介護報酬単価

居宅介護支援 2024年度介護報酬改定 留意事項

居宅介護支援 2024年度介護報酬改定 留意事項

※主な改定部分のみ抜粋しています。
〇人員に関する基準
・介護支援専門員の員数
・管理者
〇運営に関する基準
・内容および手続きの説明および同意
・居宅介護支援の基本取扱方針および具体的取扱方針
・管理者の責務
・業務継続計画の策定等
・感染症の予防およびまん延の防止のための措置
・掲示
・苦情処理
・虐待の防止
〇報酬
・居宅介護支援の業務が適切に行われない場合
・基本単位の取扱いについて
・高齢者虐待防止措置未実施減算について
・業務継続計画未策定減算について
・「同一敷地内建物等」に居住する利用者に対する取扱い
・特定事業所加算について
・特定事業所医療介護連携加算について
・入院時情報連携加算について
・通院時情報連携加算について
・ターミナルケアマネジメント加算について

人員に関する基準

介護支援専門員の員数

(略)
 また、当該常勤の介護支援専門員の配置は利用者の数(※1)44人(※2)に対して1人を基準とするものであり、利用者の数が44人(※2)、またはその端数を増すごとに増員するものとする。ただし、当該増員に係る介護支援専門員については非常勤とすることを妨げるものではない。なお、地域における介護支援専門員や居宅介護支援事業所の充足状況等も踏まえ、緊急的に利用者を受け入れなければならない等のやむを得ない理由により利用者の数が当該基準を超えてしまった場合においては、直ちに運営基準違反とすることのないよう留意されたい。
 また、当該非常勤の介護支援専門員に係る他の業務との兼務については、介護保険施設に置かれた常勤専従の介護支援専門員との兼務を除き、差し支えないものであり、当該他の業務とは必ずしも指定居宅サービス事業の業務を指すものではない。
 なお、事務職員の配置については、その勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。また、当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められる。勤務時間数については特段の定めを設けていないが、当該事業所における業務の実情を踏まえ、適切な数の人員を配置する必要がある。

※1 当該居宅介護支援事業者が介護予防支援の指定を併せて受け、または地域包括支援センターの設置者である介護予防支援事業者から委託を受けて、当該居宅介護支援事業所において介護予防支援を行う場合には、当該事業所における居宅介護支援の利用者の数に当該事業所における介護予防支援の利用者の数に3分の1を乗じた数を加えた数
※2 ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合は49人

管理者

(略)
 また、例えば、訪問系サービスの事業所において訪問サービスそのものに従事する従業者と兼務する場合(当該訪問系サービス事業所における勤務時間が極めて限られている場合を除く)、および事故発生時や災害発生等の緊急時において管理者自身が速やかに当該居宅介護支援事業所、または利用者の居宅に駆け付けることができない体制となっている場合は管理者の業務に支障があると考えられる。また、併設する事業所に原則として常駐する老人介護支援センターの職員、訪問介護、訪問看護等の管理者等との兼務は可能と考えられる。なお、介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員との兼務は認められないものである。
 なお、以下のような、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合については、管理者を介護支援専門員とする取扱いを可能とする。
・本人の死亡、長期療養など健康上の問題の発生、急な退職や転居等不測の事態により、主任介護支援専門員を管理者とできなくなってしまった場合であって、主任介護支援専門員を管理者とできなくなった理由と、今後の管理者確保のための計画書を保険者に届け出た場合。なお、この場合、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を1年間猶予するとともに、当該地域に他に居宅介護支援事業所がない場合など、利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長することができることとする。
・特別地域居宅介護支援加算、または中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる場合

 
 また、2027年3月31日までの間は、2021年3月31日時点で主任介護支援専門員でない者が管理者である居宅介護支援事業所については、当該管理者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を猶予することとしているが、居宅介護支援事業所における業務管理や人材育成の取組を促進する観点から、経過措置期間の終了を待たず、管理者として主任介護支援専門員を配置することが望ましい。

