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オールジャパンケアコンテスト開催

オールジャパンケアコンテスト開催

 10月19日都内で第10回オールジャパンケアコンテスト(AJCC)が開催された。全国23都府県から施設内の予選大会の勝者や推薦を受けた人など130人集まった。

 AJCCは全国各地から介護職従事者が集い、日ごろの介護技能や心構えを披露し、介護とは何かを考え、参加した選手同士、利用者や家族に地域との密接な繋がりや絆の大切さを体感してもらうことを目的とするもの。今回開催されたのは▽排泄▽入浴▽食事▽認知症▽看取▽口腔▽国際交流――の7分野のケア。そのうち国際交流は今年初開催で、日本の介護現場で働く外国人を対象に食事ケアの実践を行った。また、各分野、経験年数別に5年以上と5年未満の2部門に分かれ、それぞれ一人ずつ優秀賞と奨励賞が授与された。

 コンテストの形式は、大会の1週間前に課題となるシチュエーションが参加者に通達される。その後1週間を準備期間とし、それぞれが練習を積み本番に挑む。当日は、課題に沿ったシチュエーションが用意され、観衆とそれぞれの分野の専門家のアドバザーの前で7分間の実技を行う。その後コンセプトなどを説明し4分間のアドバイザーからの質問に答え評論を受ける。

 「入浴」分野では脳梗塞の後遺症による片麻痺状態の利用者の着衣の介助が課題。優秀賞は新潟県の介護老人保健施設ぶんすいに勤める遠藤亮太さん。利用者の状態を確認しながらリスクを予測しつつ、利用者自身での着衣を可能な限り促したことが評価された。遠藤さんは「1週間の準備期間で、すべての工程をしっかりとイメージできていましたので、それが本番でも発揮できました。ただ、利用者が認知症を患っていた場合は予想外のことが発生するのでもっと難しかったかもしれません」と話した。

 「看取り」分野では末期がんの利用者へのケアを実施。ベッドの横で利用者と家族との思い出についての会話や、今望んでいることは何かを聞き取るケアを実践する参加者の中、優秀賞に選ばれたのは香川県三豊市立西香川病院に勤務する理学療法士の石井由佳梨さん。利用者の要望に真摯に向き合いつつも、理学療法を取り入れた痛みを緩和するケアを実践したことが評価された。

 石井さんは「小学生のときに祖母を看取ったのですが、当時はどうしていいか全くわからず、もどかしい思いをしたことがきっかけでPTを目指しました。祖母にできなかった分、現場で同じ痛みを抱える方のケアを通して積んだ経験が評価され、非常にうれしいです」と受賞の喜びを語った。

(シルバー産業新聞2019年11月10日号)

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