介護報酬単価

短期入所療養介護 2024年度介護報酬改定 留意事項

短期入所療養介護 2024年度介護報酬改定 留意事項

※改定部分のみ抜粋しています。
〇運営に関する基準
・短期入所療養介護の取扱方針(居宅基準第146条)
〇報酬
・介護老人保健施設における短期入所療養介護
・総合医学管理加算
・介護医療院における短期入所療養介護
・身体拘束廃止未実施減算について
・高齢者虐待防止措置未実施減算について
・業務継続計画未策定減算について
・室料相当額控除について
・口腔連携強化加算について
・生産性向上推進体制加算について
・介護職員等処遇改善加算について

運営に関する基準

短期入所療養介護の取扱方針(居宅基準第146条)

②指定短期入所療養介護事業者は、居宅基準第 154 条の2第2項の規定に基づき、身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録し、2年間保存しなければならないこととしたものである。
 また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性および一時性の3つの要件を満たすことについて、組織等としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。なお、当該記録は主治医が診療録に行わなければならないものとする。

③居宅基準第146条第6項第1号の「身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」とは、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会であり、委員会の構成メンバーは、事業所の管理者、および従業者より構成する場合のほか、これらの職員に加えて、第三者や専門家を活用した構成とすることが望ましく、その方策として、精神科専門医等の専門医の活用等も考えられる。また、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。
 また、身体的拘束等適正化検討委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。短期入所療養介護事業者が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体的拘束等の適正化について、施設全体で情報共有し、今後の再発防止につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。具体的には、次のようなことを想定している。
イ 身体的拘束等について報告するための様式を整備すること。
ロ 介護従業者その他の従業者は、身体的拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、イの様式に従い、身体的拘束等について報告すること。
ハ 身体的拘束等適正化検討委員会において、ロにより報告された事例を集計し、分析すること。
ニ 事例の分析に当たっては、身体的拘束等の発生時の状況等を分析し、身体的拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と適正化策を検討すること。
ホ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
へ 適正化策を講じた後に、その効果について評価すること。


④短期入所療養介護事業者が整備する「身体的拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
イ 事業所における身体的拘束等の適正化に関する基本的考え方
ロ 身体的拘束等適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
ハ 身体的拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
ニ 事業所内で発生した身体的拘束等の報告方法等のための方策に関する基本方針
ホ 身体的拘束等発生時の対応に関する基本方針
へ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
ト その他身体的拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針

⑤介護従業者、その他の従業者に対する身体的拘束等の適正化のための研修の内容としては、身体的拘束等の適正化の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定短期入所療養介護事業者における指針に基づき、適正化の徹底を行うものとする。職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該短期入所療養介護事業者が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず身体的拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、職員研修事業所内での研修で差し支えない。


⑥ (略)

報酬

介護老人保健施設における短期入所療養介護

②介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)の介護老人保健施設短期入所療養介護費(ⅰ)、(ⅲ)、またはユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(Ⅰ)のユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(ⅰ)、もしくは経過的ユニット型介護老人保健施設短期入所療養介護費(ⅰ)を算定する介護老人保健施設における短期入所療養介護について

イ~ロ (略)

ハ 当該介護老人保健施設における短期入所療養介護に係る施設基準について
a~f (略)
g 施設基準第14号イ(1)(ハ)Gの基準において、常勤換算方法で算定した支援相談員の数を入所者の数で除した数に百を乗じた数は、以下の式により計算すること。また、社会福祉士については、支援相談員として勤務する者のうち社会福祉士の資格を持つ者が1名以上であること。(略)

総合医学管理加算

①本加算は、居宅要介護者に対して、居宅サービス計画を担当する居宅介護支援事業所の介護支援専門員と連携し、利用者、または家族の同意の上、治療管理を目的として、短期入所療養介護事業所により短期入所療養介護が行われた場合に10日を限度として算定できる。

介護医療院における短期入所療養介護

②Ⅰ型介護医療院短期入所療養介護費(併設型小規模介護医療院以外の介護医療院が行う短期入所療養介護の場合)、またはユニット型Ⅰ型介護医療院短期入所療養介護費(併設型小規模ユニット型介護医療院以外のユニット型介護医療院が行う短期入所療養介護の場合)を算定するための基準について

イ~チ (略)

リ 施設基準第 14 号ヨ(1)(一)j、または施設基準第 14 号ヨ(2)(一)fの基準については、施設サービス計画の作成や提供にあたり、入所者本人が希望しない場合を除き、入所者全員に対して、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針が実施できるよう、職種が連携し、本人、およびその家族と必要な情報の共有等の支援を行うこと。

ヌ・ル (略)

身体拘束廃止未実施減算について

 身体拘束廃止未実施減算については、事業所において身体的拘束等が行われていた場合ではなく、居宅サービス基準第128条第5項の記録(同条第4項に規定する身体的拘束等を行う場合の記録)を行っていない場合および同条第6項に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。
 具体的には、記録を行っていない、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催していない、身体的拘束等の適正化のための指針を整備していない、または身体的拘束等の適正化のための定期的な研修を実施していない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。

