生き活きケア

生き活きケア(110) むべの里(滋賀県近江八幡市)

生き活きケア(110) むべの里(滋賀県近江八幡市)

 社福祉法人子羊会が運営する「むべの里」は、利用者の興味に合わせて好きな講座を選択する「選択制レク」を提供するデイサービス。講座を主体としたレクリエーションに取り組み、余暇活動を通した生きがいづくりに力を入れている。

デイで講座 選択制レクで利用者の自己決定力高める

マーレー寛子施設長

マーレー寛子施設長

 社福祉法人子羊会が運営する「むべの里」は、利用者の興味に合わせて好きな講座を選択する「選択制レク」を提供するデイサービス。講座を主体としたレクリエーションに取り組み、余暇活動を通した生きがいづくりに力を入れている。

 滋賀県近江八幡市の八幡山のふもとにある同事業所。21年前、京都市障害者スポーツセンターで余暇活動に関わる仕事をしていたマーレー寛子施設長が、「地域にレクリエーションセンターを作りたい」と、立ち上げた。

 同事業所が特に重視するのは、生きがいづくりを支援する「社会参加活動」と「余暇活動」の2つがある。「社会参加活動」としては、花見など季節に合わせた外出や、同法人が運営する保育園との交流が盛ん。年長組と利用者が昼食を一緒に食べる「卒園ランチ」を定期的に開催するなど、地域とかかわる機会を積極的に作っている。

 「余暇活動」では、選択制の講座を行っているのが特徴。現在「書道教室」、「健康クラブ」、「ものづくり講座」、「音楽クラブ」の4つの講座を開講している。どの講座へ参加するかを利用者自ら選択し、経験のある職員が講師となって、本格的な指導を行う。継続して同じ講座を受講する場合が多いが、人によっては、曜日毎に参加する講座を変えているケースも。「デイサービスに通う前、公民館などで行っていた趣味活動の延長のように楽しんでもらいたい」とマーレー施設長。こうした選択制のレクの効果について、「自己決定の能力と活動意欲を高める」と説明する。
 また、日頃の練習の成果を、発表会や作品の展示会で、発表する機会を設けている。過去に音楽教室で実施した「トーンチャイム」を近隣のデイサービスで発表したことも。「本番前の音楽クラブは、職員も利用者もいつも以上に真剣に取り組み、できないところを繰り返し練習するなど部活のような雰囲気だった」とマーレー施設長は振り返る。

 開催までのプロセスと達成感を共有することが、レクリエーションの醍醐味だという。

職員の自己実現とレクリエーション

 開設当初、同事業所では週替わりの全体レクを行っていたが、職員から「利用者の顔が見えづらい」といった声が多かった。

 同事業所の一日の利用定員は30人。スタッフ数人で、一人ひとりに適切なレクリエーションを実施するのはハードルが高く、物作りなど少人数制のレクに切り替えた。
 現在は、事業所単位の「福祉総合レクリエーション計画」を作成し、個別の計画に落とし込んでいる。「うちの場合、レクリエーション計画をケアプランにも位置づけている」とマーレー施設長。ほとんどの職員が各講座を受け持っており、適宜ミーティングでレクリエーションの方針や進捗を確認。レク担当の職員2名が全体のスケジュールを管理している。

 「ただ漠然とレクリエーションを実施するのではなく、レクの方針を決めて実行し、フィードバックする機会を設けることで、職員もレクの効果や目的を確認できる」と強調した。
(シルバー産業新聞2016年8月10日号)

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