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順、および様式例の提示について」を参照されたい。
 サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報、およびフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた個別機能訓練計画の作成(Plan)、当該計画に基づく個別機能訓練の実施(Do)、当該実施内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと。提出された情報については、国民の健康の保持増進、およびその有する能力の維持向上に資するため、適宜活用されるものである。

③大臣基準告示第 16 号の2イ(3)およびロ⑵におけるADL利得は、評価対象利用開始月の翌月から起算して6月目の月に測定したADL値から、評価対象利用開始月に測定したADL値を控除して得た値に、次の表の評価対象利用開始月に測定したADL値に応じてそれぞれ同表に掲げる値を加えた値を平均して得た値とする。
④ハにおいてADL利得の平均を計算するに当たって対象とする者は、ADL利得の多い順に、上位100分の10 に相当する利用者(その数に1未満の端数が生じたときは、これを切り捨てる)、および下位100分の10に相当する利用者(その数に1未満の端数が生じたときは、これを切り捨てる)を除く利用者とする。

⑤加算を取得する月の前年の同月に、基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出ている場合は、届出の日から12月後までの期間を評価対象期間とする。

⑥2024年度については、2024年3月以前よりADL維持等加算(Ⅱ)を算定している場合、ADL利得に関わらず、評価対象期間の満了日の属する月の翌月から12月に限り算定を継続することができる。

退所時栄養情報連携加算について

①退所時栄養情報連携加算は、介護老人福祉施設と医療機関等の有機的連携の強化等を目的としたものであり、入所者の栄養に関する情報を相互に提供することにより、継続的な栄養管理の確保等を図るものである。

②退所時栄養情報連携加算は、別に厚生労働大臣が定める特別食を必要とする入所者、または低栄養状態にあると医師が判断した入所者が、介護老人福祉施設からその居宅に退所する場合、当該入所者の主治の医師の属する病院、または診療所、および介護支援専門員に対して、当該介護老人福祉施設の管理栄養士が当該入所者の栄養管理に関する情報を提供したときに算定できる。また、当該入所者が病院、診療所、もしくは他の介護保険施設(以下、「医療機関等」)に入院、もしくは入所する場合、当該医療機関等に対して、当該介護老人福祉施設の管理栄養士が当該入所者の栄養管理に関する情報を提供したときに算定できる。なお、当該加算は、当該入所者が退所した日の属する月において、1月に1回を限度として算定できる。

③栄養管理に関する情報とは、提供栄養量、必要栄養量、食事形態(嚥下食コード含む)、禁止食品、栄養管理に係る経過等をいう。

④ 栄養管理に関する情報の提供については別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照されたい。

⑤退所時栄養情報連携加算の対象となる特別食は、別に厚生労働大臣が定める特別食に加え、心臓疾患等の入所者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の入所者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の入所者に対する潰瘍食、クローン病及び潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している入所者に対する低残渣食並びに高度肥満症(肥満度がプラス40%以上、またはBMIが30以上)の入所者に対する治療食をいう。

 なお、高血圧の入所者に対する減塩食(食塩相当量の総量が6.0グラム未満のものに限る。)及び嚥下困難者(そのために摂食不良となった者も含む)のための流動食は、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス、および地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の療養食加算の場合と異なり、退所時栄養情報連携加算の対象となる特別食に含まれる。

再入所時栄養連携加算について

①介護老人福祉施設に入所していた者が、医療機関に入院し、当該者について、医師が別に厚生労働大臣が定める特別食、または嚥下調整食を提供する必要性を認めた場合であって、当該者が退院した後、直ちに再度当該介護老人福祉施設に入所(以下「二次入所」という)した場合を対象とすること。

②嚥下調整食は、硬さ、付着性、凝集性などに配慮した食事であって、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類に基づくものをいう。また、心臓疾患等の者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の入所者に対する潰瘍食、クローン病、および潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している者に対する低残渣食、ならびに高度肥満症(肥満度がプラス40%以上又はBMIが30以上)の者に対する治療食を含む。なお、高血圧の者に対する減塩食(食塩相当量の総量が6.0グラム未満のものに限る)、および嚥下困難者(そのために摂食不良となった者も含む)のための流動食は、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービス及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の療養食加算の場合と異なり、再入所時栄養連携加算の対象となる特別食に含まれる。

③・④ (略)

退所時等相談援助加算について

①~③ (略)

④退所時情報提供加算について
イ 入所者が退所して医療機関に入院する場合、当該医療機関に対して、入所者を紹介するに当たっては、別紙様式13の文書に必要な事項を記載の上、当該医療機関に交付するとともに、交付した文書の写しを介護記録等に添付すること。
ロ 入所者が医療機関に入院後、当該医療機関を退院し、同一月に再度当該医療機関に入院する場合には、本加算は算定できない。

協力医療機関連携加算について

①本加算は、高齢者施設等と協力医療機関との実効性のある連携体制を構築する観点から、入所者の急変時等に備えた関係者間の平時からの連携を強化するため、入所者の病歴等の情報共有や急変時等における対応の確認等を行う会議を定期的に開催することを評価するものである。

②会議では、特に協力医療機関に対して診療の求めを行うこととなる可能性が高い入所者や新規入所者を中心に情報共有や対応の確認等を行うこととし、毎回の会議において必ずしも入所者全員について詳細な病状等を共有しないこととしても差し支えない。

③協力医療機関が指定介護老人福祉施設基準第28条第1項第1号から第3号までに規定する要件(以下、3要件という)を満たしている場合には(1)の 50 単位(2025年3月31日までの間は100単位)、それ以外の場合は(2)の5単位を加算する。(1)について、複数の医療機関を協力医療機関として定めることにより3要件を満たす場合には、それぞれの医療機関と会議を行う必要がある。(1)を算定する場合において、介護老人福祉施設基準第28条第2項に規定する届出として3要件を満たす医療機関の情報を都道府県等に届け出ていない場合には、速やかに届け出ること。

④「会議を定期的に開催」とは、概ね月に1回以上開催されている必要がある。ただし、電子的システムにより当該協力医療機関において、当該施設の入所者の情報が随時確認できる体制が確保されている場合には、定期的に年3回以上開催することで差し支えないこととする。なお、協力医療機関へ診療の求めを行う可能性の高い入所者がいる場合においては、より高い頻度で情報共有等を行う会議を実施することが望ましい。

⑤会議は、テレビ電話装置等(リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器をいう)を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

⑥本加算における会議は、指定介護老人福祉施設基準第28条第2項に規定する、入所者の病状が急変した場合の対応の確認と一体的に行うこととしても差し支えない。

⑦会議の開催状況については、その概要を記録しなければならない。

経口移行加算について

①~④ (略)

⑤なお、当該加算に係る計画の作成に当たっては別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照されたい。

経口維持加算について

①~④ (略)

⑤なお、当該加算に係る計画の作成に当たっては別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照されたい。

口腔衛生管理加算について

①~⑤ (略)

⑥本加算は、医療保険において歯科訪問診療料が算定された日の属する月であっても算定できるが、訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月においては、訪問歯科衛生指導料が3回以上(2024年6月以降、診療報酬の算定方法別表第2歯科診療報酬点数表の区分番号C001に掲げる訪問歯科衛生指導料の「注2」に規定する緩和ケアを実施するものの場合は、7回以上)算定された場合には算定できない。

特別通院送迎加算について

 特別通院送迎加算は、施設外において透析が必要な入所者が、家族等による送迎ができない、送迎サービスを実施していない病院、または診療所を利用している場合等のやむを得ない事情により、施設職員が送迎を行った場合に算定できるものであり、透析以外の目的による通院送迎は当該加算のための回数に含めない。

配置医師緊急時対応加算について

①~③ (略)

