連載《プリズム》
変革への入り口
「変わったことに気づいた時、社会はすでに次の段階に入っている」。経営学の父、ピーター・ドラッカーは、制度や
組織の転換は現場の実感より先に進むものだと述べている。
いま、介護業界に押し寄せているDX化の波は、まさにその局面であろう。
政府は「全国医療情報プラットフォーム構想」を軸に、医療・介護データの情報基盤構築を加速させている。診療カルテや処方箋、要介護認定、LIFEのサービス利用実績などをデジタルで連携させ、効率的かつ質の高い医療・介護の実現を目指している。その一環として整備が進む介護情報基盤は、今後の介護保険制度運営の前提となる。
こうした中で、介護職員処遇改善加算の要件にケアプランデータ連携システムの導入が加えられた。表向きは賃上げ施策の上乗せ条件だが、その本質は「介護もデータ連携を前提とした時代へ移行する」という国からのメッセージにほかならない。
現場からは戸惑いの声も多い。しかし、これまでのFAX送信や電話確認といった〝当たり前の業務〞が専門職としての貴重な時間を奪っているのも事実だ。人材不足が深刻化する中で、処遇改善だけを積み重ねても、制度の未来は拓けない。DX化を、介護事業を展開していく上での前提条件として捉え直す必要があるだろう。
一方で、DX化を現場の努力だけに委ねてはならない。制度として進める以上、国には、現場が実際に使いこなせ
る環境を整えていく責任がある。機器やシステムの導入支援に加え、人材育成や相談体制の充実など、現場に寄り添った伴走型の支援が不可欠だ。
ケアプランデータ連携は目的ではなく、〝変革への入口〞である。DX化の潮流から自分たちの事業所だけ距離を置き続けることは現実的ではない。社会はすでに次の段階に入っているのである。
政府は「全国医療情報プラットフォーム構想」を軸に、医療・介護データの情報基盤構築を加速させている。診療カルテや処方箋、要介護認定、LIFEのサービス利用実績などをデジタルで連携させ、効率的かつ質の高い医療・介護の実現を目指している。その一環として整備が進む介護情報基盤は、今後の介護保険制度運営の前提となる。
こうした中で、介護職員処遇改善加算の要件にケアプランデータ連携システムの導入が加えられた。表向きは賃上げ施策の上乗せ条件だが、その本質は「介護もデータ連携を前提とした時代へ移行する」という国からのメッセージにほかならない。
現場からは戸惑いの声も多い。しかし、これまでのFAX送信や電話確認といった〝当たり前の業務〞が専門職としての貴重な時間を奪っているのも事実だ。人材不足が深刻化する中で、処遇改善だけを積み重ねても、制度の未来は拓けない。DX化を、介護事業を展開していく上での前提条件として捉え直す必要があるだろう。
一方で、DX化を現場の努力だけに委ねてはならない。制度として進める以上、国には、現場が実際に使いこなせ
る環境を整えていく責任がある。機器やシステムの導入支援に加え、人材育成や相談体制の充実など、現場に寄り添った伴走型の支援が不可欠だ。
ケアプランデータ連携は目的ではなく、〝変革への入口〞である。DX化の潮流から自分たちの事業所だけ距離を置き続けることは現実的ではない。社会はすでに次の段階に入っているのである。


