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「栄養管理連絡票」活用 ケアマネの在宅食支援ツールに

丹南は福井県中央部の鯖江市、越前市、池田町、南越前町、越前町の5市町で構成される。今から10年以上前、県立病院でNST(栄養サポートチーム)に所属していた管理栄養士が赴任。院外との栄養情報のやり取りに苦労した。これをきっかけに、丹南健康福祉センターが連携ツールを検討。2014年に「栄養管理連絡票」を策定した。
「それまでは食形態の定義も病院、施設がそれぞれ決めていたため、連携時にズレが生じていました」と同センター福祉保健部健康増進課の栄養士・西尾裕子主任(写真左)。「医療、介護で栄養情報を共通言語化する。『1食目から無理なく提供』をめざしています」と説明する。
栄養管理連絡票は、医療機関が退院先の介護施設(施設用)またはケアマネジャー(在宅用)へ提供。それぞれ利用者の状態で経口用、経腸静脈用の2種類がある。在宅用(経口)の大項目は①基本情報②身体所見③低栄養のリスク④栄養管理状況⑤在宅支援――。④の栄養管理状況では食形態に関して細やかな情報が整理されており、例えば副食で「刻み食」を選んだ場合、さらに大きさ(3㎝台・2㎝台・1㎝台・1㎝未満)とやわらかさ(容易にかめる・歯ぐきでつぶせる・舌でつぶせる・かまなくてよい)まで確認する。
また、⑤の在宅支援では▽退院時栄養指導の有無▽自宅での調理担当者▽食生活上の問題点▽調理のポイント▽摂取困難時の工夫――を記載。これについて同課吉田美帆課長(同右)は「ケアマネジャーからは、支援につなげやすい『見える情報』として評価を得ています」と述べる。
一昨年行った調査では、栄養管理連絡票を受理したケアマネジャーの6割以上が「ケアプランに反映した」と回答。「家族と話し合った」や「通所系サービス事業所の栄養士等と相談し、支援を協議した」も多かった。吉田課長は「ケアマネジャーが家族から食事の相談を受けるケースも増えてきました。在宅食支援のキーパーソンになりつつあると感じています」と話す。
20年の診療報酬改定では医療機関に「栄養情報提供加算」が新設されたことも連携の後押しに。ただ、昨年の改定では入院中の栄養評価指標として新たに「GLIM基準」が設けられたため、連絡票の様式見直しを検討している。「連絡票のほうがより詳細で、現場の支持も大きい。しばらくは併用になると思います」と西尾主任。「大切なのはGLIM基準に至るプロセス。連絡票で培った栄養評価のノウハウをぜひ活用してもらいたいです」と述べる。
栄養管理連絡票は、医療機関が退院先の介護施設(施設用)またはケアマネジャー(在宅用)へ提供。それぞれ利用者の状態で経口用、経腸静脈用の2種類がある。在宅用(経口)の大項目は①基本情報②身体所見③低栄養のリスク④栄養管理状況⑤在宅支援――。④の栄養管理状況では食形態に関して細やかな情報が整理されており、例えば副食で「刻み食」を選んだ場合、さらに大きさ(3㎝台・2㎝台・1㎝台・1㎝未満)とやわらかさ(容易にかめる・歯ぐきでつぶせる・舌でつぶせる・かまなくてよい)まで確認する。
また、⑤の在宅支援では▽退院時栄養指導の有無▽自宅での調理担当者▽食生活上の問題点▽調理のポイント▽摂取困難時の工夫――を記載。これについて同課吉田美帆課長(同右)は「ケアマネジャーからは、支援につなげやすい『見える情報』として評価を得ています」と述べる。
一昨年行った調査では、栄養管理連絡票を受理したケアマネジャーの6割以上が「ケアプランに反映した」と回答。「家族と話し合った」や「通所系サービス事業所の栄養士等と相談し、支援を協議した」も多かった。吉田課長は「ケアマネジャーが家族から食事の相談を受けるケースも増えてきました。在宅食支援のキーパーソンになりつつあると感じています」と話す。
20年の診療報酬改定では医療機関に「栄養情報提供加算」が新設されたことも連携の後押しに。ただ、昨年の改定では入院中の栄養評価指標として新たに「GLIM基準」が設けられたため、連絡票の様式見直しを検討している。「連絡票のほうがより詳細で、現場の支持も大きい。しばらくは併用になると思います」と西尾主任。「大切なのはGLIM基準に至るプロセス。連絡票で培った栄養評価のノウハウをぜひ活用してもらいたいです」と述べる。
(シルバー産業新聞2025年3月10日号)