配置医師の通常の勤務時間外とは、配置医師と施設の間であらかじめ定められた配置医師が当該施設において勤務する時間以外の時間(早朝・夜間及び深夜を除く)とし、早朝・夜間(深夜を除く)とは、午後6時から午後 10 時まで又は午前6時から午前8時までとし、深夜とは、午後10時から午前6時までとする。なお、診療の開始時刻が加算の対象となる時間帯にある場合に、当該加算を算定すること。診療時間が長時間にわたる場合に、加算の対象となる時間帯における診療時間が全体の診療時間に占める割合がごくわずかな場合においては、当該加算は算定できない。

⑤算定にあたっては、配置医師と施設の間で、緊急時の注意事項や病状等についての情報共有の方法、曜日や時間帯ごとの医師との連携方法や診察を依頼するタイミング等に関する取り決めを事前に定め、1年に1回以上見直しをすることにより、24 時間配置医師、またはその他の医師による対応が可能な体制を整えることとする。

認知症チームケア推進加算について

 認知症チームケア推進加算の内容については、別途通知(「認知症チームケア推進加算に関する実施上の留意事項等について」)を参照すること。

褥瘡マネジメント加算について

(略)

⑨褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)は、褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件を満たす施設において、④の評価の結果、施設入所時に褥瘡が認められた、または褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者について、施設入所日の属する月の翌月以降に別紙様式5を用いて評価を実施し、当該月に別紙様式5に示す持続する発赤(d1)以上の褥瘡の発症がない場合に、所定単位数を算定できるものとする。
 ただし、施設入所時に褥瘡があった入所者については、当該褥瘡の治癒後に、算定できるものとする。

⑩(略)

排せつ支援加算について

①~③ (略)

④大臣基準第 71 号の3イ⑴の評価は、別紙様式6を用いて、以下の(ア)から(ウ)について実施する。
(ア) 排尿の状態
(イ) 排便の状態
(ウ) おむつの使用
(エ) 尿道カテーテルの留置


⑤~⑦ (略)

⑧大臣基準第71号の3イ(2)の「排せつに介護を要する入所者」とは、④の(ア)もしくは(イ)が「一部介助」または「全介助」と評価される者、または(ウ)、もしくは(エ)が「あり」の者をいう。

⑨大臣基準第 71 号の3イ(2)の「適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減が見込まれる」とは、特別な支援を行わなかった場合には、④の(ア)から(エ)の評価が不変、または低下となることが見込まれるものの、適切な対応を行った場合には、④の(ア)から(エ)の評価が改善することが見込まれることをいう。

⑩~⑬ (略)

⑭排せつ支援加算(Ⅱ)は、排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たす施設において、施設入所時と比較して、④に掲げる(ア)もしくは(イ)の評価の少なくとも一方が改善し、かつ、いずれにも悪化がない場合、または(ウ)、もしくは(エ)の評価が改善した場合に、算定できることとする。

⑮排せつ支援加算(Ⅲ)は、排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たす施設において、施設入所時と比較して、④に掲げる(ア)、または(イ)の評価の少なくとも一方が改善し、いずれにも悪化がなく、かつ、(ウ)の評価が改善した場合に、算定できることとする。

自立支援促進加算について

①~④ (略)
⑤大臣基準第 71 号の4ロの支援計画は、関係職種が共同し、別紙様式7を用いて作成すること※。作成にあたっては、④の医学的評価及び支援実績等に基づき、個々の入所者の特性に配慮しながら個別に作成することとし、画一的な支援計画とならないよう留意すること。

※下記の青字部分が削除されている
別紙様式7を用いて、訓練の提供に係る事項(離床・基本動作、ADL動作、日々の過ごし方及び訓練時間等)の全ての項目について作成すること

