介護報酬単価

居宅介護支援 2021年度介護報酬改定 留意事項

居宅介護支援 2021年度介護報酬改定 留意事項

(1)管理者要件の経過措置延長
(2)常勤(換算)の取扱い
(3)内容・手続きの説明、同意
(4)サービス担当者会議
(5)居宅サービス計画の届出
(6)運営規定に定める事項に「虐待の防止のための措置に関する事項」を追加
(7)ハラスメント対策
(8)業務継続計画の策定
(9)感染対策
(10)虐待の防止
(11)電磁的記録・方法
(12)サービス利用票を作成した月において利用実績のない場合
(13)居宅介護支援の業務が適切に行われない場合
(14)逓減制の緩和要件
(15)特定事業所加算について
(16)特定事業所加算(A)について
(17)退院・退所加算について
(18)通院時情報連携加算

管理者要件の経過措置

 2027年3月31日までの間は、2021年3月31日時点で主任介護支援専門員でない者が管理者である居宅介護支援事業所は、当該管理者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を猶予することとしているが、居宅介護支援事業所における業務管理や人材育成の取組を促進する観点から、経過措置期間の終了を待たず、管理者として主任介護支援専門員を配置することが望ましい。(蛍光箇所が改定された内容)

常勤(換算)の取扱い

 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」第13条第1項に規定する措置(以下、「母性健康管理措置」)または育児・介護休業法第23条第1項、同条第3項または同法第24条に規定する所定労働時間の短縮等の措置(育児及び介護のための所定労働時間の短縮等の措置)が講じられている場合、30時間以上の勤務で、常勤換算方法での計算に当たり、常勤の従業者が勤務すべき時間数を満たしたものとし、1として取り扱うことを可能とする。

 また、人員基準において常勤要件が設けられている場合、従事者が労働基準法第65条に規定する休業(産前産後休業)、母性健康管理措置、育児・介護休業法第2条第1号に規定する育児休業、同条第2号に規定する介護休業、同法第23条第2項の育児休業に関する制度に準ずる措置または同法第24条第1項(第2号に係る部分に限る)の規定により同項第2号に規定する育児休業に関する制度に準じて講ずる措置による休業(育児休業に準ずる休業)を取得中の期間において、当該人員基準において求められる資質を有する複数の非常勤の従事者を常勤の従業者の員数に換算することにより、人員基準を満たすことが可能であることとする。

介護保険等関連情報の活用とPDCAサイクルの推進

 基準第1条の2第6項は、指定居宅介護支援を行うに当たって、介護保険等関連情報等を活用し、事業所単位でPDCAサイクルを構築・推進することにより、提供するサービスの質の向上に努めなければならないこととしたもの。

内容・手続きの説明、同意

 前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護(以下、「訪問介護等」)がそれぞれ位置付けられた居宅サービス計画の数が占める割合、前6月間に指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた訪問介護等ごとの回数のうちに同一の指定居宅サービス事業者又は指定地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合(上位3位まで)等につき十分説明を行わなければならない。

 なお、この内容を利用者または家族に説明を行うに当たって、理解が得られるよう、文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用者から署名を得なければならない。

 前6月間は、毎年度2回、次の期間における当該事業所において作成された居宅サービス計画を対象とする。
①前期(3月1日から8月末日)
②後期(9月1日から2月末日)

 なお、説明は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し行うものとするが、その際に用いる当該割合等については、直近の①もしくは②の期間のものとする。

サービス担当者会議

 サービス担当者会議は、テレビ電話装置等を活用して行うことができる。ただし、利用者または家族が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について利用者等の同意を得なければならない。なお、テレビ電話装置等の活用には、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

居宅サービス計画の届出

 一定回数以上の生活援助を位置付けた居宅サービス計画の届出頻度について、一度市町村が検証した計画の次回の届出は、1年後でよいものとする。

 市町村の検証の仕方は、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療および福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員、その他の関係者、関係機関・団体により構成される会議等のほかに、当該市町村の職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行うサービス担当者会議等での検証も可能である。