〇運営に関する基準

内容および手続きの説明および同意

(略) 
 また、居宅介護支援は、利用者の意思および人格を尊重し、常に利用者の立場に立って行われるものであり、居宅サービス計画は基準第1条の2の基本方針、および利用者の希望に基づき作成されるものである。このため、指定居宅介護支援について利用者の主体的な参加が重要であり、居宅サービス計画の作成にあたって利用者から介護支援専門員に対して複数の指定居宅サービス事業者等の紹介を求めること等につき十分説明を行わなければならない。なお、この内容を利用申込者、またはその家族に説明を行うに当たっては、併せて、居宅サービス計画原案に位置付けた居宅サービス事業者等の選定理由の説明を求めることが可能であることにつき説明を行うとともに理解が得られるよう、文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うことや、それを理解したことについて利用申込者から署名を得ることが望ましい。
 さらに、基準第1条の2の基本方針に基づき、居宅介護支援の提供にあたっては、利用者の意思、および人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類、または特定の居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行わなければならないこと等を踏まえ、前6月間に当該居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護(以下、訪問介護等)がそれぞれ位置付けられた居宅サービス計画の数が占める割合、前6月間に当該居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた訪問介護等ごとの回数のうちに同一の居宅サービス事業者、または地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合(上位3位まで)等につき十分説明を行い、理解を得るよう努めなければならない。(略)

居宅介護支援の基本取扱方針および具体的取扱方針

(略)
③身体的拘束等の原則禁止や身体的拘束等を行う場合の記録(第2の2号及び第2の3号)
 基準第13条第2の2号及び第2の3号は、当該利用者、または他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その態様および時間、その際の利用者の心身の状況、ならびに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
 また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、および一時性の3つの要件を満たすことについて、組織としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。

 なお、基準省令第29条第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

④~⑬ (略)

⑭モニタリングの実施(第14号)
 介護支援専門員は、モニタリングに当たっては、居宅サービス計画の作成後においても、利用者、およびその家族、主治の医師、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、当該居宅サービス事業者等の担当者との連携により、モニタリングが行われている場合においても、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回は利用者と面接を行い、かつ、少なくとも1月に1回はモニタリングの結果を記録することが必要である。また、面接は、原則、利用者の居宅を訪問することにより行うこととする。
 ただし、基準第13条第14号ロ(1)および(2)の要件を満たしている場合であって、少なくとも2月に1回利用者の居宅を訪問し、面接するときは、利用者の居宅を訪問しない月においては、テレビ電話装置等を活用して面接を行うことができる。なお、テレビ電話装置等を活用して面接を行う場合においても、利用者の状況に変化が認められた場合等においては、居宅を訪問することによる面接に切り替えることが適当である。また、テレビ電話装置等の活用に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

 テレビ電話装置等を活用して面接を行うに当たっては、以下のイからホに掲げる事項について留意する必要がある。

イ 文書により利用者の同意を得る必要があり、その際には、利用者に対し、テレビ電話装置等による面接のメリット及びデメリットを含め、具体的な実施方法(居宅への訪問は2月に1回であること等)を懇切丁寧に説明することが重要である。なお、利用者の認知機能が低下している場合など、同意を得ることが困難と考えられる利用者については、後述のロの要件の観点からも、テレビ電話装置等を活用した面接の対象者として想定されない。

ロ 利用者の心身の状況が安定していることを確認するに当たっては、主治の医師等による医学的な観点からの意見や、以下に例示する事項等も踏まえて、サービス担当者会議等において総合的に判断することが必要である。
・介護者の状況の変化が無いこと。
・住環境に変化が無いこと(住宅改修による手すり設置やトイレの改修等を含む)
・サービス(保険外サービスも含む)の利用状況に変更が無いこと

ハ テレビ電話装置等を活用して面接を行うに当たっては、利用者がテレビ電話装置等を介して、利用者の居宅において対面で面接を行う場合と同程度の応対ができる必要がある。なお、テレビ電話装置等の操作については、必ずしも利用者自身で行う必要はなく、家族等の介助者が操作を行うことは差し支えない。

