在宅栄養ケアのすすめ

冷凍食品の活用在宅の支えに

冷凍食品の活用在宅の支えに

独居、老老世帯が増え、在宅介護の負担はますます大きくなっています。食事は品数にこだわるよりも、できる限り一品で多くの栄養を補えるものがポイントになります。そんな時、冷凍食品は「プラスワン食材」として大いに役立ちます。

 一昔前まで、冷凍食品は「美味しくない」「手抜き料理」のイメージが先行していましたが、最近では忙しい家事、在宅介護を支援するアイテムとして広く定着してきました。テレビでも「美味しい冷凍食品ランキング」などがよく特集されるようになりました。
 総務省統計局の家計調査によると、2021年の冷凍調理食品の年間平均支出金額は1世帯あたり9441円。2年前と比べて2割アップしており、コロナ禍で買物・外出・旅行の頻度が低下したことが要因と考えられています。

 改めて冷凍食品の利点を挙げると、下処理が施されているので作業が簡単(ほぼ電子レンジで加熱のみ)、かつ時間の大幅な短縮が最大のメリットです。捨てるところがほぼなく、ゴミが少なく済むのも助かります。長期保存が可能で買い置きしやすく、衛生面でも安心。スーパー、コンビニなど身近なお店で手に入り、種類も多いので食事のラインナップを広げることにもつながります。

 私が在宅栄養などで関わる高齢者がよく食べているのは、ご飯ものでは焼きおにぎりやチャーハン、野菜ではコーンやミックスベジタブル、ブロッコリーなど。主菜ではハンバーグや、唐揚げ、餃子、コロッケなど、普通に調理すれば手間のかかる揚げ物も人気です。写真のハンバーグ、シューマイ、エビグラタン、ミックスベジタブルは全て冷凍食品ですが、このように組合せて盛り付ければ、プレートの見映えもよくなります。摂食嚥下が難しい場合は、加熱後に一口大に切る(容易にかめる)、粗く刻む(歯ぐきでつぶせる)などの工夫を施しましょう。何より、家族で同じものを食べられることは、本人の食欲にもプラスに働きやすくなります。

アレンジ素材にも有効

 独居、老老世帯が増え、在宅介護の負担はますます大きくなっています。食事は品数にこだわるよりも、できる限り一品で多くの栄養を補えるものがポイントになります。そんな時、冷凍食品は「プラスワン食材」として大いに役立ちます。
 例えば、冷やしそばに冷凍シューマイのトッピング、また焼きそばに冷凍唐揚げをトッピングすれば、麺類でのエネルギー摂取だけでなく、たんぱく質も強化することができます。

 ひと手間かける工夫は、介護食全体のテーマでもあります。やわらか食や冷凍食品、缶詰も、そのままで出し続ければ飽きやすくなります。調理そのものには負担をかけず、介護食+冷凍食品の組合せを複数パターン用意しておくことなどが大切です。盛付けや食器を変更するといったアクセントも試してみましょう。

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