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厚労省、感染・災害発生時の業務継続ガイドライン作成

厚労省、感染・災害発生時の業務継続ガイドライン作成

 厚生労働省は12月14日、「介護施設・事業所における業務継続ガイドライン」などを取りまとめ、全国の自治体宛に通達した。新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害などが発生した場合でも、介護サービスが安定的・継続的に提供される体制の整備を目指す。

 作成したのは、新型コロナウイルス感染症の業務継続ガイドライン、業務継続計画(BCP計画)のひな形、自然災害発生時の業務継続ガイドライン、業務継続計画のひな形の4種類。

 例えば、新型コロナウイルス感染症のガイドラインでは、入所系、通所系、訪問系それぞれに、BCPの作成、運用のポイントがまとめられている。以下にポイントを抜粋する。

<1>施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担、判断ができる体制の構築
 感染(疑い)者発生時の迅速な対応には、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築がポイントとなる。そのために、▽全体の意思決定者を決めておくこと▽各業務の担当者を決めておくこと(誰が、何をするか)▽関係者の連絡先▽連絡フローの整理――が重要。

<2>感染(疑い)者が発生した場合の対応
 感染(疑い)者発生時の対応について整理し、平時からシミュレーションを行うことが有用。

<3>職員確保
 新型コロナウイルス感染症では、職員が感染者や濃厚接触者となること等により職員が不足する場合がある。濃厚接触者とその他の入所者・利用者の介護等を行うに当たっては、可能な限り担当職員を分けることが望ましいが、職員が不足した場合、こうした対応が困難となり交差感染のリスクが高まることから、適切なケアの提供だけではなく、感染対策の観点からも職員の確保は重要。そのため、施設・事業所内・法人内における職員確保体制の検討、関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行うことが重要。

<4>業務の優先順位の整理
 職員が不足した場合は、感染防止対策を行いつつ、限られた職員でサービス提供を継続する必要があることも想定される。そのため、可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、業務の優先順位を整理しておくことが重要。

<5>計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練
 BCPは、作成するだけでは実効性があるとは言えない。危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、平時から研修、訓練(シミュレーション)を行う必要がある。また、最新の知見等を踏まえ、定期的に見直すことも重要。

 厚労省では、感染症や災害への対応力を強化するために、次期報酬改定で全ての介護サービスに感染症や災害に対する▽BCPの策定▽委員会の開催▽指針の整備▽研修の実施▽訓練の実施――を義務付ける。介護事業者は今回のガイドラインやひな形をもとに、3年の経過措置期間中に体制強化を図っていく必要がある。

資料
・ 新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン
・ 自然災害発生時の業務継続ガイドライン
・ BCPひな形のリンクページ

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