 サービスの合計単位数が区分支給限度基準額に占める割合や訪問介護に係る合計単位数が居宅サービス等合計単位数に占める割合が厚生労働大臣が定める基準に該当する場合に、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが適当である。このため、当該基準に該当する場合にその必要性を居宅サービス計画に記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならないことを規定する。届出は、当該月において作成または変更(軽微な変更を除く)した居宅サービス計画が当該基準に該当する場合には、市町村に届け出る。

 市町村の検証の仕方は、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療および福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員、その他の関係者、関係機関・団体により構成される会議等のほかに、当該市町村の職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行うサービス担当者会議等での検証も可能である。

運営規定に定める事項に「虐待の防止のための措置に関する事項」を追加

虐待の防止のための措置に関する事項(第6号)
 虐待の防止に係る、組織内の体制(責任者の選定、従業者への研修方法や研修計画等)や虐待または虐待が疑われる事案が発生した場合の対応方法等を指す内容であること。

ハラスメント対策

 事業主が講ずべき措置の具体的内容および講じることが望ましい取組については、次のとおりとする。なお、セクシュアルハラスメントについては、上司や同僚に限らず、利用者やその家族等から受けるものも含まれる。

イ 事業主が講ずべき措置の具体的内容
事業主が講ずべき措置の具体的な内容は、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」および「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上構ずべき措置等についての指針」(以下、「パワーハラスメント指針」)において規定されている通りであるが、特に留意されたい内容は以下のとおりである。

(a)事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
 職場におけるハラスメントの内容、職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業者に周知・啓発する。
(b)相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する。

 なお、パワーハラスメント防止のための事業主の方針の明確化等の措置義務については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」附則第3条の規定により読み替えられた「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」第30条の2第1項の規定により、中小企業(資本金が3億円以下または常時使用する従業員の数が300人以下の企業)は、2022年4月1日から義務化となり、それまでの間は努力義務とされているが、適切な勤務体制の確保等の観点から、必要な措置を講じるよう努める。

ロ 事業主が講じることが望ましい取組について
パワーハラスメント指針は、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の防止のために、事業主が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組の例として、①相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備②被害者への配慮のための取組 (メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)③被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)が規定されている。介護現場では特に、利用者、家族等からのカスタマーハラスメントの防止が求められていることから、イ(事業者が講ずべき措置の具体的内容)の必要な措置を講じるにあたっては、「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」「(管理職・職員向け)研修のための手引き」等を参考にした取組を行うことが望ましい。この際、上記マニュアルや手引きについては、以下の厚生労働省ホームページに掲載しているので参考にされたい https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html

 加えて、都道府県において、地域医療介護総合確保基金を活用した 介護職員に対する悩み相談窓口設置事業や介護事業所におけるハラスメント対策推進事業を実施している場合、事業主が行う各種研修の費用等について助成等を行っていることから、事業主はこれからの活用も含め、介護事業所におけるハラスメント対策を推進することが望ましい。

業務継続計画の策定

 業務継続計画の策定、研修、訓練の実施は、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。また、感染症や災害が発生した場合には、従業者が連携し取り組むことが求められることから、研修、訓練の実施は、全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。3年間の経過措置を設けており、2024年3月31日までの間は努力義務とする。

 業務継続計画には、以下の項目等を記載する。なお、各項目の記載内容については、「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」および「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。

イ 感染症に係る業務継続計画
 a 平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保等)
 b 初動対応
 c 感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、 関係者との情報共有等)

ロ 災害に係る業務継続計画
 a 平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道等のライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)
 b 緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)
 c 他施設、地域との連携

 研修の内容は、感染症および災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。 職員教育を組織的に浸透させていくために、定期的(年1回以上)な教育を開催するとともに、新規採用時には別に研修を実施することが望ましい。研修の実施内容についても記録すること。なお、感染症の業務継続計画に係る研修は、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施できる。

 訓練(シミュレーション)は、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践するケアの演習等を定期的(年1回以上)に実施する。なお、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。 訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上および実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。

感染対策

 感染症が発生、またはまん延しないように講ずべき措置は、具体的には次のイからハまでの取扱いとする。各事項について、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。なお当該義務付けの適用は、3年間の経過措置を設けており、2024年3月31日までの間は努力義務とされている。

イ 感染対策委員会
 構成メンバーの責任および役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策担当者を決めておくことが必要。感染対策委員会は、おおむね6月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。感染対策委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができる。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。
 
