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小規模多機能連絡会 「配置基準3対1に」
登録者に応じた人員配置を主張 2016年度介護事業経営概況調査によると、15年の介護報酬改定前後の比較で小規模多機能型居宅介護の収支差率は5.2%から5.4%へと0.2ポイント上昇した。全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会の川原秀夫代表は、「登録定員の引き上げの影響ではないか」と分析する。
登録者に応じた人員配置を主張
前回の改定では、登録定員が25人から29人に引き上げられた。その結果として、一部の事業者で利用者増、経営改善に繋がったと指摘する。
「しかし、全体を見渡すと3割以上の事業者は赤字経営で苦しい状況が続いている」とし、川原代表は「働き手不足」をその要因に挙げる。「利用者が増えれば、当然経営は安定するが、人手不足でそもそも利用者を新たに受け入れられない」と指摘する。実際、15年に実施された調査ではおよそ4割の小規模多機能事業所が「職員が足りていない」と回答している。
川原代表は人員配置の見直しの必要性を強調する。現行の基準では、日中は通いの利用者3人に1人、訪問で1人と、それぞれに配置が求められる。これを登録者3人に1人とすることで、新規利用者の受け入れが可能になると同連絡会は主張している。
また前回の改定では、積極的な訪問の提供を評価する「訪問体制強化加算」が新設されたが、算定割合は27%にとどまっている。「事業所全体での柔軟な配置を認めることで、訪問にもより力を注ぐことができる」(川原代表)。
同連絡会では、看護の「外付け」も求めていく考えだ。現在、看護職員は事業所に必置となっているが、「看護師が辞めた途端、稼働できなくなるなど運営上の大きなリスクを抱えている」と川原代表は指摘する。次期介護報酬改定を議論する介護給付費分科会でも、小規模多機能や看多機での看護職員の雇用の難しさが提起され、その対応が論点に挙げられている。
同連絡会では訪問看護ステーションと十分な連携が確保されていれば看護職を置かなくてもよい類型も認められるよう要望していく。
また介護給付費分科会では居宅介護支援事業所のケアマネジャーが小規模多機能のサービス計画を作成した場合の取り扱いも議題となっている。
これについて川原代表は、「事業所内のケアマネでないと小規模多機能の柔軟なサービス計画の作成は難しい。前回の改定でも議論されたが、こうした結論に至ったはずだ」と強調し、現行の仕組みの維持を主張している。「介護給付費分科会でのヒアリングまでに団体としての主張をしっかりと検討する」(川原代表)
(シルバー産業新聞2017年6月10日号)
「しかし、全体を見渡すと3割以上の事業者は赤字経営で苦しい状況が続いている」とし、川原代表は「働き手不足」をその要因に挙げる。「利用者が増えれば、当然経営は安定するが、人手不足でそもそも利用者を新たに受け入れられない」と指摘する。実際、15年に実施された調査ではおよそ4割の小規模多機能事業所が「職員が足りていない」と回答している。
川原代表は人員配置の見直しの必要性を強調する。現行の基準では、日中は通いの利用者3人に1人、訪問で1人と、それぞれに配置が求められる。これを登録者3人に1人とすることで、新規利用者の受け入れが可能になると同連絡会は主張している。
また前回の改定では、積極的な訪問の提供を評価する「訪問体制強化加算」が新設されたが、算定割合は27%にとどまっている。「事業所全体での柔軟な配置を認めることで、訪問にもより力を注ぐことができる」(川原代表)。
同連絡会では、看護の「外付け」も求めていく考えだ。現在、看護職員は事業所に必置となっているが、「看護師が辞めた途端、稼働できなくなるなど運営上の大きなリスクを抱えている」と川原代表は指摘する。次期介護報酬改定を議論する介護給付費分科会でも、小規模多機能や看多機での看護職員の雇用の難しさが提起され、その対応が論点に挙げられている。
同連絡会では訪問看護ステーションと十分な連携が確保されていれば看護職を置かなくてもよい類型も認められるよう要望していく。
また介護給付費分科会では居宅介護支援事業所のケアマネジャーが小規模多機能のサービス計画を作成した場合の取り扱いも議題となっている。
これについて川原代表は、「事業所内のケアマネでないと小規模多機能の柔軟なサービス計画の作成は難しい。前回の改定でも議論されたが、こうした結論に至ったはずだ」と強調し、現行の仕組みの維持を主張している。「介護給付費分科会でのヒアリングまでに団体としての主張をしっかりと検討する」(川原代表)
(シルバー産業新聞2017年6月10日号)