ニュース

日本介護支援専門員協会 国家資格化など提案

日本介護支援専門員協会 国家資格化など提案

 厚生労働省は2012年5月31日、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(座長・田中滋=慶應義塾大学大学院教授)の3回目の会合を 開き、日本介護支援専門員協会の木村隆次会長が、ケアマネ資格の国家資格化や施設ケアマネジャーの配置基準の見直しなどについて主張した。

 この日は、ケアマネジャーの今後のあり方を議論するにあたり、各委員が提出した資料に沿ってプレゼンテーションをおこなった。その中で、木村会長は5月に会員に実施した緊急アンケートの結果を元に、協会としての主張を展開した。
 まず、ケアマネジャーの資格について、木村会長は「介護保険制度だけでなく、日本の社会保障の中できちんとケアマネジメントをできるケアマネジャーを作るべき」と述べ、ケアマネジャーが介護・医療・保健・障害制度を横断的に担当できるよう、ケアマネの国家資格化を主張した。具体的には①新ケアマネジャー②移行期の新ケアマネジャー③現任ケアマネジャーの3つのパターンの国家資格取得までのイメージを提示。

 ①新ケアマネジャーについては、4年間(約1800時間)の大学養成課程の卒業者のみに受験資格を絞り、その後、国家試験を経て、資格取得後1年間の実習(インターン)を課した上で、初めて保険適用の仕事ができるというパターン。②移行期間のケアマネジャーの養成については、受験資格を法定資格に限定し、受講試験も現行の60問から200問に見直した試験を実施。その後、専門研修課程Ⅱまでの130時間の研修と現行では必修科目になっていない認知症や医療に関する研修などを課した上で、1年間のインターンを実施。その後、保険適用の仕事ができるというパターン。③現任のケアマネジャーについても、木村会長は国家試験を課す考えを示し、受験資格として「一定期間・程度の実務経験等」を要件とした。具体的には3年の実務経験とスーパーバイザーとして30件の実績を持つなどの例を示したが、居宅・施設・居住系で状況が異なるため、受験要件については、検討会で議論して欲しいと提案した。

 次に事業所の独立については「よく国の資料などで併設サービスをもたない独立事業所が10%と算出されているが、我々はこれを独立事業所とは考えていない」と主張。協会として独立事業所を「経済的、構造的、機能的独立を果たしている事業所」と定義し、6年間の猶予期間を設け、国の政策誘導で協会が唱える独立事業所の形に転換するよう要望した。

 一方、いわゆる一人ケアマネなどの小規模事業所については、ケアマネジャーが入院などで業務ができなくなった場合、利用者への影響が大きいことから、地域の事業所との連携を義務付けることを求めた。そのことで木村会長は「第三者的な目でケアプランチェックも可能になる」と、質を担保する上でも有効だと説明した。

 最後に、施設ケアマネジャーの在り方について、木村会長はデータを交えながら①支援相談員、生活相談員はケアマネジャー資格を有すること(経過措置期間を設ける)②人員基準は100対1から50対1に見直す(専任の場合は加算とする)③法定研修における位置付けの明確化――の3点を主張した。

(シルバー産業新聞2012年6月10日号)

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル