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介護施設の協力医療機関 緊急時の相談・入院受入れ義務化

介護施設の協力医療機関 緊急時の相談・入院受入れ義務化

 厚生労働省は11月16日の社会保障審議会介護給付費分科会で施設・居住系サービスの次期改定案を提示した。医療機関との連携では急変時の相談・往診体制の充実、適切な入院へつなげる観点から、協力医療機関に対し①入所者の急変時等に医師または看護職員が夜間・休日を含め相談対応する体制の確保②診療の求めを受け、夜間・休日を含め診療が可能な体制の確保③当該施設で療養を行う患者が緊急時に原則入院できる体制の確保――を求めることとした。1年間の経過期間を設ける。複数の医療機関で満たすのも可。特定施設とグループホームは①、②を努力義務に位置づける。

 現状、協力医療機関との連携内容は様々であり、例えば特養では「診療(外来)の受入れ」の実施割合が78.8%で最も高く、次いで「入院の受入れ(後方支援ベッド)」が60.6%。対して「緊急の場合の対応(配置医師に変わりオンコール対応)」は17.4%にとどまる。

 また、老健で急変時の協力医療機関の対応について「外来受診を受けてくれる」と回答した割合は、平日・日中の場合86.7%ある一方、夜間・休日は59.8%。「往診に来てくれる」は曜日・時間帯に関わらず14%前後だった。

 ①~③の連携強化策に加え、特養に関しては入所者への医療提供体制を確保する観点から、配置医師の対応が困難な場合の緊急時対応について施設・配置医師・協力医療機関が役割分担等を協議し、その内容を運営基準で定める「緊急時等対応マニュアル」へ反映。1年に1回程度の見直しを行う案も盛り込んだ。

 配置医師が施設の求めに応じ入所者へ診療を行った場合に算定できる「配置医師緊急時対応加算」は現行、早朝・夜間(1回650単位)または深夜(1回1300単位)のみ対象だが、今回の方向性を踏まえ、日中の勤務時間外に同様の対応を行った場合も報酬評価を設けるとした。

透析患者の送迎コストを加味

 このほか、特養の論点に挙がったのは透析が必要な入所者の送迎、付添介助等の負担。現行では「日常生活上の健康管理」として基本サービスに含まれるが、これを別途報酬で評価する。

 対象は定期的・継続的な透析が必要な入所者で、かつ家族や病院等による送迎が困難などやむを得ない事由がある場合。施設職員が一定回数以上の送迎を行うことを要件とする。

 同省によると7割以上の特養で、日常的な観察・送迎を要する透析患者の受入れを断る方針があるとのこと。

 実際、医療処置が必要な入所者の割合を処置別でみると、透析はわずか0.2%。多いのは「尿道カテーテルの管理」(4.6%)、「たんの吸引」(4.3%)となっている。

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