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大島老健局長「集い 互い 知恵 地域づくりが基本」

大島老健局長「集い 互い 知恵 地域づくりが基本」

 厚生労働省は1月18日、全国の自治体幹部を集めた「全国厚生労働関係部局長会議」を開催し、2019年度に取り組む厚生労働行政の重点事項などを説明した。

 老健局では、介護保険制度の見直しのほか、▽介護現場の生産性向上▽保険者機能の強化▽認知症施策の推進――などに取り組むことが説明された。

 冒頭の挨拶で大島一博老健局長は、次期介護保険制度改正に向け、「今年1年は介護保険の見直し作業に入る年」と説明。「①人手不足②認知症③制度の持続可能性などの課題に応えるものでなければならい」と、制度見直しのポイントを挙げた。さらにその前提になるのが、「地域づくり」だと強調し、各自治体の地域づくりを後押ししていく考えを述べた。具体的には、老健局として市町村が地域づくりに取り組むための手引書を作成する考えを説明した。

 大島局長によると、手引書は「①集い」「②互い」「③知恵」の3部作。「①集い」では、徒歩10分圏内に高齢者が集まる「通いの場」の設置を推奨していく。「②互い」は住民互助で、認知症サポーターを活用し、制度的に互助の仕組みを広げていく考え。「③知恵」は、医療・介護の専門職が連携して、住民課題を解決するネットワークを構築していくイメージだと説明した。3月に開かれる全国介護保険担当課長会議で公表し、4月以降、老健局の職員が全国を行脚して説明していくとした。

 介護保険以外の重点項目では、介護現場の生産性向上策について説明。今年度中に作成される「生産性向上ガイドライン」に基づいて業務改善に取り組む介護事業所に対し、第三者がその取り組みを支援するための費用を助成する事業や、介護分野のICT化を進めるために、介護ソフトやタブレット端末を購入する費用の一部を助成する事業などを新たに創設する考えを説明した。

 保険者機能の強化では、自立支援や重度化予防に取り組む自治体に対して、評価を行い、達成度合いなどに応じて交付金を支払う「保険者機能推進交付金」について、2019年度は1月中に新たな評価指標を発出し、7月には内示が出されるスケジュールを示した。 このほか、認知症施策の推進では、国を挙げた取り組みを進めていくために、推進体制をこれまでの関係省庁連絡会から、内閣官房長官を議長に据えた閣僚級の「認知症施策閣僚会議」に格上げする。5月頃までに関係省庁内で認知症に対して必要となる施策を取りまとめ、大綱を策定し、それを政府方針に反映させていく考えが説明された。

(シルバー産業新聞2019年2月10日号)

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