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ポルト・ボヌール 磁器食器で伝える利用者への思い

ポルト・ボヌール 磁器食器で伝える利用者への思い

 ポルト・ボヌール(大阪府岸和田市、大石茂美社長)は、昨年7月に住宅型有料老人ホーム「ここかえるからくに」を開設。利用者に心から食事を楽しんでもらいたいとの思いから、磁器食器レンタルサービス「テーブルコーデ」(三和厨房)を導入した。大石社長に聞いた。

大石茂美社長

大石茂美社長

 当社では、ケアの本質を極めることを求め、「心を起こす」をキャッチフレーズに事業を展開している。年齢を重ねたり、病気になると心の持ちようが下向きになる。前向きに自立して生きたいと心から立ち上がってもらうことを目指している。
 その中で、食器選びもケアの1つと考えている。自分が年をとった時に、メラミン食器で食事を摂ることに楽しさがあるか疑問だった。食事を提供する私たちですら抵抗を感じていた。
 昨年7月に新施設を立ち上げるにあたり、磁器で食事を提供したいという強い思いがあり、展示会で磁器食器レンタルサービス「テーブルコーデ」に出会い導入を決めた。
 磁器で食事をすると、食器の音や雰囲気が全く違う。厨房の努力もあるが、磁器ならではの魅力があると思う。利用者からも「食事がおいしい」との声が聞かれ残食も減った。
 家族が見学に来た際にも、磁器を採用していると伝えると喜んでもらえる。食事を楽しんでもらいたいという当社の思いが伝わっていればありがたい。
 1人あたり月400円の価格も、利用者や家族の喜びになれば施設の価値に繋がり、大きな負担ではない。

食器は1年交換、予備も完備

 1年ごとにデザインが変わる点も大きい。メラミン食器は一度買うと、よほどのことがない限り全部を買い替えることはない。経年劣化もある。
 テーブルコーデは、定期的に新しい食器に交換され、予備も用意されていることで職員にとっても安心感がある。梱包も施設に負担がないよう工夫されていて、取り出すだけなので手間にならない。
 また、食器乾燥機を使っているが、食器の底に切れ込みが設計されているなど工夫があり、拭き取りの手間なく管理も容易だ。
利用者は磁器での食事を楽しむ

利用者は磁器での食事を楽しむ

施設でも変わらぬ日常を

 介護している側も、利用者を大切にしているという感覚に繋がり、会社の理念を職員と共有することが出来ている。
 また、磁器は重たい印象があり、高齢の人や身体に障がいのある人にとって負担になるのではと危惧していたが、思ったより軽かった。
 当施設の入居者の多くは要介護4〜5だが、食器を落としたり、割れてしまうことはほとんどない。
 割れたときに危ないのは、自宅の生活でも同じことだ。施設だからとリスクだけを避け続けると、日常を失い人間らしさが失われる。
 施設でも自然な日常を送ってもらうことがとても大切だと思う。
三和厨房 テーブルコーデHP

三和厨房 テーブルコーデHP

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