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イチロウ 保険外サービスの訪問介護

イチロウ 保険外サービスの訪問介護

 2017年に設立したイチロウ(東京都千代田区、水野友喜社長)は保険外の訪問介護サービスを関東、東海、大阪などで展開している。介護保険では対応しづらい早朝・夜間・深夜帯や長時間利用、通院付き添いのニーズが高く、保険サービスと併用したスポット・定期利用が多い。

 水野社長は「例えば、デイ利用日に家族が朝早く出なくてはならないときや帰りが遅くなるとき、利用開始前・終了後の時間を埋められる。そうすることで、家族もフルタイムで働きやすくなる」と説明。家族介護者の課題である「仕事と介護の両立」へアプローチすることに同サービスの価値があると語る。

 利用料金は関東、大阪で9~18時の場合、1時間3190円(税込)+交通費600円。ヘルパー指名は1時間330円が上乗せとなる(定期利用は無料)。予約制で、最短で2時間後からの利用予約も可能(料金は割増)。

ミスマッチを回避する独自評価システム

 利用者は初回登録時に要介護度やADL、生活環境など必要な情報を登録。大半が介護保険サービス利用中であり、ケアマネジャーが代行するケースが多いそうだ。

 サービスの依頼が入ると、登録しているヘルパーへ求人のような形で案内が届く。ヘルパーはアプリ上で確認、応募。採用は先着順ではなく、水野社長自らが開発した評価システムを用いてマッチングの最適化を行う。

 利用者は心身状態から介護の難易度を段階表示。ヘルパーは介助の種類別スキルに加え、独自の適性検査をもとに主体性、協調性といった項目を指標化する。「利用者のアンケート結果を見ても、協調性や対人調和が高い人は利用者から好まれる傾向が高い」と水野氏。「感覚的に行っていたものをシステム・自動化し間接コストを削減することで、利用料抑制やヘルパーの時給に還元している」と話す。

 サービス提供後は実施内容や、心身状態など変更が必要な情報を担当ケアマネジャーにレポート報告することも可能。「仕事と介護の両立はケアマネジャーがキーパーソン。しかし『保険外はお金持ちが利用するもの』とのイメージも根強い。保険との併用など、サービスの実態を周知していきたい」(水野氏)。

新たな働き方にも

 ヘルパーは初任者研修以上が登録条件。4月現在約5000人、月100人ペースで増えている。8割が介護保険サービス事業所に所属しながらすきま時間で兼業。水野氏は「選ばれる一番の理由は時給。より価値の高い働き方として紹介登録も多い」と話す。

 「ヘルパー不足が叫ばれる中、職員個々では兼業の時間が確保できている。待機、移動など無駄な時間が生じていないか。ここを分析すれば、訪問系で生産性を高めるビジネスモデルを創出できる。やがては保険サービス事業所にも提供していきたい」。

 今年度はエリア拡大し、兵庫、京都、福岡、広島、札幌で職員登録を開始する見込み。

 サービスの問合せは同社(TEL0120・774・616)まで。
(シルバー産業新聞2024年5月10日号)

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