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これからの介護保険284 福祉用具「選択制」の効果検証 導入後も貸与選択が大半
2024年度の介護報酬改定で導入された、福祉用具の「貸与と販売の選択制」の検証結果が明らかになった。厚生労働省の介護報酬改定の検証調査事業として実施されたもので、2月18日の介護報酬改定検証・研究委員会に報告案が示された。調査結果は、27年度の次期報酬改定に向けた議論の基礎資料となる。
今回の検証調査は、介護データベース分析に加え、保険者や事業所へのアンケートに基づき実施された。24年度の購入選択率は固定用スロープの15.2%が最も高く、多点杖9.5%、単点杖5.5%、歩行器は1.6%と差がみられたものの、いずれの種目においても利用者の8割から9割以上が貸与を選択していることがわかった。さらに25年4~6月には、固定用スロープ7.5%、多点杖4.9%などいずれも購入割合は減少している。
購入を選択した理由で最も多かったのは「長期利用が想定されるため」(各種目で38.2~43.5%)だったが、購入後に身体機能の低下などを理由に使用を取りやめるケースも歩行器で6.4%あった。
購入を選択した理由で最も多かったのは「長期利用が想定されるため」(各種目で38.2~43.5%)だったが、購入後に身体機能の低下などを理由に使用を取りやめるケースも歩行器で6.4%あった。
給付費、大きな変動はみられず
財政面では、制度開始直後の24年6月に販売費の発生により総給付額(選択制対象種目の貸与、販売、対象種目以外のサービス利用のない居宅介護支援費の合算)が前年同月比11.7%増の1億8043万円と一時的に増加したが、その後減少に転じ、25年6月時点では導入前と概ね横ばいの推移となっている。
財務省が主張している「ケアマネジメントの切り離しによる給付費抑制」についても、その効果は限定的だった。25年4月~6月の期間、選択制対象種目がケアプランに位置付けられた利用者のうち、購入を選択したことでケアプラン作成がなくなったケースは2.6%に留まり、約97%の利用者は引き続きケアマネジャーによる支援を受けている。この結果に対し、同委員会の近藤和泉委員(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター病院長)も「居宅介護支援費への財政的な効果はあまりない」と指摘した。
財務省が主張している「ケアマネジメントの切り離しによる給付費抑制」についても、その効果は限定的だった。25年4月~6月の期間、選択制対象種目がケアプランに位置付けられた利用者のうち、購入を選択したことでケアプラン作成がなくなったケースは2.6%に留まり、約97%の利用者は引き続きケアマネジャーによる支援を受けている。この結果に対し、同委員会の近藤和泉委員(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター病院長)も「居宅介護支援費への財政的な効果はあまりない」と指摘した。
選択制の対象拡大「特になし」が最多
今後の焦点となる対象品目の拡大について、今回の調査では保険者とサービス提供者(福祉用具貸与事業所と居宅介護支援事業所)の双方に対し、拡大の適否やニーズを問い直している。保険者に対し「貸与・販売を選択可能にした方が良いと考えられる用具」を尋ねたところ、回答は「特になし」が60.3%と過半数を占めた。次いで、手すり(7.3%)、車いす(7.0%)、歩行車(5.5%)などが挙がったが、いずれも1割に満たなかった。
過去に利用者から購入を希望する声があった用具について、福祉用具貸与事業所では37.6%、居宅介護支援事業所では48.2%が「特になし」と回答し、いずれも最多となった。歩行車や車いすが2割前後存在するものの、現場と保険者のどちらからも対象拡大を求める声は一部に留まっている。
過去に利用者から購入を希望する声があった用具について、福祉用具貸与事業所では37.6%、居宅介護支援事業所では48.2%が「特になし」と回答し、いずれも最多となった。歩行車や車いすが2割前後存在するものの、現場と保険者のどちらからも対象拡大を求める声は一部に留まっている。
(シルバー産業新聞2026年3月10日号)


