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富山県介護実習・ 普及センター 【福祉用具に触れる 1】

富山県介護実習・ 普及センター 【福祉用具に触れる 1】

 ともに生きる「しあわせ富山」をスローガンに、福祉用具や介護技術の普及と情報発信を続ける「富山県介護実習・普及センター」。富山市の中心地にある、総ガラス張りの富山県総合福祉会館に入っている。福祉用具の展示場とモデルルームには、幅広い生活シーンで使われる福祉用具が多数展示されている。

相談し、体験する

「病気やケガで福祉用具が必要になったご本人やご家族が、生活を助ける器具を見に来られ、私たちの説明を聞きながら、実際に使ってみる。病状が回復し、退院できるようになったとき、家での生活をどのようにするのがよいのか、住宅改修をどうすればよいかなど、相談に来ていただけるのが、当センターの良さです」
 佐藤裕美子センター長は、加齢や病気、ケガによって身体に障がいを持っても、住宅改修によって段差を解消したり、適切な介護機器や用品を活用することで、生活の不便さは随分と解消されると話す。
 センターでは、たくさんの福祉用具を見て、触れて、試すことができる。福祉用具の使い方や選び方についてアドバイスも得ることができる。必要に応じて、理学療法士や作業療法士、建築士などのチームが自宅訪問して、出張相談を行う。

佐藤裕美子センター長

介護実習センター外観

モデルルームでは研修も行われる

充実した研修の取組み

 福祉用具や介護を学ぶ介護講座や専門職向け研修が充実している。
 「福祉用具体験講座は一般向けと専門職向けがあり、昨年、一般向けは計23回行い、延べ422人が参加しました。この中には、中国の人やボランティアを志す人、老人クラブの人たちもいます。専門職向けは、計37回、延べ780人の参加があり、看護職や介護職をめざす学生が多数、福祉用具を使った介護を学んでいます」と佐藤さん。
 小中高生の介護講座も行っている。2時間「いろいろ福祉用具コース」に参加した生徒からは「利用する人に合った福祉用具を選ぶことの大切さを理解した」「体験もあり、とてもわかりやすかった」などの声。耳栓や特殊眼鏡、サポーターなどを装着して、75~80歳の高齢者を体験する「高齢者疑似体験コース」や、車いすの種類や車いすの介助の仕方を学ぶ「車いす体験コース」が随時実施されている。

2階での生活もできる階段昇降機

種類の多い歩行器・車いす

安全快適に入浴できるシャワーチェア

浴室用リフトなど入浴支援用具

 こうした豊富な福祉用具を使った研修の多くは、「富山県福祉カレッジ」(大橋謙策学長、県社会福祉協議会)の枠組みの中で実施されている。高齢者、障がい者、児童などで、何らかの社会的な支援が必要な人は、だれもが適切な支援が受けられるようにする「地域共生社会」づくりを全国に率先して展開する富山県での人材育成を推進している。
 同センターでは、介護現場の腰痛予防推進にも注力している。県内の特養12施設を「腰痛予防対策推進福祉施設」に指定し、県内全域への普及の拠点として支援する。指定施設では、介護職員の身体に負担の少ない介護技術の普及・定着をめざして、介護マニュアルの作成や職場研修の実施を行うとともに、他施設の職員を受け入れて研修を実施する。
 また、「県も主催に加わって、毎年、福祉用具アイデアコンクールを行っています。今年も多数の応募があり、11月16日には授賞式が予定され、知事賞や優秀賞が選ばれます」と、佐藤さん。
 今年10月26日(土)には、「第13回福祉用具の展示会」を福祉会館で行う。福祉用具メーカー32社が出展し、200点以上の福祉用具が展示される。同時開催で、介護施設の施設長や、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、福祉施設職員らを対象に、「腰痛予防対策取組事例報告会」(受講料1000円、申込み・問合せ ☎076・432・6305)が予定されている。

(福祉用具の日しんぶん2019年10月1日号)

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