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シフト作成3割、帳票作成5割減を実現 介護事業特化の勤怠管理システム

シフト作成3割、帳票作成5割減を実現 介護事業特化の勤怠管理システム

 インフォコム(東京都渋谷区、竹原教博社長)は2020年5月、介護業界に特化したクラウド型勤怠管理システム「CWS for Care」の提供を開始した。大手介護事業者と共同で開発し、職種兼務や配置要件、勤務形態一覧表の出力など、介護業界特有の複雑な勤怠管理を容易かつ効率的に行えるシステムを目指した。開発を手掛けた同社ヘルスケア事業本部地域包括ケア推進部の西森弘樹氏、山田済氏に介護業界における勤怠管理の課題やシステムの特長について聞いた。

大手事業者と共同開発

 ――「CWS for Care」開発の経緯は。
 介護事業大手のソラストと業務提携をして以来、介護業務の生産性向上に向けたディスカッションをしていく中で、シフト作成や勤怠管理業務が同社の大きな負担となっていることがわかってきたのです。

 介護業界は他業種と異なり、配置基準や加算要件、職種の兼務など特有のルールが制度として位置づけられています。こうした複雑なルールに目を配りながら、シフトを組むこと自体がそもそも大変ですし、全てクリアしたつもりでも実は漏れやミスを起こしているかもしれません。

 また、シフト作成と稼働実績の管理、実地指導に必要な勤務形態一覧表などの帳票作成がそれぞれ個別の対応になっていることも負担が膨らむ原因です。
さらに調査を進めると、これらはソラストだけでなく、多くの介護事業者が抱えている課題であることがみえてきました。

 当社は、医療機関向けに勤怠管理システム「CWS」を2014年から展開しており、このノウハウが介護業界に応用できるのではと考えました。それに加え、600超の事業所を展開するソラストの協力や助言を得て介護業界に特化した勤怠管理システムを完成させることができました。

兼務など介護特有のルールに対応

 ――「CWS for Care」の特長は。
 やはり介護業界特有のルールに対応している点が最大の特長です。例えば、管理者として4時間、生活相談員として4時間を兼務するAさんがいるとします。従来はそうした職種別の区分ができないためシフト上は合計の勤務時間しか記されません。シフト表とは別に兼務時間の内訳を割り出し、看護師や介護福祉士など各資格の保有状況を確認して、最終的に配置基準を満たしているかどうかを確認しなければなりません。
 
 しかし、「CWS for Care」であれば、シフト作成時からAさんの管理者、生活相談員それぞれの配置時間を分けて管理でき、人員基準や各種加算の算定要件を満たしているかもチェックする事ができます。さらに、そのまま勤務形態一覧表の出力まで一気通貫で行うことが可能です。
シフト作成時から職種別の配置時間を管理できる

シフト作成時から職種別の配置時間を管理できる

 実際のユーザーでは、導入3カ月でシフト作成時間はおよそ3割、勤怠管理関連の書類作成時間は5割削減できたという効果が出ました。定性的にも「作業が楽になった」「精度が向上した」などの評価を頂いています。
 
 介護特有のルールに対応しているだけでなく、2019年度から施行された働き方改革関連法など、一般的な勤怠ルールにももちろん対応しています。年次有給休暇の取得や時間外勤務の自己申告との整合性のチェック、労働時間が適正かどうかも把握できます。さらに、新人同士を同じ日の夜勤に配置しないなど、基準などとは別に細かなチェックをすることもできます。介護報酬改定にも無償対応です。クラウドシステムなので常に最新の報酬体系にアップデートされます。

 ――今後の展開は。
 現在、300超の事業所から申し込みをいただいておりますが、2024年までに20万人の職員に利用してもらう事を目標に掲げています。規模を問わず、多くの介護事業者に利用いただけるよう、使いやすさの向上、コストダウンなどさらなるブラッシュアップを重ねていきたいです。
 「CWS for Care」製品サイトはこちら

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