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老健のリハビリ 依然機能訓練中心

老健のリハビリ 依然機能訓練中心

 全老健が老健施設でのリハビリテーションの実態把握を行った。これまでも、在宅復帰ができる高齢者は、老健の入所中に大幅に機能が改善するが、退所後は少しずつ悪化することが、調査で分かっている。

「短期目標」 達成は9割

 結果は、老健でのリハビリは、筋力増強訓練が80%以上と最も多く、歩行訓練が次いだ。

 入所3カ月後、ケアプランの短期目標とリハビリ計画の短期目標は、約9割が達成または一部達成と回答した。看護計画上の短期目標については、「看護計画上の短期目標はない」として51.6%が目標を立てていなかった。

 老健のリハビリは、医師の指示に基づいてリハビリ職が行う形ではなく、医師、看護職、介護職、栄養士、相談員らが協働して実施している実態が明らかになったとしている。

 リハビリテーションの目標が下肢機能訓練や歩行訓練など、機能訓練が中心で、入所時と3カ月後で訓練のあり方があまり変わらない傾向が見られた。機能訓練中心から、排泄や入浴といった日常生活動作(ADL)や、さらに社会参加といった目標設定に移行すべきとした。

 ADLは、「自分でトイレに行けるようになる」という排泄動作訓練が最も多く行われていた。排泄パターンのアセスメントは一番に介護職、次いで看護職が担った。リハビリテーション計画の場合は医師、理学療法士、介護職、看護職のいずれもが70%以上関与していた。

 排泄機能の改善では、失禁の実態とそのリスク因子の分析が行われた。尿失禁の背景にはADLの低下があり、尿失禁や便失禁の改善にはADLの向上が効果があるとして、強化型老健や短期集中リハビリテーション実施加算の取り組みが有効であるとした。

 調査では休日のリハビリ実施も調べている。通所リハビリテーションの実施は、土曜日は毎週実施が7割だが、日曜日は8割が実施していない。

(シルバー産業新聞2016年7月10日号)

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