 なお、感染対策委員会は、他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。また、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。

ロ 感染症の予防及びまん延の防止のための指針
 「感染症の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策および発生時の対応を規定する。平常時の対策は、事業所内の衛生管理(環境の整備等)、ケアにかかる感染対策(手洗い、標準的な予防策)等、発生時の対応は、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における事業所関係課等の関係機関との連携、行政等への報告等が想定される。また、発生時における事業所内の連絡体制や上記の関係機関への連絡体制を整備し、明記しておくことも必要。 なお、それぞれの項目の記載内容の例は、「介護現場における感染対策の手引き」を参照されたい。

ハ 感染症の予防、まん延の防止のための研修・訓練
 研修の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該事業所における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的なケアの励行を行う。職員教育を組織的に浸透させていくには、当該事業所が定期的な教育(年1回以上)を開催するとともに、新規採用時には感染対策研修を実施することが望ましい。また、研修の実施内容も記録が必要。なお、研修の実施は、厚生労働省「介護施設・事業所の職員向け感染症対策力向上のための研修教材」等を活用するなど、事業所内で行うものでも差し支えなく、当該事業所の実態に応じ行うこと。

 また、平時から、実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について、訓練(シミュレーション)を定期的(年1回以上)に行うことが必要。訓練は、感染症発生時において迅速に行動できるよう、発生時の対応を定めた指針および研修内容に基づき、事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上でのケアの演習などを実施する。 訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上および実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切。

虐待の防止

 次に掲げる観点から虐待の防止に関する措置を講じるものとする。

・虐待の未然防止
高齢者の尊厳保持・人格尊重に対する配慮を常に心がけながらサービス提供にあたる必要があり、研修等を通じて、従業者にそれらに関する理解を促す必要がある。同様に、従業者が高齢者虐待防止法等に規定する養介護事業の従業者としての責務・適切な対応等を正しく理解していることも重要。

・虐待等の早期発見
従業者は虐待やセルフネグレクト等を発見しやすい立場にあることから、早期に発見できるよう、必要な措置(虐待等に対する相談体制、市町村の通報 窓口の周知等)がとられていることが望ましい。また、利用者・家族からの虐待等に係る相談、利用者から市町村への虐待の届出について、適切な対応をする。

・虐待等への迅速かつ適切な対応
虐待が発生した場合には、速やかに市町村の窓口に通報される必要があり、当該通報の手続が迅速かつ適切に行われ、 市町村等が行う虐待等に対する調査等に協力するよう努める。

 以上の観点を踏まえ、虐待等の防止・早期発見に加え、虐待等が発生した場合はその再発を確実に防止するために次に掲げる事項を実施する。なお、当該義務付けの適用に当たっては3年間の経過措置を設けており、2024年3月31日までの間は、努力義務とされている。

①虐待の防止のための対策を検討する委員会
 虐待防止検討委員会は、虐待等の発生の防止・早期発見に加え、虐待等が発生した場合はその再発を確実に防止するための対策を検討する委員会であり、管理者を含む幅広い職種で構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、定期的に開催することが必要である。また、虐待防止の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。

 一方、虐待等の事案については、虐待等に係る諸般の事情が、複雑かつ機微なものであることが想定されるため、その性質上、一概に従業者 に共有されるべき情報であるとは限られず、個別の状況に応じて慎重に 対応することが重要である。

 なお、虐待防止検討委員会は、他の会議体を設置している場合、一体的に設置・運営して差し支えない。また、事業所に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。また、虐待防止検討委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができる。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・ 介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。

 虐待防止検討委員会は、具体的には、次のような事項について検討する。その際、そこで得た結果(事業所における虐待に対する体制、虐待等の再発防止策等)は、従業者に周知徹底を図る必要がある。

イ 虐待防止検討委員会その他事業所内の組織に関すること
ロ 虐待の防止のための指針の整備に関すること
ハ 虐待の防止のための職員研修の内容に関すること
ニ 虐待等について、従業者が相談・報告できる体制整備に関すること
ホ 従業者が高齢者虐待を把握した場合に、市町村への通報が迅速かつ適切に行われるための方法に関すること
ヘ 虐待等が発生した場合、その発生原因等の分析から得られる再発の確実な防止策に関すること
ト 前号の再発の防止策を講じた際に、その効果についての評価に関すること