⑥当該支援計画の各項目は原則として以下のとおり実施すること。その際、入所者及びその家族の希望も確認し、入所者の尊厳が支援に当たり十分保持されるように留意すること。
a 寝たきりによる廃用性機能障害の防止や改善へ向けて、離床、座位保持、または立ち上がりを計画的に支援する。
b 食事は、本人の希望に応じ、居室外で、車椅子ではなく普通の椅子を用いる、本人が長年親しんだ食器や箸を施設に持ち込み使用する等、施設においても、本人の希望を尊重し、自宅等におけるこれまでの暮らしを維持できるようにする。食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく、個人の習慣や希望を尊重する。
c・d (略)
e 生活全般において、画一的・集団的な介護ではなく個別ケアの実践のため、入所者本人や家族と相談し、可能な限り自宅での生活と同様の暮らしを続けられるようにする。
f  (略)
g 入所者の社会参加につなげるために、入所者と地域住民等とが交流する機会を定期的に設ける等、地域や社会とのつながりを維持する。

⑦~⑨ (略)

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)について

①高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)は、高齢者施設等における平時からの感染対策の実施や、感染症発生時に感染者の対応を行う医療機関との連携体制を評価するものであること。

②高齢者施設等において感染対策を担当する者が、医療機関等が行う院内感染対策に関する研修、または訓練に少なくとも1年に 1 回以上参加し、指導及び助言を受けること。院内感染対策に関する研修、または訓練については、診療報酬の算定方法別表第1医科診療報酬点数表の区分番号A234-2に規定する感染対策向上加算(以下、感染対策向上加算)、または医科診療報酬点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11および再診料の注 15 に規定する外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関が実施する院内感染対策に関するカンファレンス、または訓練や職員向けに実施する院内感染対策に関する研修、地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンス、または訓練を対象とする。

③居宅サービス基準第192条により準用する第104条第2項に基づき、介護職員その他の従業員に対して実施する感染症の予防およびまん延の防止のための研修及び訓練の内容について、上記の医療機関等における研修、または訓練の内容を含めたものとすること。

④居宅サービス基準第191条第4項において、指定特定施設は、施設の入居者が新興感染症に感染した際に、感染者の診療等を行う第二種協定指定医療機関と連携し、新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしており、加算の算定に当たっては、第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。新興感染症発生時等の対応としては、感染発生時等における相談、感染者の診療、入院の要否の判断等が求められることから、本加算における連携の対象となる第二種協定指定医療機関は診療所、病院に限る。なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。

⑤季節性インフルエンザやノロウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症など特に高齢者施設等において流行を起こしやすい感染症について、協力医療機関等と連携し、感染した入居者に対して適切に医療が提供される体制が構築されていること。特に新型コロナウイルス感染症については、「高齢者施設等における医療機関との連携体制等にかかる調査の結果について(2023年12月7日付事務連絡)」のとおり新型コロナウイルス感染症の対応を行う医療機関との連携状況等を調査しており、引き続き感染者の対応が可能な医療機関との連携体制を確保していること。

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)について

①高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)は、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、少なくとも3年に1回以上、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている場合に、月1回算定するもの。

②実地指導については、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関において設置された感染制御チームの専任の医師、または看護師等が行うことが想定される。

③居宅サービス基準第192条により準用する第 104 条第2項に基づき、介護職員その他の従業員に対して実施する感染症の予防およびまん延の防止のための研修、および訓練の内容について、上記の医療機関による実地指導の内容を含めたものとすること。

新興感染症等施設療養費について

①新興感染症等施設療養費は、新興感染症のパンデミック発生時等において、施設内で感染した高齢者に対して必要な医療やケアを提供する観点や、感染拡大に伴う病床ひっ迫を避ける観点から、必要な感染対策や医療機関との連携体制を確保した上で感染した高齢者の療養を施設内で行うことを評価するものである。

②対象の感染症については、今後のパンデミック発生時等に必要に応じて厚生労働大臣が指定する。2024年4月時点においては、指定している感染症はない。

③適切な感染対策とは、手洗いや個人防護具の着用等の標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底、ゾーニング、コホーティング、感染者以外の入所者も含めた健康観察等を指し、具体的な感染対策の方法については、「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」を参考とすること。

生産性向上推進体制加算について

介護職員等処遇改善加算について

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