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川崎市 ベトナム人看護学生インターン 特養就労で日本の文化・言語学ぶ

川崎市 ベトナム人看護学生インターン 特養就労で日本の文化・言語学ぶ

 川崎市では、3月から6月にかけて、協定締結先の国立タイグエン医療短期大学(ベトナム)の看護学生によるインターンシップを実施した。外国人介護人材雇用支援事業として、シグマスタッフ(東京都品川区、鈴木由生社長)に委託。日本語能力試験N4以上を取得した3年生14人が▽特養▽老健▽認知症グループホーム▽特定施設――など介護サービス10施設(6法人)で就労した。特別養護老人ホーム和楽館に派遣された2人に話を聞いた。(取材日=5月27日)

 レティトゥーフォンさんとグエンティクインチさんは、3月1日から同施設で働き始めた。当初はホームシックや、利用者と上手く疎通ができず寂しい思いもしたが、2カ月が経った今では仕事にも生活にも慣れてきたという。

 勤務時間は平日の8時から17時。業務内容は食事介助や入浴介助、おやつ作りをはじめとしたレクリエーションなど幅広い。2人は一番大変だった業務について「おむつ交換」と口を揃える。「利用者さんはちょっと重いです」と申し訳なさそうに話すクインチさん。

 利用者と対話する際には、顔を近づけ、ゆっくり話すことを意識。2人がベトナムの文化や食べ物について紹介すると、利用者も日本のことを教える光景が多くみられた。支給された教材だけでなく、普段からTikTokなどで自ら日本語を勉強していたため、意思疎通がスムーズにはかれるようになったそうだ。

 フォンさんは「自分の言いたいことが上手く伝えられていないのではと不安になったこともあったが、利用者さんが『ありがとう』と言ってくれて嬉しかった」と話す。
利用者に教わり今ではオセロもお手の物。真剣さのあまり圧勝してしまうことも。

利用者に教わり今ではオセロもお手の物。真剣さのあまり圧勝してしまうことも。

 2人は施設近くのアパートで共同生活をしており、休みの日には一緒に川崎で買い物を楽しんだり、掃除や料理にいそしんだりとプライベートも満喫。

 同施設事務長の中山修さんは、LINEでのメッセージ交換やお菓子を差し入れるなど、積極的にコミュニケーションをとり、小さな悩みごとでも打ち明けやすい環境づくりに取組んだ。「話している内容はほとんど聞き取れるようになった。本人たちは日本語でまだ悩んでいる部分もあると思うが、本当に成長したと感じる。インターン終了後もぜひうちで働いてほしい」と、頼もしいインターン生への今後の希望を語った。

 今回インターンシップを行った学生たちは、帰国後の7月に現地の大学を卒業し、11月には再来日予定。マッチング次第では、インターン先の施設で特定技能「介護」として就労する場合もある。
「何色にしますか?」とことばを交わしながらぬりえを進めていく

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