ニ テレビ電話装置等を活用して面接を行う場合、画面越しでは確認できない利用者の健康状態や住環境等の情報については、サービス事業所の担当者からの情報提供により補完する必要がある。この点について、サービス事業所の担当者の同意を得るとともに、サービス事業所の担当者の過度な負担とならないよう、情報収集を依頼する項目や情報量については留意が必要である。なお、サービス事業所の担当者に情報収集を依頼するにあたっては、別途通知する「情報連携シート」を参考にされたい。

ホ 主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得る方法としては、サービス担当者会議のほか、利用者の通院や訪問診療への立会時における主治の医師への意見照会や、サービス事業所の担当者との日頃の連絡調整の際の意見照会も想定されるが、いずれの場合においても、合意に至るまでの過程を記録しておくことが必要である。
また、「特段の事情」とは、利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接することができない場合を主として指すものであり、介護支援専門員に起因する事情は含まれない。
 さらに、当該特段の事情がある場合については、その具体的な内容を記録しておくことが必要である。なお、基準第29条第2項の規定に基づき、モニタリングの結果の記録は、2年間保存しなければならない。
㉑主治の医師等の意見等(第19号・第19号の2・第20号)
 訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導、短期入所療養介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護サービスを利用する場合に限る)、および看護小規模多機能型居宅介護(訪問看護サービスを利用する場合に限る)については、主治の医師等がその必要性を認めたものに限られるものであることから、介護支援専門員は、これらの医療サービスを居宅サービス計画に位置付ける場合にあっては主治の医師等の指示があることを確認しなければならない。
 このため、利用者がこれらの医療サービスを希望している場合その他必要な場合には、介護支援専門員は、あらかじめ、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めるとともに、主治の医師等とのより円滑な連携に資するよう、当該意見を踏まえて作成した居宅サービス計画については、意見を求めた主治の医師等に交付しなければならない。なお、交付の方法については、対面のほか、郵送やメール等によることも差し支えない。また、ここで意見を求める「主治の医師等」については、要介護認定の申請のために主治医意見書を記載した医師に限定されないことに留意すること。特に、訪問リハビリテーションおよび通所リハビリテーションについては、医療機関からの退院患者において、退院後のリハビリテーションの早期開始を推進する観点から、入院中の医療機関の医師による意見を踏まえて、速やかに医療サービスを含む居宅サービス計画を作成することが望ましい。
 なお、医療サービス以外の居宅サービス等を居宅サービス計画に位置付ける場合にあって、当該居宅サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、介護支援専門員は、当該留意点を尊重して居宅介護支援を行うものとする。

㉓福祉用具貸与および特定福祉用具販売の居宅サービス計画への反映(第22号・第23号)
(略)
 さらに、選択制の対象福祉用具を居宅サービス計画に位置づける場合には、福祉用具の適時適切な利用、および利用者の安全を確保する観点から、基準第13条第5号の規定に基づき、福祉用具貸与、または特定福祉用具販売のいずれかを利用者が選択できることや、それぞれのメリットおよびデメリット等、利用者の選択に資するよう、必要な情報を提供しなければならない。なお、対象福祉用具の提案を行う際、利用者の心身の状況の確認に当たっては、利用者へのアセスメントの結果に加え、医師やリハビリテーション専門職等からの意見聴取、退院・退所前カンファレンス、またはサービス担当者会議等の結果を踏まえることとし、医師の所見を取得する具体的な方法は、主治医意見書による方法のほか、診療情報提供書、または医師から所見を聴取する方法が考えられる。
 なお、福祉用具貸与については、居宅サービス計画作成後必要に応じて随時サービス担当者会議を開催して、利用者が継続して福祉用具貸与を受ける必要性について専門的意見を聴取するとともに検証し、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合には、その理由を再び居宅サービス計画に記載しなければならない。なお、対象福祉用具の場合については、福祉用具専門相談員によるモニタリングの結果も踏まえること。​(略)

管理者の責務

 居宅介護支援事業所の管理者は、介護保険法の基本理念を踏まえた利用者本位の居宅介護支援の提供を行うため、当該居宅介護支援事業所の介護支援専門員等の管理、利用申込みに係る調整、業務の実施状況の把握等を一元的に行うとともに、職員に指定基準の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行う必要がある。また、管理者は、日頃から業務が適正に執行されているか把握するとともに、従業者の資質向上や健康管理等、ワーク・ライフ・バランスの取れた働きやすい職場環境を醸成していくことが重要である。

