連載《プリズム》

今年から「紙」をなくす

今年から「紙」をなくす

 2023年の正月を迎えることができた。いま世界規模で私たちの生活を根底から揺さぶる情況が起きている。新型コロナウイルスのパンデミック、頻発する異常気象と大災害に続いて、昨年はロシアのウクライナ侵攻が世界を巻き込んだ。パンデミックと大災害に対して、21年介護報酬改定では、全介護保険事業所にBCP(事業継続計画)の策定が義務づけされている。

 日本は来年度以降、有事に備えて一段の軍備を増強する方針だ。24年度改定では、日本周辺で戦争が起きた際のBCP策定をも検討しなければならないかも知れない。

 来日したウクライナ高校生と日本の高校生の交流の模様がテレビで放映された。「武器をたくさん供給したら、いつまでもたっても戦争は終わらないのでは」という日本の高校生の問いに、彼女たちは「武器を下さい。武器がないとウクライナの民間人が死んでしまう。ウクライナが負けると国家が滅びるかもしれない」と話した。自分たちの命を、国を守るために武器がほしい、と。

 私たちは、より良い生活を求めて日々努力している。その足元をすっかりすくわれる事態がいつどこでどのように起きるか知れない。しかし、確実に起きると予測されるのは日本の人口減少。2004年12月(当時の高齢化率19.6%)の1億2784万人をピークに減少を続け、22年現在、総人口は1億2550万人(高齢化率29.1%)。2050年には、1億人を割り、9515万人と予測される(総務省「国土の長期展望」)。いま、日本社会の大地殻変動が起きている。

 取材した京都にある医療介護の大手法人の訪問介護事業所は「23年から紙をなくす」準備を始めていると話した。今後、いままで通りに介護サービスを続けるためには、自立支援・重度化防止とともに、ICTやテクノロジーを活用して効率アップをめざすほかない。

(シルバー産業新聞2023年1月1日号)

関連する記事