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シニアライフクリエイト 配食弁当のたんぱく増量

シニアライフクリエイト 配食弁当のたんぱく増量

 シニアライフクリエイト(東京都港区、高橋洋社長)は昨年12月、配食サービス「宅配クック123(ワン・ツゥ・スリー)」で提供する弁当をリニューアルした。厚生労働省が2017年に策定した「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」に基づき、1食あたりのたんぱく質を16~24gに増量。高齢者の低栄養対策を強化する。

 高齢者が食べ切れる量を維持しつつ栄養価を強化したのが特長。「赤魚白醤油風味焼き」(写真)は主菜の焼魚に加え筑前煮、オクラのお浸し、ほうれん草と人参の煮浸し、黒豆、刻みたくあんの5品で、たんぱく質16.6g(ごはん付で20.9g)、エネルギー157kcal(同443kcal)が摂取できる。

 たんぱく制限が必要な栄養素等調整食や、やわらか食、ムース食などを除き、全メニューの調整に要した期間は1年半。同社営業企画部清水勝課長は「食材の入替えや、魚・肉の部位など細部まで見直しを行った。国の指針に沿った商品・サービス展開で差別化をはかっていく」と意気込む。

 同ガイドラインでは大きく①商品(配食弁当)②利用者支援――に関する項目を整理。商品に関しては管理栄養士による献立作成や、栄養素等調整食・嚥下食への対応、また利用者支援では初めて配食を利用する際に身体状況や栄養状態に加え、居住形態や服薬状況なども含めたアセスメントを求めている。

 特に、低栄養の可能性がある場合は、管理栄養士がアセスメントし、必要に応じてかかりつけ医等との連携を行うとしている。「在宅訪問ができる管理栄養士の数も限られており、実践は簡単ではない」と清水氏。同社では今後、地域包括支援センターが開くサロンや介護予防教室の場も活用していく考えだ。

心を満腹にする1分間

 「宅配クック123」は2月現在、全国347店で利用者は8.5万人、月間250万食を提供する。店舗のエリアカバー率は75%。約300の自治体の運営する食事サービス等の委託を受けている。他社が手を出そうとしない離島や中山間地域にも進出する。

 「自治体やケアマネジャーからは、弁当配達時に行う『見守り』は、今では配食のスタンダードな役割として認識されている。単なる安否確認ではなく、利用者の心を健康にすることがより必要とされている」と同氏は説明。これを実現するため、同社が大切にしているのが配達時の「1分間サービス」だ。

 配食弁当は手渡しが原則。服薬の声かけや、適切な室温の確認なども行う。配達スタッフには「認知症サポーター養成講座」の受講も啓発。「本人不在時の初動や、また認知症の兆候に気づき早期相談につなげることができる」(同氏)。

 さらに手指を使うことで脳の活性化効果が期待されるちぎり絵・ぬり絵キットといったアイテムも活用。絵を見ながら、本人から昔話や自慢話を引き出し、会話のきっかけづくりとする。同氏は「1日2食、つまり1日2回訪問する利用者もいる。短時間だが接する頻度は圧倒的に高い」と強調。医療・介護サービスとの連携を密にし、地域包括ケアの一翼を担っていくと述べた。

(シルバー産業新聞2019年3月10日号)

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