ニュース

通信機能付き福祉用具で再整理案 徘徊感知機器以外の位置情報通知は給付対象外

 3月9日、厚生労働省は介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会で、通信機能を備えた福祉用具の介護保険上の取扱いにつき再整理案を示した。通信機能を一律に広く給付対象とするのではなく、安全確保や維持管理、適正利用に必要な範囲に限定して保険給付を認める方針だ。

 今回の案では、新たに介護保険の給付対象となる機能として、認知症老人徘徊感知機器について、居宅内だけでなく屋外でもGPSなどで位置情報を取得し、家族や隣人らに通知する機能が示された。なお、通信料金やアプリケーションの利用、スマートフォン等の端末、Wi-Fiなどの環境整備にかかる通信機器の調達費用等は給付対象外と明記された。
 車いす、歩行器、特殊寝台、移動用リフトなど福祉用具貸与の種目については、バッテリーの状態、用具の異常・故障、使用状況を利用者や家族、必要に応じて福祉用具専門相談員らへ通知する機能が例示された。これらは、利用者の安全確保やメンテナンス、適正給付に資するものとして保険給付に含める考えを示した。
 一方で、利用者の体調不良や状態変化を通知するバイタルセンシング、利用者自身が操作する緊急通報、位置情報を使ったナビゲーションなどの機能は給付の対象外とされた。また、認知症老人徘徊感知機器以外の福祉用具で位置情報を家族に通知する機能については、今回の調査で徘徊予防・探索の効果が確認できなかったとして給付対象に含めず、今後の実績や必要性に応じて検討することとした。なお、給付対象外の機能が含まれる機器は、その部分だけ自己負担にしても原則として機器全体を給付対象外とする厳しい考え方も示された。
26年3月9日 介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会資料より引用

26年3月9日 介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会資料より引用

 昨年の調査では、認知症老人徘徊感知機器、見守り・コミュニケーション機器を取り扱う116企業336製品にアンケートを実施し、48企業99製品から回答を得た。認知症老人徘徊感知機器で位置情報通知機能を備える製品は少数にとどまり、オプション料金は月300円~1000円程度だった。ヒアリングでは、通信障害や電池切れ、家族側のスマートフォン環境、老々介護世帯での運用の難しさなども課題として挙がった。位置情報の通知があっても、実際に駆けつける人員がいなければ活用は難しいとの指摘もあり、メーカーや貸与事業所、家族の役割分担が重要になる。 
 今後は、検討会後に介護給付費分科会へ報告し、TAIS(福祉用具情報システム)の改修完了に合わせて改正通知を発出するスケジュール案が示された。

関連する記事

251216_ケアマネ過去問バナー_b
シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル