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ヤマハ発動機「JWG―1」 動力性能高めた電動ユニット1月発売

ヤマハ発動機「JWG―1」 動力性能高めた電動ユニット1月発売

ヤマハ発動機(静岡県磐田市、渡部克明社長)は来年1月に車いす用電動ユニット「JWG―1」を発売する。電動ユニットのフルモデルチェンジは約10年ぶりとなる。

 特に強化したのは動力性能で、車輪軸のトルク(回転させる力)を25.3Nmから50.1Nmに向上。耐荷重も125㎏から160㎏へ見直した。登坂力や走破性を高めると同時に、今後の海外展開も見据え、より体格の大きいユーザーにも対応できるようにした。

トルクを増強し、耐荷重も高めた

トルクを増強し、耐荷重も高めた

 自走用の手元操作部は、「操作中に画面が手で隠れて、表示が見えづらい」という声を元に、これまで液晶画面の前方にあったジョイスティックを後方へ移した。液晶は鮮明なフルカラー表示で視認性を高め、エラーコードで示していた警告案内も文字で表示するようにした。

 液晶画面を追加した介助者側操作部は、左右のハンドルのどちらにも取り付け可能。速度調整はボタン式からレバー式に変更し、操作の負担を軽減した。バッテリーは従来モデルより1㎏軽く、サイズもコンパクトに。
視認性と操作性を高めた自走操作部(左)と、左右どちらにも取り付けられる介助者側操作部

視認性と操作性を高めた自走操作部(左)と、左右どちらにも取り付けられる介助者側操作部

 国内での販売計画は年間5000台で、4月には欧州、9月には米国での販売も予定。現在、同社の電動ユニット(完成車含む)の出荷台数は、年間4000〜5000台で推移。うち約6割が補装具費支給、約4割が介護保険レンタル向けとなっている。従来モデル「JWX―1 PLUS+」などは、新機種発売後に順次廃番となる。
 
 自走タイプ(20、22、24インチ)とリクライニング/チルト向けタイプ(16インチ)を用意。価格は41万7120円〜(税込)。
 問合せは同社(☎0120・090・819)まで。

 ※ヤマハ発動機ウェブサイト:「JWG-1」発売のお知らせ

ヤマハ電動化ユニット「JWG -1」発売

今後はユニット提供に専念

 同社は10月末に開いた製品発表会で、電動ユニットを搭載した完成車の販売を来年3月で終え、電動ユニットや関連部品の開発・製造に専念することを発表。23年度は国内出荷のうち約4割が完成車だったが、今後は車いすメーカーへの電動ユニット供給へ一本化する。各社からフレームに組み込まれた完成車が提供される形となる。

 また今後、欧米など先進国を中心に海外展開も強化していくほか、同品の動力ユニットを応用し、物流・製造現場などのアシスト台車や無人搬送車など、福祉以外の分野への参入も視野に入れる。

(シルバー産業新聞2024年12月10日号)

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