コラム

高校生が描く「介護×社会課題」の解決策 ニチイ学館で発表会

高校生が描く「介護×社会課題」の解決策 ニチイ学館で発表会

 ニチイ学館(東京都千代田区、中川創太社長)は5月26日、社会プロジェクトの一環として、新渡戸文化高等学校(東京都中野区)の1年生4人による「介護×社会課題」アイデア発表会を本社で開催した。生徒らは、高校生の日常的な悩みと高齢者の困りごとを掛け合わせた解決策のプレゼンテーションを披露した。同社幹部も熱心に耳を傾け、内容を称賛するとともに社会実装に向けた助言で応えた。

高校生と高齢者、双方の「困りごと」をマッチング

 今回の発表会は、昨年10月に新渡戸文化中学校の生徒151人を対象に実施された探究型学習がきっかけとなった。終了後も「自分たちのアイデアを世の中に届けたい」と一部の生徒が自主的に活動を継続。新渡戸文化高等学校への進学を経て、さらなるブラッシュアップを重ねた4人が今回の発表に臨んだ。

 生徒らはまず、核家族化に伴い、「高齢者との関わり方がわからない若年層が少なくない」と現状を指摘した。その上で、高齢者側の「身体を動かす機会の不足」や「最新トレンドへの接触機会の少なさ」、高校生側の「進路や将来への悩み」「周囲との比較による葛藤」「趣味と勉強の両立」という双方の困りごとに着目。これらを相互に補完し合うプラットフォームとして、SNSを活用した世代間交流アカウントの運用を提案した。
双方の困りごとから着想を得た

双方の困りごとから着想を得た

ダンスや「推し活」など多彩な企画

 発表された運用イメージは、LINEのプロフィール感覚で思い出や好きな写真を用いて自己紹介シートを作る「GB(おじいちゃん・おばあちゃん)エンジョイデコ」、座ったまま往年の名曲に合わせて体を動かす「一緒に簡単ダンス」、高校生の人生の悩みに高齢者が自らの経験から応える「大先輩の知恵袋」などだ。

 さらに、若者文化である「推し活」を介護現場に持ち込み、動画をともに鑑賞する「GB推し活ライブ」や「推しグッズ制作」、1週間の歩みを映像化して記憶の定着を促す「GBミニVlog」、昔の恋話をきっかけに回想を促す「好きな人できた?」などの斬新な企画が並ぶ。これらは高齢者を単に「ケアされる側」とするのではなく、若者に知識を教える側やともに楽しむ関係へと役割をシフトさせるアプローチが貫かれている。

 プレゼン後、ニチイホールディングス取締役常務執行役員の神村知幸氏は、高齢者本人や家族が「介護に直面するまで自分事として捉えるのは難しく、実際に介護を受けるイメージが湧かない人が多い」と説明。その上で、SNSを通じて介護現場のリアルな魅力を明るく届けるアイデアは「強力な集客ツールになり得る」と高く評価した。さらに、事業者が対価を支払うビジネスモデルを構築できれば、高校生たちの思いを乗せた取り組みが持続可能なものになるとアドバイスとエールを送った。

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