②虐待の防止のための指針
次のような項目を盛り込む。
イ 事業所における虐待の防止に関する基本的考え方
ロ 虐待防止検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
ハ 虐待の防止のための職員研修に関する基本方針
ニ 虐待等が発生した場合の対応方法に関する基本方針
ホ 虐待等が発生した場合の相談・報告体制に関する事項
ヘ 成年後見制度の利用支援に関する事項
ト 虐待等に係る苦情解決方法に関する事項
チ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項
リ その他虐待の防止の推進のために必要な事項

③虐待の防止のための従業者に対する研修
 従業者に対する虐待の防止のための研修の内容は、虐待等の防止に関する基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するものであるとともに、指針に基づき、虐待の防止の徹底を行う。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修(年1回以上)を実施するとともに、新規採用時には必ず虐待の防止のための研修を実施する。

 また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、事業所内での研修で差し支えない。

 ④虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者
虐待を防止するための体制として、①~③を適切に実施するため、専任の担当者を置く。担当者は、虐待防止検討委員会の責任者と同一の従業者が務めることが望ましい。

電磁的記録・方法

電磁的記録について
①書面の作成、保存等を次に掲げる電磁的記録により行うことができる。

イ 電磁的記録による作成は、事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法または磁気ディスク等をもって調製する方法によること。

ロ 電磁的記録による保存は、a・bのいずれかの方法によること。
 a 作成された電磁的記録を事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルまたは磁気ディスク等をもって調製するファイル により保存する方法
 b 書面に記載されている事項をスキャナ等により読み取ってできた電磁的記録を事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルまたは磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法

ハ その他、指定居宅サービス基準第217条第1項において電磁的記録により行うことができるとされているものは、イ・ロに準じた方法による。

ニ 電磁的記録により行う場合は、個人情報保護委員会・厚生労 働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

電磁的方法について
 交付、説明、同意、承諾、締結等について、事前に利用者・家族等の承諾を得た上で、次に掲げる電磁的方法によることができる。

イ 電磁的方法による交付は、指定居宅サービス基準第8条第2項から第6項までの規定に準じた方法によること。

ロ 電磁的方法による同意は、例えば電子メールにより利用者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。なお、「押印についての Q&A(2020年6月19日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。

ハ 電磁的方法による締結は、利用者等・事業者等の間の契約関係を明確にする観点から、書面における署名または記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと。なお、「押印についてのQ&A」を参考にすること。

ニ その他、指定居宅サービス基準第217条第2項において電磁的方法によることができるとされているものに類するものは、イからハまでに準じた方法による。ただし、この通知の規定により電磁的方法の定めがあるものについては、当該定めに従う。

ホ また、電磁的方法による場合は、個人情報保護委員会・厚生労働省 「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。

その他
イ この通知に定めるほか、単位数の算定に当たって押印を要する文書は、押印を不要とする変更等が行われたものとみなして取り扱うものとする。この場合において、「押印についてのQ&A」を参考にすることとし、変更の主な方法は、様式中の「印」等の表記を削るものとすること。

ロ 単位数の算定に当たって事業者に書類の提出を求める場合には、事業者に過度な負担が生じないよう配慮し、必要以上の添付書類等を求めないものとする。

サービス利用票を作成した月において利用実績のない場合

 サービス利用票の作成が行われなかった月およびサービス利用票を作成した月も利用実績のない月は、給付管理票を作成できないため、居宅介護支援費は請求できない。ただし、病院・診療所、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設から退院・退所する者等であって、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した利用者は、当該利用者に対してモニタリング等の必要なケアマネジメントを行い、給付管理票の作成など、請求にあたって必要な書類の整備を行っている場合は請求できる。なお、その際は居宅介護支援費を算定した旨を適切に説明できるよう、個々のケアプラン等において記録を残しつつ、居宅介護支援事業所において、それらの書類等を管理しておくこと。​(蛍光箇所が新たに加わった内容)

居宅介護支援の業務が適切に行われない場合

 居宅介護支援の提供の開始に際し、あらかじめ利用者に対して、

・利用者は複数の居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができること

・利用者は居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者等の選定理由の説明を求めることができること