高齢者虐待防止措置未実施減算について

 高齢者虐待防止措置未実施減算については、事業所において高齢者虐待が発生した場合ではなく、指定居宅サービス基準第140条(指定居宅サービス等基準第140条の13において準用する場合を含む)または第140の15 において準用する第37条の2に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。
 具体的には、高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していない、高齢者虐待防止のための指針を整備していない、高齢者虐待防止のための年1回以上の研修を実施していない、または高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。

業務継続計画未策定減算について

 業務継続計画未策定減算については、指定居宅サービス等基準第140条(指定居宅サービス等基準第140条の13 において準用する場合を含む)、または第140の15において準用する指定居宅サービス等基準第30条の2第1項に規定する基準を満たさない事実が生じた場合に、その翌月(基準を満たさない事実が生じた日が月の初日である場合は当該月)から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の利用者全員について、所定単位数から減算することとする。
 なお、経過措置として、2025年3月31日までの間、「感染症の予防及びまん延の防止のための指針」および非常災害に関する具体的計画を策定している場合には、当該減算は適用しないが、義務となっていることを踏まえ、速やかに作成すること。

室料相当額控除について

 介護老人保健施設が行う短期入所療養介護に係る室料相当額の控除については(1)を、介護医療院が行う短期入所療養介護に係る室料相当額の控除については(2)を準用する。

(1)2025年8月以降、次に掲げる要件に該当する場合、多床室の利用者に係る介護保健施設サービス費について、室料相当額を控除することとする。
①当該介護老人保健施設の療養室に係る床面積の合計を入所定員で除した数が8以上であること。なお、療養室に係る床面積の合計については、内法による測定とすること。
②2025年8月から2027年7月までの間は、2024年度において、介護保健施設サービス費(Ⅱ)、(Ⅲ)、または(Ⅳ)を算定した月が、介護保健施設サービス費(Ⅰ)を算定した月より多い、つまり7カ月以上であること。2027年8月以降は、算定日が属する計画期間の前の計画期間(算定日が計画期間の開始後4月以内の日である場合は、前の計画期間の前の計画期間)の最終年度において、介護保健施設サービス費(Ⅱ)、(Ⅲ)、または(Ⅳ)を算定した月が、介護保健施設サービス費(Ⅰ)を算定した月より多いこと。具体的には、2027年8月から2030年7月までの間は、2026年度において、介護保健施設サービス費(Ⅱ)、(Ⅲ)、または(Ⅳ)を算定した月が、介護保健施設サービス費(Ⅰ)を算定した月より多い、つまり7カ月以上であること。

(2)2025年8月以降、当該介護医療院の療養室に係る床面積の合計を入所定員で除した数が8以上である場合、多床室の利用者に係るⅡ型介護医療院サービス費、およびⅡ型特別介護医療院サービス費について、室料相当額を控除することとする。なお、療養室に係る床面積の合計については、内法による測定とすること。

口腔連携強化加算について

①口腔連携強化加算の算定に係る口腔の健康状態の評価は、利用者に対する適切な口腔管理につなげる観点から、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。

②口腔の健康状態の評価の実施にあたっては、必要に応じて、厚生労働大臣が定める基準における歯科医療機関(以下「連携歯科医療機関」)の歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に口腔の健康状態の評価の方法や在宅歯科医療の提供等について相談すること。なお、連携歯科医療機関は複数でも差し支えない。

③口腔の健康状態の評価をそれぞれ利用者について行い、評価した情報を歯科医療機関及び当該利用者を担当する介護支援専門員に対し、別紙様式11等により提供すること。

④歯科医療機関への情報提供にあたっては、利用者または家族等の意向及び当該利用者を担当する介護支援専門員の意見等を踏まえ、連携歯科医療機関・かかりつけ歯科医等のいずれか、または両方に情報提供を行うこと。

⑤口腔の健康状態の評価は、それぞれ次に掲げる確認を行うこと。ただし、トおよびチについては、利用者の状態に応じて確認可能な場合に限って評価を行うこと。
イ  開口の状態
ロ  歯の汚れの有無
ハ  舌の汚れの有無
ニ  歯肉の腫れ、出血の有無
ホ  左右両方の奥歯のかみ合わせの状態
ヘ  むせの有無
ト  ぶくぶくうがいの状態
チ  食物のため込み、残留の有無

⑥口腔の健康状態の評価を行うに当たっては、別途通知「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」および「入院(所)中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の確認に関する基本的な考え方」(2024年3月日本歯科医学会)等を参考にすること。

⑦口腔の健康状態によっては、主治医の対応を要する場合もあることから、必要に応じて介護支援専門員を通じて主治医にも情報提供等の適切な措置を講ずること。

⑧口腔連携強化加算の算定を行う事業所については、サービス担当者会議等を活用し決定することとし、原則として当該事業所が当該加算に基づく口腔の健康状態の評価を継続的に実施すること。

生産性向上推進体制加算について

介護職員等処遇改善加算について

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