生き活きケア
買い物楽しみ外出・交流増やす 「スローショッピング」
横浜市は4月、高齢者が自分のペースで買い物をする「スローショッピング」の取組みを開始した。
政令都市では初の試み。ボランティアと一緒にスーパーマーケットのフロアを周回し、慌てずゆっくりと支払いができる「スローレジ」で会計したのち、休憩スペースでお茶会を開催。コミュニティバスの手配やボランティアを行う自治会、事務局を担うケアプラザ、ボランティアを募る社会福祉協議会らが連携し、ショッピングを通して高齢者が自信や役割を取り戻せるようサポートする。2度目の開催となる5月15日には、高齢者5人・ボランティア8人が参加した。
スローショッピングは、栄区の総合スーパー「イトーヨーカドー桂台店(以下、店舗)」で毎月第3水曜日に実施されている。ケアマネジャーの紹介等を通じて事前に申し込んだ高齢者は、桂台地区を走るコミュニティバスで店舗に向かう。到着すると慣れ親しんだボランティアが出迎え、朗らかに挨拶を交わしていた。
それぞれのペースで始まった買い物は、高齢者1人にボランティアとケアプラザの職員が付き添った3人1組体制が基本。持参した買い物メモをチェックしながら、商品をカゴに入れていく。「鰻のほかに、なんのお魚を買おうかしら」「たくさん種類がありますねぇ。塩鮭、西京焼き、どれにしましょう?」と、友人同士のように和気あいあいと会話をしながらショッピングを楽しんでいた。
会計はスローショッピングのフラッグが掲げられたスローレジで行う。「並んでいる人に迷惑がかかるから、早くお金を出さなければ」と焦る必要がないため、ポイントカードやクレジットカードを一つひとつ提示するなど落ち着いて支払いができる。買い物を終えた高齢者は「漏れなく満足に欲しいものが買えた」「私が気づかないことも教えてくれて本当に助かる」と嬉しそうに話した。
1月のデモンストレーションから参加しているというボランティアは「付き添う方は毎回同じで、比較的近隣に住んでいるので、もうすっかり顔なじみの関係。話をしたり、重いものを持ったり、買い物時の困りごとを一緒に解決していきたい」と笑顔を浮かべた。ケアプラザの職員は家族構成などにも配慮し、高齢夫婦でも食べきれる少量サイズや少しでも賞味期限が長い品物を選ぶよう心がけているそう。
送迎のコミュニティバスの発車を待つあいだは、店舗の休憩スペースでお茶を飲みながらおしゃべりに花を咲かせる。今回が初参加だった高齢者も緊張がほぐれた様子で、ニコニコと会話の輪に溶け込んでいた。ケアプラザの職員は、こうした何気ない雑談から高齢者が潜在的に抱える悩みごとを知ることもあるという。
改善案模索する振り返り
高齢者が帰宅した後は、ケアプラザ・社協・店舗の職員による振り返りが行われた。参加者の近況報告では、ある男性の妻が直前に「外出は億劫」と不参加になってしまった状況を共有。男性の帰りを楽しみにしておりスローショッピングへの興味はあることから、閉じこもりにならないよう継続的に様子をみることとなった。
またこの日は、店舗責任者がスローショッピングのために作成したフロアマップが議題にのぼった。イラストを使った簡易的なもので、受け取った高齢者は大喜び。しかしサイズが大きすぎたため、カートを押しながら見ることができず、上手く活用できていなかった一面もあった。
実際に付き添ったケアプラザの職員から「サイズを小さくする」「カートにクリップを取り付ける」などの意見が出ると、管理統括マネージャーの坂井剛さんは「クリップや磁石を使えば、マップだけでなく買い物メモを挟むなど活用できるかもしれない。今後も参加者の声を聴いて、誰もが買い物しやすい環境を目指していきたい」と語った。
スローショッピングは、栄区の総合スーパー「イトーヨーカドー桂台店(以下、店舗)」で毎月第3水曜日に実施されている。ケアマネジャーの紹介等を通じて事前に申し込んだ高齢者は、桂台地区を走るコミュニティバスで店舗に向かう。到着すると慣れ親しんだボランティアが出迎え、朗らかに挨拶を交わしていた。
それぞれのペースで始まった買い物は、高齢者1人にボランティアとケアプラザの職員が付き添った3人1組体制が基本。持参した買い物メモをチェックしながら、商品をカゴに入れていく。「鰻のほかに、なんのお魚を買おうかしら」「たくさん種類がありますねぇ。塩鮭、西京焼き、どれにしましょう?」と、友人同士のように和気あいあいと会話をしながらショッピングを楽しんでいた。
会計はスローショッピングのフラッグが掲げられたスローレジで行う。「並んでいる人に迷惑がかかるから、早くお金を出さなければ」と焦る必要がないため、ポイントカードやクレジットカードを一つひとつ提示するなど落ち着いて支払いができる。買い物を終えた高齢者は「漏れなく満足に欲しいものが買えた」「私が気づかないことも教えてくれて本当に助かる」と嬉しそうに話した。
1月のデモンストレーションから参加しているというボランティアは「付き添う方は毎回同じで、比較的近隣に住んでいるので、もうすっかり顔なじみの関係。話をしたり、重いものを持ったり、買い物時の困りごとを一緒に解決していきたい」と笑顔を浮かべた。ケアプラザの職員は家族構成などにも配慮し、高齢夫婦でも食べきれる少量サイズや少しでも賞味期限が長い品物を選ぶよう心がけているそう。
送迎のコミュニティバスの発車を待つあいだは、店舗の休憩スペースでお茶を飲みながらおしゃべりに花を咲かせる。今回が初参加だった高齢者も緊張がほぐれた様子で、ニコニコと会話の輪に溶け込んでいた。ケアプラザの職員は、こうした何気ない雑談から高齢者が潜在的に抱える悩みごとを知ることもあるという。
改善案模索する振り返り
高齢者が帰宅した後は、ケアプラザ・社協・店舗の職員による振り返りが行われた。参加者の近況報告では、ある男性の妻が直前に「外出は億劫」と不参加になってしまった状況を共有。男性の帰りを楽しみにしておりスローショッピングへの興味はあることから、閉じこもりにならないよう継続的に様子をみることとなった。
またこの日は、店舗責任者がスローショッピングのために作成したフロアマップが議題にのぼった。イラストを使った簡易的なもので、受け取った高齢者は大喜び。しかしサイズが大きすぎたため、カートを押しながら見ることができず、上手く活用できていなかった一面もあった。
実際に付き添ったケアプラザの職員から「サイズを小さくする」「カートにクリップを取り付ける」などの意見が出ると、管理統括マネージャーの坂井剛さんは「クリップや磁石を使えば、マップだけでなく買い物メモを挟むなど活用できるかもしれない。今後も参加者の声を聴いて、誰もが買い物しやすい環境を目指していきたい」と語った。