・前6月間に作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護(「訪問介護等」)がそれぞれ位置付けられた居宅サービス計画の数が占める割合および前6月間に当該居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた訪問介護等ごとの回数のうちに同一のサービス事業者によって提供されたものが占める割合

について文書を交付して説明を行っていない場合には、契約月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。(蛍光箇所が新たに加わった内容)

逓減制の緩和要件

【一定の情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用、または事務職員の配置を行っている事業者は、逓減制の適用(居宅介護支援費Ⅱの適用)を45件以上の部分からとする見直しを行う】

情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用

 情報通信機器(人工知能関連技術を含む)については、介護支援専門員が行う一連の業務等の負担軽減や効率化に資するものとするが、具体的には、例えば、▽事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリケーションを備えたスマートフォン▽ 訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウエアを組み込んだタブレット―-等とする。

 この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

事務職員の配置

 事務職員は、介護支援専門員が行う一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員とするが、その勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。なお、当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められるが、常勤換算で介護支援専門員1人あたり、1月24時間以上の勤務を必要とする。

特定事業所加算について

 「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議」はテレビ電話装置等を活用して行うことができる。この際、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

・24時間連絡可能な体制は、常時、担当者が携帯電話等により連絡を取ることができ、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることをいうものであり、当該事業所の介護支援専門員が輪番制による対応等も可能であること。なお、特定事業所加算(A)を算定する事業所は、携帯電話等の転送による対応等も可能であるが、連携先事業所の利用者に関する情報を共有することから、規定の遵守とともに、利用者またはその家族に対し、当該加算算定事業所である旨およびその内容が理解できるよう説明を行い、同意を得ること。

・協力および協力体制は、現に研修における実習等の受入が行われていることに限らず、受入が可能な体制が整っていることをいう。そのため、当該居宅介護支援事業所は、研修の実施主体との間で実習等の受入を行うことに同意していることを、書面等によって提示できるようにすること。なお、特定事業所加算(A)を算定する事業所については、連携先事業所との共同による協力及び協力体制も可能である。

・特定事業所加算算定事業所は、同一法人内に留まらず、他の法人が運営する事業所の職員も参画した事例検討会等の取組を、自ら率先して実施していかなければならない。なお、事例検討会等の内容、実施時期、共同で実施する他事業所等について、毎年度少なくとも次年度が始まるまでに次年度の計画を定めなければならない。なお、年度の途中で加算取得の届出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに当該計画を策定すること。なお、特定事業所加算(A)を算定する事業所については、連携先事業所との協力による研修会等の実施も可能である。

多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスとは、介護給付等対象サービス以外の保健医療サービスまたは福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等のことをいう。(蛍光箇所が新たに加わった内容)

特定事業所加算(A)について

 常勤かつ専従の主任介護支援専門員は、業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えない。介護支援専門員とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員および介護支援専門員1名の合計2名を常勤かつ専従で配置するとともに、介護支援専門員を常勤換算方法で1の合計3名を配置する必要があること。
 
 この場合、常勤換算方法で1の介護支援専門員は他の居宅介護支援事業所(連携先事業所に限る)の職務と兼務しても差し支えないが、当該兼務に係る他の業務との兼務は、介護保険施設に置かれた常勤専従の介護支援専門員との兼務を除き、差し支えないものであり、当該他の業務とは必ずしも指定居宅サービス事業の業務を指すものではない。

退院・退所加算について

 面談は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者または家族が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。なお、テレビ電話装置等の活用に当たっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。

通院時情報連携加算

 利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた上で、居宅サービス計画等に記録した場合に、算定を行う。なお、同席にあたっては、利用者の同意を得た上で、医師等と連携を行うこと。

委託連携加算(介護予防支援)

 介護予防支援事業所が利用者に提供する介護予防支援を居宅介護支援事業所に委託する際、当該利用者に係る必要な情報を当該指定居宅介護支援事業所に提供し、介護予防サービス計画の作成等に協力した場合、当該委託を開始した日の属する月に限り、利用者1人につき1回を限度として所定単位数を算定する。なお、委託にあたっては、当該加算を勘案した委託費の設定を行うこと。

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