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東京都 潜在ケアマネの復帰を後押し 奨励金10万円や相談窓口も

東京都 潜在ケアマネの復帰を後押し 奨励金10万円や相談窓口も

 東京都福祉局は9月26日、資格を持ちながら就業していない「潜在介護支援専門員」の再就業支援と、中小企業での介護離職防止を目的とした新事業を開始したと発表した。深刻化する人材不足に対応するため、相談窓口の設置や10万円の奨励金支給で現場復帰を後押しする。あわせて、介護離職を防ぐため、中小企業へケアマネを講師として派遣する事業も始める。

 都は事業のプラットフォームとして、「介護支援専門員再就業等支援事業ポータルサイト」を同日開設。再就業希望者向けの研修案内などの情報を提供するほか、各種支援策の申し込みも一括で受け付ける。

 新事業の柱の一つが、潜在ケアマネ向けの個別相談窓口の設置。再就業への不安や職場環境への懸念といった相談に対し、専門スタッフが電話やメール、オンラインで無料対応を行う。ブランクのあるケアマネの不安を解消し、円滑な現場復帰を支える。

 現場復帰を促すため、奨励金制度も新たに設けた。実務経験がないか、あるいは、現場を3カ月以上離れていた有資格者が都内の介護事業所などで半年以上働くと、1人1回に限り10万円を支給する。

中小企業の介護離職防止も支援

 もう一つの柱が、中小企業における介護離職の防止支援だ。介護と仕事の両立を支えるため、経験豊富なケアマネを講師として中小企業に無料で派遣。派遣されたケアマネが、従業員向けに介護保険制度に関するセミナーや個別相談会を開く。

 従業員が介護の知識を深め、適切なサービスを利用できるよう支援し、突然の介護に直面しても離職せずに済む環境づくりを後押しする。

 今回の取り組みは、都が推進する「2050東京戦略」における「長寿(Choju)戦略」の一環。都は、潜在的な専門人材の活用に加え、働き盛りの世代が介護でキャリアを断念することのない社会の実現を目指し、介護に関する施策を進める方針だ。

(シルバー産業新聞2025年10月10日号)

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