業務継続計画の策定等

① (略)
②業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。なお、各項目の記載内容については、「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」および「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症、および災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。さらに、感染症に係る業務継続計画並びに感染症の予防およびまん延の防止のための指針については、それぞれに対応する項目を適切に設定している場合には、一体的に策定することとして差し支えない。

感染症の予防およびまん延の防止のための措置

(略)
イ 感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会
 当該事業所における感染症の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会であり、感染対策の知識を有する者を含む、幅広い職種により構成することが望ましく、特に、感染症対策の知識を有する者については外部の者も含め積極的に参画を得ることが望ましい。構成メンバーの責任、および役割分担を明確にするとともに、感染対策担当者を決めておくことが必要である。なお、同一事業所内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、利用者や事業所の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※)身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生、再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生、再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

掲示

①基準第22条第1項は、基準第4条の規定により居宅介護支援の提供開始時に運営規程の概要、介護支援専門員の勤務の体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を利用申込者、およびその家族に対して説明を行った上で同意を得ることとしていることに加え、居宅介護支援事業所への当該重要事項の掲示を義務づけることにより、サービス提供が開始された後、継続的にサービスが行われている段階においても利用者の保護を図る趣旨である。また、基準第22条第3項は、居宅介護支援事業者は、原則として、重要事項を当該居宅介護支援事業者のウェブサイトに掲載することを規定したものであるが、ウェブサイトとは、法人のホームページ等、または介護サービス情報公表システムのことをいう。なお、居宅介護支援事業者は、重要事項の掲示およびウェブサイトへの掲載を行うにあたり、次に掲げる点に留意する必要がある。

イ・ロ (略)

ハ 介護保険法施行規則第140条の44各号に掲げる基準に該当する居宅介護支援事業所については、介護サービス情報制度における報告義務の対象ではないことから、基準省令第22条第3項の規定によるウェブサイトへの掲載は行うことが望ましいこと。なお、ウェブサイトへの掲載を行わない場合も、同条第1項の規定による掲示は行う必要があるが、これを同条第2項や基準省令第31条第1項の規定に基づく措置に代えることができること。

苦情処理

①~③ (略)
④なお、指定居宅介護支援事業者は、当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、相談窓口の連絡先、苦情処理の体制及び手順等を利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載するとともに、事業所に掲示し、かつ、ウェブサイトに掲載するべきものである。なお、ウェブサイトへの掲載に関する取扱いは、「掲示」の①に準ずるものとする。

虐待の防止

(略)
④虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者(第4号)居宅介護支援事業所における虐待を防止するための体制として、①から③までに掲げる措置を適切に実施するため、担当者を置くことが必要である。当該担当者としては、虐待防止検討委員会の責任者と同一の従業者が務めることが望ましい。なお、同一事業所内での複数担当(※)の兼務や他の事業所・施設等との担当(※)の兼務については、担当者としての職務に支障がなければ差し支えない。ただし、日常的に兼務先の各事業所内の業務に従事しており、利用者や事業所の状況を適切に把握している者など、各担当者としての職務を遂行する上で支障がないと考えられる者を選任すること。

(※) 身体的拘束等適正化担当者、褥瘡予防対策担当者(看護師が望ましい)、感染対策担当者(看護師が望ましい)、事故の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者、虐待の発生・再発を防止するための措置を適切に実施するための担当者

報酬

居宅介護支援の業務が適切に行われない場合

(4)居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(以下「モニタリング」)に当たっては、次の場合に減算されるものであること。

①当該事業所の介護支援専門員が次に掲げるいずれかの方法により、利用者に面接していない場合には、特段の事情のない限り、その月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。
イ 1月に1回、利用者の居宅を訪問することによって行う方法。

ロ 次のいずれにも該当する場合であって、2月に1回、利用者の居宅を訪問し、利用者の居宅を訪問しない月においては、テレビ電話装置等を活用して行う方法。
a テレビ電話装置等を活用して面接を行うことについて、文書により利用者の同意を得ていること。
b サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ていること。
(ⅰ) 利用者の心身の状況が安定していること。
(ⅱ) 利用者がテレビ電話装置等を活用して意思疎通を行うことができること。
(ⅲ) 介護支援専門員が、テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは把握できない情報について、担当者から提供を受けること。

基本単位の取扱いについて

(2)ケアプランデータ連携システムの活用
 「公益社団法人国民健康保険中央会が運用・管理を行う居宅介護支援事業者、および居宅サービス事業者等の使用に係る電子計算機と接続された居宅サービス計画の情報の共有等のための情報処理システム」は、いわゆる「ケアプランデータ連携システム」を指しており、ケアプランデータ連携システムの利用申請をし、クライアントソフトをインストールしている場合に当該要件を満たしていることとなり、当該システムによる他の居宅サービス事業者とのデータ連携の実績は問わない。

(3)事務職員の配置
 事務職員は、当該事業所の介護支援専門員が行う居宅介護支援等基準第13条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員とするが、その勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。なお、当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められる。勤務時間数については特段の定めを設けていないが、当該事業所における業務の実情を踏まえ、適切な数の人員を配置する必要がある。

(4)居宅介護支援費の割り当て
 居宅介護支援費(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)の利用者ごとの割り当てに当たっては、利用者の契約日が古いものから順に、1件目から44件目(常勤換算方法で1を超える数の介護支援専門員がいる場合には、45 にその数を乗じた数から1を減じた件数<小数点以下の端数が生じる場合にあっては、その端数を切り捨てた件数>まで)については居宅介護支援費(ⅰ)を算定し、45件目(常勤換算方法で1を超える数の介護支援専門員がいる場合には、45 にその数を乗じた件数)以降については、取扱件数に応じ、それぞれ居宅介護支援費(ⅱ)、または(ⅲ)を算定すること。
 ただし、居宅介護支援費(Ⅱ)を算定する場合は、「44件目」を「49件目」と、「45」を「50」と読み替える。

高齢者虐待防止措置未実施減算について

 高齢者虐待防止措置未実施減算については、事業所において高齢者虐待が発生した場合ではなく、居宅介護支援等基準第27条の2に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していない、高齢者虐待防止のための指針を整備していない、高齢者虐待防止のための年1回以上の研修を実施していない、または高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を市町村長に提出した後、事実が生じた月から三月後に改善計画に基づく改善状況を市町村長に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。

業務継続計画未策定減算について

 業務継続計画未策定減算については、居宅介護支援等基準第十九条の二第一項に規定する基準を満たさない事実が生じた場合に、その翌月(基準を満たさない事実が生じた日が月の初日である場合は当該月)から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の利用者全員について、所定単位数から減算することとする。なお、経過措置として、2025年3月31日までの間、当該減算は適用しないが、義務となっていることを踏まえ、速やかに作成すること。

「同一敷地内建物等」に居住する利用者に対する取扱い

 居宅介護支援事業所と同一の敷地内、もしくは隣接する敷地内の建物、もしくは居宅介護支援事業所と同一の建物(以下、「同一敷地内建物等」)に居住する利用者、または居宅介護支援事業所における1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物(同一敷地内建物等を除く)に居住する利用者に対する取扱い

(1) 同一敷地内建物等の定義
 「同一敷地内建物等」とは、当該指定居宅介護支援事業所と構造上、または外形上、一体的な建築物及び同一敷地内、ならびに隣接する敷地(当該居宅介護支援事業所と建築物が道路等を挟んで設置している場合を含む)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指すものである。具体的には、一体的な建築物として、当該建物の1階部分に居宅介護支援事業所がある場合や当該建物と渡り廊下でつながっている場合など、同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物として、同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当するものであること。

(2) 同一の建物に20人以上居住する建物(同一敷地内建物等を除く)の定義
① 「指定居宅介護支援事業所における1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物」とは、(1)に該当するもの以外の建築物を指すものであり、当該建築物に当該居宅介護支援事業所の利用者が20人以上居住する場合に該当し、同一敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数を合算するものではない。
② この場合の利用者数は、当該月において当該居宅介護支援事業者が提出した給付管理票に係る利用者のうち、該当する建物に居住する利用者の合計とする。

(3) 本取扱いは、指定居宅介護支援事業所と建築物の位置関係により、効率的な居宅介護支援の提供が可能であることを適切に評価する趣旨であることに鑑み、本取扱いの適用については、位置関係のみをもって判断することがないよう留意すること。具体的には、次のような場合を一例として、居宅介護支援の提供の効率化につながらない場合には、減算を適用すべきではないこと。
(同一敷地内建物等に該当しないものの例)
・ 同一敷地であっても、広大な敷地に複数の建物が点在する場合
・ 隣接する敷地であっても、道路や河川などに敷地が隔てられており、横断するために迂回しなければならない場合

(4) (1)(2)のいずれの場合においても、同一の建物については、当該建築物の管理、運営法人が当該居宅介護支援事業者と異なる場合であっても該当するものであること。

特定事業所加算について

(3)厚生労働大臣の定める基準の具体的運用方針
 大臣基準告示第84号に規定する各要件の取扱については、次に定めるところによること。

① (1)関係
常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、当該居宅介護支援事業所の他の職務と兼務をし、または同一敷地内にある他の事業所の職務と兼務をしても差し支えないものとする。なお、「当該居宅介護支援事業所の他の職務」とは、地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者からの委託を受けて介護予防支援を提供する場合や、地域包括支援センターの設置者からの委託を受けて総合相談援事業を行う場合等が考えられる。

② (2)関係
 常勤かつ専従の介護支援専門員については、当該居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、当該居宅介護支援事業所の他の職務と兼務をし、または同一敷地内にある介護予防支援事業所(当該居宅介護支援事業者が指定介護予防支援の指定を受けている場合に限る)の職務と兼務をしても差し支えないものとする。なお、「当該指定居宅介護支援事業所の他の職務」とは、地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者からの委託を受けて介護予防支援を提供する場合や、地域包括支援センターの設置者からの委託を受けて総合相談支援事業を行う場合等が考えられる。
 また、
常勤かつ専従の介護支援専門員3名とは別に、主任介護支援専門員2名を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員2名および介護支援専門員3名の合計5名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

③~⑦ (略)

⑧ (8)関係
 多様化・複雑化する課題に対応するために、家族に対する介護等を日常的に行っている児童、障害者、生活困窮者、難病患者等、介護保険以外の制度や当該制度の対象者への支援に関する事例検討会、研修等に参加していること。なお、「家族に対する介護等を日常的に行っている児童」とは、いわゆるヤングケアラーのことを指している。また、対象となる事例検討会、研修等については、上記に例示するもののほか、仕事と介護の両立支援制度や生活保護制度等も考えられるが、利用者に対するケアマネジメントを行う上で必要な知識・技術を修得するためのものであれば差し支えない。

⑨ (略)

⑩ (10)関係
 取り扱う利用者数については、原則として事業所単位で平均して介護支援専門員1名当たり45名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)であれば差し支えないこととするが、ただし、不当に特定の者に偏るなど、適切なケアマネジメントに支障がでることがないよう配慮しなければならないこと。

⑪~⑬ (略)

⑭ 特定事業所加算(Ⅱ)について
 常勤かつ専従の主任介護支援専門員、および介護支援専門員については、当該居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、当該居宅介護支援事業所の他の職務と兼務をし、または同一敷地内にある他の事業所の職務(介護支援専門員<主任介護支援専門員を除く>の場合には介護予防支援事業所の職務に限る)を兼務しても差し支えないものとする。なお、「当該居宅介護支援事業所の他の職務」とは、地域包括支援センターの設置者である介護予防支援事業者からの委託を受けて介護予防支援を提供する場合や、地域包括支援センターの設置者からの委託を受けて総合相談支援事業を行う場合等が考えられる。また、常勤かつ専従の介護支援専門員3名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員および介護支援専門員3名の合計4名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

⑮ 特定事業所加算(Ⅲ)について
 常勤かつ専従の主任介護支援専門員、および介護支援専門員については、当該居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、当該居宅介護支援事業所の他の職務と兼務をし、または同一敷地内にある他の事業所の職務(介護支援専門員<主任介護支援専門員を除く>の場合にあっては、介護予防支援事業所の職務に限る)を兼務しても差し支えないものとする。なお、「当該居宅介護支援事業所の他の職務」とは、地域包括支援センターの設置者である介護予防支援事業者からの委託を受けて介護予防支援を提供する場合や、地域包括支援センターの設置者からの委託を受けて総合相談支援事業を行う場合等が考えられる。また、常勤かつ専従の介護支援専門員2名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員、および介護支援専門員2名の合計3名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

⑯ 特定事業所加算(A)について
 常勤かつ専従の主任介護支援専門員、および介護支援専門員、ならびに常勤換算方法で1の介護支援専門員については、当該居宅介護支援事業所の業務に支障がない場合は、当該居宅介護支援事業所の他の職務と兼務をし、または同一敷地内にある他の事業所(介護支援専門員援事業所の職務に限る)の職務を兼務しても差し支えないものとする。なお、「当該居宅介護支援事業所の他の職務」とは、地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者からの委託を受けて介護予防支援を提供する場合や、地域包括支援センターの設置者からの委託を受けて総合相談支援事業を行う場合等が考えられる。(略)

特定事業所医療介護連携加算について

(1)(略)
(2)具体的運用方針
ア (略)

イ ターミナルケアマネジメント加算の算定実績について
 ターミナルケアマネジメント加算の算定実績に係る要件は、特定事業所医療介護連携加算を算定する年度の前々年度の3月から前年度の2月までの間において、算定回数が15 回以上の場合に要件をみたすこととなる。なお、経過措置として、2025年3月31日までの間は、従前のとおり算定回数が5回以上の場合に要件を満たすこととし、同年4月1日から2026年3月31日までの間は、2024年3月におけるターミナルケアマネジメント加算の算定回数に3を乗じた数に2024年4月から2025年2月までの間におけるターミナルケアマネジメント加算の算定回数を加えた数が15以上である場合に要件を満たすこととするため留意すること。

入院時情報連携加算について

(1)(略)

(2)入院時情報連携加算(Ⅰ)
 利用者が入院した日のうちに、医療機関の職員に対して必要な情報を提供した場合に所定単位数を算定する。なお、入院日以前に情報提供した場合、および居宅介護支援事業所における運営規程に定める営業時間終了後、または営業日以外の日に入院した場合であって、当該入院日の翌日に情報を提供した場合も、算定可能である。

(3)入院時情報連携加算(Ⅱ)
 利用者が入院日の翌日、または翌々日に、医療機関の職員に対して必要な情報を提供した場合に所定単位数を算定する。なお、運営規程に定める当該居宅介護支援事業所の営業時間終了後に入院した場合であって、当該入院日から起算して3日目が運営規程に定める当該居宅介護支援事業所の営業日以外の日に当たるときは、当該営業日以外の日の翌日に情報を提供した場合も、算定可能である。

通院時情報連携加算について

 当該加算は、利用者が医師または歯科医師の診察を受ける際に同席し、医師または歯科医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師または歯科医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた上で、居宅サービス計画等に記録した場合に、算定を行うものである。なお、同席にあたっては、利用者の同意を得た上で、医師または歯科医師等と連携を行うこと。

ターミナルケアマネジメント加算について

(1)・(2) (略)

(3)ターミナルケアマネジメントを受けることについて利用者、またはその家族が同意した時点以降は、次に掲げる事項を支援経過として居宅サービス計画等に記録しなければならない。
①・② (略)
③ 当該利用者が、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した者に該当することを確認した日およびその方法

(4) (略)

(5)ターミナルケアマネジメントにあたっては、終末期における医療・ケアの方針に関する利用者、または家族の意向を把握する必要がある。また、その際には、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針が実施できるよう、多職種が連携し、本人、およびその家族と必要な情報の共有等に努めること。

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